野中広務さんは、閣僚や幹事長を歴任した、自民党の大物政治家であった。ところが、2018年1月に死去した時には、共産党を含む各野党の幹部が、その高い志と人柄をたたえるお悔やみを述べた。安倍首相の型通りのお悔やみとの差が際立った。
「私の家の三百メートルほど向こうに、(中略)兵器工場があった。そこには朝鮮半島から強制連行された人たちがいて、非常に劣悪な条件で、鞭を当てられて血みどろになっている姿を眺めてきました。」(本書82頁)。沖縄では「「あそこのサトウキビ畑のあの畦道でうちの妹が殺されたんです。それがアメリカ軍じゃないんです」と言って、涙をパーッと出して泣くんだ。僕はびっくりして茫然として、(中略)、やられたのが日本軍だったのを聞いて、僕は愕然とした。」(本書280頁)。「私は、戦後五十年という節目に村山富市と言う総理を生み出したのは、こういう言い方はおかしいけれど、「天の配剤」だったと思うんですね。」(本書242頁)。
野中さんと、村山さんの経歴は、ある意味で似ている。旧制高校⇒帝国大学と言うエリートコースではない。兵隊から戻った後に、地方政治家から国会議員になったことも似ている。だが、野中さんは自民党、村山さんは社会党を選んだ。村山さんは、社会民主主義の未来を信じていたが、政権奪取に執着しなかった。憲法と平和を守る為の防波堤として、三分の一の議席が取れればよかった。野中さんは、遠い未来ではなく、目の前の現実的な課題を、一つ一つ解決して行く道を選んだ。文字通り清濁併せ吞む覚悟で、利権政治と権力政治の中で、表裏を使い分けた。対照的な道を歩んだ野中さんと村山さんだが、譲れないものは同じだったと思う。『村山富市回顧録』と、併せて読んで感じた次第だ。
自民党内の辣腕政治家としての野中さんは、本書の中でも余すところなく知ることが出来る。金の流れや人間関係を操り、政敵を倒して行く姿は、凄味を感じる。正直に言ってない部分もあるだろうから大変恐ろしい人だ。同時に小泉内閣の新自由主義路線や、靖国参拝にも批判的なハト派としての優しさもある。熟読・吟味が必要だが、その価値のある一冊だと思う。
聞き書 野中広務回顧録 (岩波現代文庫) (日本語) 文庫 – 2018/11/17
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本の長さ528ページ
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言語日本語
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出版社岩波書店
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発売日2018/11/17
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ISBN-104006033109
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ISBN-13978-4006033101
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
平成の日本政治をリードした野中広務氏が残したメッセージ。戦後長らく続いた五五年体制が崩れてゆく時、自民党の中で、「政界の狙撃手」とも呼ばれた野中氏は、何を見、何を感じ、どのように決断し、戦ったのか。今の自民党、政治状況を改めて考えるためのヒントに満ちた回顧録。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
御厨/貴
1951年生まれ。東京大学名誉教授、放送大学客員教授
牧原/出
1967年生まれ。東京大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1951年生まれ。東京大学名誉教授、放送大学客員教授
牧原/出
1967年生まれ。東京大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2018/11/17)
- 発売日 : 2018/11/17
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 528ページ
- ISBN-10 : 4006033109
- ISBN-13 : 978-4006033101
- Amazon 売れ筋ランキング: - 138,049位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
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オーラル・ヒストリーの成果のひとつ。
政治家の聞き書きながら、政治的理念や政策の話はほぼ皆無なのがびっくりである。
中央政界入りを勧められたときの「地方の本当の経験者として物を言ってくれなければ、自民党だけではなく、国の政治がおかしくなる(p.21)」という竹下登の言葉を繰り返すことや、自治大臣として地方分権推進法を成立させたことは「地方自治をやって来た人間として冥利に尽きる(p.213)」という述懐などから、地方を大切にしたいと考えていたことは伝わってくるけれど。
語られるのはもっぱら「人」の話。誰それとはどういう関係だったか、誰それはどのような人物か、ある局面で誰はどう行動し、誰はどう行動したか…等。それが面白い。
野中によれば、小渕恵三は「とにかく中学生のときから日記を書いて」いて、そこに知り合った人の「名前が全部書いて(p.335)」あったそうだから、「人への関心」は必ずしも野中だけではないのかもしれないが。
また、野中には自著もあるし聞き書きや評伝も出ているから、本書の聞き手が内容を「人」に絞ったのかなとも思う。
ハンセン病国賠訴訟で国が控訴断念したのは当時の小泉首相の「手柄」のようになっているけれど、野中の言葉を信じれば、それは野中が公明党や厚生大臣を巻き込んで根回しした結果だという(pp.468-469)。そうだったのか。
政治家の聞き書きながら、政治的理念や政策の話はほぼ皆無なのがびっくりである。
中央政界入りを勧められたときの「地方の本当の経験者として物を言ってくれなければ、自民党だけではなく、国の政治がおかしくなる(p.21)」という竹下登の言葉を繰り返すことや、自治大臣として地方分権推進法を成立させたことは「地方自治をやって来た人間として冥利に尽きる(p.213)」という述懐などから、地方を大切にしたいと考えていたことは伝わってくるけれど。
語られるのはもっぱら「人」の話。誰それとはどういう関係だったか、誰それはどのような人物か、ある局面で誰はどう行動し、誰はどう行動したか…等。それが面白い。
野中によれば、小渕恵三は「とにかく中学生のときから日記を書いて」いて、そこに知り合った人の「名前が全部書いて(p.335)」あったそうだから、「人への関心」は必ずしも野中だけではないのかもしれないが。
また、野中には自著もあるし聞き書きや評伝も出ているから、本書の聞き手が内容を「人」に絞ったのかなとも思う。
ハンセン病国賠訴訟で国が控訴断念したのは当時の小泉首相の「手柄」のようになっているけれど、野中の言葉を信じれば、それは野中が公明党や厚生大臣を巻き込んで根回しした結果だという(pp.468-469)。そうだったのか。
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政治家の回顧録として無類の面白さで、読み終えるのが惜しいと思った類なき一冊。語れずに沈黙のままとした出来事も多いものと推察されるが、好悪は別にして、生きた政治という生易しい言葉では語れない正に「権力」をめぐる「奥の院」における政治家と官僚の動静、離合集散、好悪・友敵関係、暗闘、裏切りと和睦などについて生々しい知見を与えてくれる(究極的には、弱者へのまなざしや真の政治的理想如何といった観点も含め、個々の「人間」性ということにも至るが)。聞き手も都度適切な質問とやり取りで、野中氏の率直な発言をよく引き出したものと感心した(Good Job!)。後藤田正晴の『情と理』と対をなし再読三読にたえる、近年の官房長官経験者の聞き書きとして双璧をなす傑作である。
備忘のために引用しておきたい箇所が余りにも多く、すべてを抜き書きすることは到底困難であるが、以下幾つかのみだが記録に留めておきたい。
「地方選挙区を小選挙区にするのは反対。それから、政党が活動する民主主義のコストを直接税金から国民に負担させるというのは、やがて政党政治を駄目にしてしまう、だから反対。」(126頁)
「それで小泉内閣ができたわけですが、私どもは初めから、小泉さんが出たら必ずこの国はおかしくなる、自民党もおかしくなると言ってきたから、徹底して反対していきました。」(442頁)
「「小泉内閣はこれからある程度続くだろう。小泉氏のときに自分もバッジをつけておって、日本の国がガタガタになったら、私が死んでから、物もよう言わずに小泉内閣を許した責任ある者の一人として批判を受けることもある。だからいま辞めよう。小泉内閣は間違っている。やがて歴史が証明するであろう」と言って、私は議員の引退表明をいたしました。」(448頁)
「そのあと、私は中国の吉林に行ったときに初めて知ったのですが、このときに北朝鮮と交わした覚書がほとんど履行されていないことがわかった。米は何トン送る、医薬品はどれだけ送る、とずっと細かく書いて、国交回復をしたときの金額まで書いたものを、政府関係者が向こうの高官と調印しているんです。これを小泉氏は隠して言わない。日朝間の現在のこじれの始まりはそこにある。」(451~2頁)
「だけどやっぱり、拉致家族八人を五人、三人に変えて日本に返したというのは、よほどのお土産があったんだ。」(455頁)
それにしても、野中氏より後の官房長官は軽量というか、そもそも重みや深みを感ずる政治家が枯渇してしまっていると思うのは評者だけであろうか?
備忘のために引用しておきたい箇所が余りにも多く、すべてを抜き書きすることは到底困難であるが、以下幾つかのみだが記録に留めておきたい。
「地方選挙区を小選挙区にするのは反対。それから、政党が活動する民主主義のコストを直接税金から国民に負担させるというのは、やがて政党政治を駄目にしてしまう、だから反対。」(126頁)
「それで小泉内閣ができたわけですが、私どもは初めから、小泉さんが出たら必ずこの国はおかしくなる、自民党もおかしくなると言ってきたから、徹底して反対していきました。」(442頁)
「「小泉内閣はこれからある程度続くだろう。小泉氏のときに自分もバッジをつけておって、日本の国がガタガタになったら、私が死んでから、物もよう言わずに小泉内閣を許した責任ある者の一人として批判を受けることもある。だからいま辞めよう。小泉内閣は間違っている。やがて歴史が証明するであろう」と言って、私は議員の引退表明をいたしました。」(448頁)
「そのあと、私は中国の吉林に行ったときに初めて知ったのですが、このときに北朝鮮と交わした覚書がほとんど履行されていないことがわかった。米は何トン送る、医薬品はどれだけ送る、とずっと細かく書いて、国交回復をしたときの金額まで書いたものを、政府関係者が向こうの高官と調印しているんです。これを小泉氏は隠して言わない。日朝間の現在のこじれの始まりはそこにある。」(451~2頁)
「だけどやっぱり、拉致家族八人を五人、三人に変えて日本に返したというのは、よほどのお土産があったんだ。」(455頁)
それにしても、野中氏より後の官房長官は軽量というか、そもそも重みや深みを感ずる政治家が枯渇してしまっていると思うのは評者だけであろうか?
2013年2月24日に日本でレビュー済み
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中曽根康弘さんのオーラルヒストリー「戦後日本外交」と、暫く前の後藤田正晴さんの「情と理」、そして野中さんの回顧録を読み比べると、やはり戦争体験が戦後の日本政治にどんな影響を与えたか、政治家個々の考え方や行動に何をもたらしてきたかを考えさせられました。比較して好き嫌いを言うのは簡単ですが、中央官僚から政界に出た中曽根さんと後藤田さん、地方政界から出た野中さん、それぞれの持ち味に感心します。墓場まで持って行く覚悟で、肝心なところはぼかしながらも、例えば赤裸々に語られる小渕政権の誕生秘話などは、たまたまですが、ブッチホンを直に受けた経験のある筆者としては興味津々でした。確かに混迷する国政ですが、政治不信、政治離れを嘆く前に、結局、政治は政党というより人がするものだといういうことを、有権者の一人として改めて知るための手引きだと思います。戦争が学者や思想家に与えた影響としては、小熊英二氏の「民主と愛国」なども興味深いですね。
2018年12月6日に日本でレビュー済み
かねてより評価の高い『野中広務回顧録』が、今回岩波現代文庫に収録され、手に取りやすくなったことは素直に喜びたいと思います。
良くも悪くも「自民党の政治家」らしい野中氏の生き方は、小泉政権の誕生や自民党の下野、安倍長期政権を経て自民党の変質が露わになった現在、ふりかえって検討するに値するものであることは間違いないでしょう。もっとも、「昔の自民党はよかったなぁ」というノスタルジーに浸るには強烈すぎる内容でもあり、そのようなノスタルジーを大事にしたい人は読まない方がいいかもしれません。
内容についてはすでによく知られていますし、原書のレビューにも色々書かれているので繰り返しません。
ひとつだけ言いたいのは、中島岳志による「解説」についてです。
本文の内容をつまみ食いし、それを基地問題・ハンセン病問題に取り組む「情の人」野中広務という(非常にありふれた、一般的な)視点からまとめています。これ、「解説」と呼ぶに値しますか?明らかなやっつけ仕事です。
もっとも、畑違いで、しかも売れっ子の中島氏に依頼をすれば、そうなるのはある意味当然でしょう。つまり依頼をした編集者が悪い。「野中広務といえば小泉首相や安倍首相を批判した人だから、中島岳志あたりでいいか」という安直さ。もうちょっとマシな人がいくらでもいるでしょう。
良くも悪くも「自民党の政治家」らしい野中氏の生き方は、小泉政権の誕生や自民党の下野、安倍長期政権を経て自民党の変質が露わになった現在、ふりかえって検討するに値するものであることは間違いないでしょう。もっとも、「昔の自民党はよかったなぁ」というノスタルジーに浸るには強烈すぎる内容でもあり、そのようなノスタルジーを大事にしたい人は読まない方がいいかもしれません。
内容についてはすでによく知られていますし、原書のレビューにも色々書かれているので繰り返しません。
ひとつだけ言いたいのは、中島岳志による「解説」についてです。
本文の内容をつまみ食いし、それを基地問題・ハンセン病問題に取り組む「情の人」野中広務という(非常にありふれた、一般的な)視点からまとめています。これ、「解説」と呼ぶに値しますか?明らかなやっつけ仕事です。
もっとも、畑違いで、しかも売れっ子の中島氏に依頼をすれば、そうなるのはある意味当然でしょう。つまり依頼をした編集者が悪い。「野中広務といえば小泉首相や安倍首相を批判した人だから、中島岳志あたりでいいか」という安直さ。もうちょっとマシな人がいくらでもいるでしょう。
2020年6月14日に日本でレビュー済み
2008年6月13日から2010年10月21日の間に行われた聞き取りで、当時の政権は福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫、菅直人です。野中広務さんは2018年に亡くなられています。
野中さんの現役当時は私自身がいまよりもっと政治への意識が薄かったのですが、聞き取りのなかでもマスコミや対抗勢力にレッテルとして貼られた語る「守旧派」の大物政治家というイメージは持っていたと記憶しています。昨今の政治状況に思うところもあり、かつて政界の重鎮の地位を占めていた野中氏がどのような考えを持ち、当時の政治状況がどのようなものだったかを知りたいという思いで本書に当たりました。
本書を読むことで野中氏への見方が刷新されました。
以降はわたしが注目した野中氏の主張や人物評などを本書から引用して残します。
----------
【政策・主張など】
・地方行政重視
・消費税反対
・小選挙区制に反対
→中選挙区のように多様な国民の意思が反映されず、51%が反映され、49%が封殺される
→世襲政治を長くしてしまう
・二世、三世議員が増えたことに
「民意を汲む政治から遠い存在になった」
「おかしな国になってしまう」
「もっと地方のことを知った人間でなければいかん」
・政党助成金に反対
「経団連に頭を下げて金をもらうというのは嫌いなほうだったから」
・天下り、収賄などへの批判、嫌悪感を示す
【人物評】
小沢一郎
「アメリカ関係になると採決を逃げる」
「独裁者だからね。あれは政策は知らないで、政略だけだということだ。」
安倍晋太郎と安倍晋三
「安倍晋太郎さんは「よく世間で俺は岸信介の息子みたいに言われるけど、俺の親父は反戦政治家として出た安倍寛なんだ」ということで胸を張っていた(中略)安倍晋三君にも申し上げたことも(中略)遺志を継いでくれなかったのかなと」
宇野宗佑
「続いていたら案外いい総理になったんじゃないですか」
亀井静香
「暴れん坊に映っているけど非常にいい人柄」
小泉純一郎
「私どもは初めから、小泉さんが出たら必ずこの国はおかしくなる。自民党もおかしくなると言ってきた」
「正義の味方みたいに一人で振る舞っていながら裏では自分たちの利益に結び付くような規制緩和をやっていく」「あんなに恐がりで脅える人間」
「応援演説に3000人も寄るような指導者が出たときは、必ずあとが駄目になってしまう(小泉氏のときにその怖ろしさを感じた)」
竹中平蔵
「(小泉内閣に)竹中平蔵なんかが入っていたから、これは困ったものだと思っただけです」
「国をあやうくすると思っていました。またオリックス(宮内義彦)にも同じことを感じました」
野中さんの現役当時は私自身がいまよりもっと政治への意識が薄かったのですが、聞き取りのなかでもマスコミや対抗勢力にレッテルとして貼られた語る「守旧派」の大物政治家というイメージは持っていたと記憶しています。昨今の政治状況に思うところもあり、かつて政界の重鎮の地位を占めていた野中氏がどのような考えを持ち、当時の政治状況がどのようなものだったかを知りたいという思いで本書に当たりました。
本書を読むことで野中氏への見方が刷新されました。
以降はわたしが注目した野中氏の主張や人物評などを本書から引用して残します。
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【政策・主張など】
・地方行政重視
・消費税反対
・小選挙区制に反対
→中選挙区のように多様な国民の意思が反映されず、51%が反映され、49%が封殺される
→世襲政治を長くしてしまう
・二世、三世議員が増えたことに
「民意を汲む政治から遠い存在になった」
「おかしな国になってしまう」
「もっと地方のことを知った人間でなければいかん」
・政党助成金に反対
「経団連に頭を下げて金をもらうというのは嫌いなほうだったから」
・天下り、収賄などへの批判、嫌悪感を示す
【人物評】
小沢一郎
「アメリカ関係になると採決を逃げる」
「独裁者だからね。あれは政策は知らないで、政略だけだということだ。」
安倍晋太郎と安倍晋三
「安倍晋太郎さんは「よく世間で俺は岸信介の息子みたいに言われるけど、俺の親父は反戦政治家として出た安倍寛なんだ」ということで胸を張っていた(中略)安倍晋三君にも申し上げたことも(中略)遺志を継いでくれなかったのかなと」
宇野宗佑
「続いていたら案外いい総理になったんじゃないですか」
亀井静香
「暴れん坊に映っているけど非常にいい人柄」
小泉純一郎
「私どもは初めから、小泉さんが出たら必ずこの国はおかしくなる。自民党もおかしくなると言ってきた」
「正義の味方みたいに一人で振る舞っていながら裏では自分たちの利益に結び付くような規制緩和をやっていく」「あんなに恐がりで脅える人間」
「応援演説に3000人も寄るような指導者が出たときは、必ずあとが駄目になってしまう(小泉氏のときにその怖ろしさを感じた)」
竹中平蔵
「(小泉内閣に)竹中平蔵なんかが入っていたから、これは困ったものだと思っただけです」
「国をあやうくすると思っていました。またオリックス(宮内義彦)にも同じことを感じました」