老後にどれだけの資金が必要なのか?
このクエスチョンに対して、
多くの人が明確な答えを持っていないのではないでしょうか。
本書のクエスチョンに対する回答は、
会社員の場合、定年時退職金込で「5000万円強」だそうです。
そして、その条件は次の3つです。
1.リタイヤ後の支出は、現役時代の収入の68%
2.現状の年金制度が維持されている
3.リタイヤ後15年間は資金を利回り3%で運用
ここで条件について、具体的に考えてみます。
まず1について、
リタイア時の月収が30万円だとした場合、
リタイヤ後の支出は約21万円という計算になります。
これはこんなものでしょうね。
次に2について、
これは楽観的に考えても、
年金支給年齢の引き上げはありそうです。
3について、
これはかなりハードルが高いです。
投資の経験がある方ならば容易に想像できると思いますが、
「5000万円強を利回り3%で運用」は、
個人投資家としてのスキルと経験がないとできません。
こうして整理してみると、
今からできる準備も見えてきます。
1.生活レベルをむやみに上げない
2.60歳以上でも働ける体の維持
3.投資家としてのスキルと経験の獲得
現実的なのは、こんな所でしょう。
しかし、ただ長生きするリスクをヘッジするのに、
こんなに苦労するのは、やりきれない気がします。
その意味で本書は、何のための老後資金なのか、
という問題提起に深みがないように感じました。
よくも言えばタイトル通りなのですが、
本書は処世術を紹介するだけであり、
しかもその処世術は机上で考えただけで、
足が地についておらず、私には不満でした。
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