変わらない言葉を、変わりゆく世界に。 31年ぶり、ゼロから翻訳した新しい聖書。 2018年12月発行
聖書とは、神が人間一人一人へ語りかけている言葉です。神はアブラハムに何語で語りかけたのでしょう?ダビデ王には?イエス・キリストは何語で語られたのでしょう?それらには諸説あります。新約聖書はコイネー・ギリシア語で書かれました。そして、全世界の聖書翻訳言語の総数は2,500を優に超えます(聖書協会世界連盟統計)。 人々の言葉は、時代と共に変わり続けます。変わらない神の言葉を変わりゆく世界に伝えるため、翻訳聖書も絶えず変わり続けます。聖書を研究する学問は、神の言葉を現代に生きる私たちに、そして次世代へも正しく伝えるために絶えず深化し発展しています。学究の成果を受けて変わる日本語訳聖書は、変わらない神の言葉、その原典の息吹を、より鮮明に伝えます。 『聖書 聖書協会共同訳』を一問一答でご紹介します。詳細は、日本聖書協会発行の無料リーフレット(PDFをホームページに掲載)を、是非お読みください。 Q1 『聖書 聖書協会共同訳』の第一の特徴は? A 「礼拝で朗読されるのにふさわしい訳文」です。最初の段階から原語担当者と日本語担当者が協力して、分かりやすく、格調高く美しい訳文を作成しました。 Q2 『聖書 聖書協会共同訳』は、新共同訳の改訂ですか? A 聖書協会共同訳は一節一節改めて原語から翻訳した新訳です。新共同訳の改訂ではありません。ただし、口語訳や新共同訳を中心に様々な邦訳聖書を参考にして、良い部分は継承しています。しかし同時に、過去の伝統から自由になり、文脈を吟味し、大胆に聖書の本来の意味に近づく努力がなされました。委員会方式で訳業を進め、その全てのプロセスについて日本聖書協会が責任を負っています。 Q3 なぜ、約30年ごとに新しい訳? A およそ1世代にあたる30年が経つと、聖書学、本文批評学、翻訳学が進展するだけでなく、言語が変化すると言われます。言葉が変化しなくても、使い方や、その言葉への感じ方が変化するので、この度の翻訳はそれらに対応しました。 Q4 人名や地名、また各書の書名などは新共同訳から変化するのですか? A 固有名詞は原則として新共同訳の固有名詞を採用しています。書名も変更はありません。 Q5 2019年から新共同訳の出版はどうなるのですか? A 文語訳や口語訳と同じように、新共同訳を必要とされる方がいらっしゃる限り、出版し続けます。