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老人賭博 単行本 – 2010/1/7

4.1 5つ星のうち4.1 16個の評価

映画撮影の舞台となった北九州の町が、史上最高に心ない賭博のワンダーランドと化す。爆笑がやがて感動に変わるハイパーノベル!
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2010/1/7)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/1/7
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 204ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4163287507
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4163287508
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 16個の評価

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松尾 スズキ
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2021年12月10日に日本でレビュー済み
    題名とカバーの絵が渋すぎるのですが、内容は読みやすいです。
    もっと松尾スズキ先生の本が読みたい!
  • 2011年9月15日に日本でレビュー済み
    以前から松尾さんの作品は読ませていただいております。
    今回の読めば読むほど面白くなる、じわじわくる感じがとても良かったです。
    誰かの書評で噛めば噛むほど味が出るするめのような、、という表現に納得しました。
    松尾さんの本はどれが好きかは好みが分かれるかもしれませんが私はこの本は面白かったです。
    個人的に細かい表現の仕方がつぼで笑えます。
    松尾さんの人柄が随所に滲み出ているような感じで。
    よく本を読んでいてある最後にあれ?途中からこんな感じ?と思うこともなく、
    本作は買ってよかったと思いました。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2010年10月30日に日本でレビュー済み
    『マンハッタンラブストーリー』の松尾さんの「具がおおぉぉぉおおおい!!」みたいな。

    そんな小説ですよ!これは!

    ただの面白いだけじゃないっすよ!内容が深い!

    この小説にでてくる連中のちょっとした酷さは良心的な倫理観をお持ちの人には耐えられないほどに腐りきっている。

    だって、映画撮影で老人がNG出すかどうかで賭けをすんのだ…。老人がNG出すや出さぬやで一喜一憂するのだ。老人は必死でがんばっとるのに。

    これは、笑えない。普通は笑えない。だって悪意しか感じないもの。優しさがない。心がない。温もりがない。なんか嫌な感じがする。

    だが、笑える。

    この小説は、こんなに人でなしな賭博で爆笑させてくれる。

    こういった脳味噌が腐りきった博打ばかりを好んでするセンセイ(おそらく松尾スズキ本人がモデル)に主人公が聞く。

    「センセイはなんでそんなにギャンブルが好きなんですか?」
    「ギャンブル?それほど好きじゃないよ。疲れるし」
    寝ても覚めてもギャンブルやってる男が何をいうのやら…。しかし、続きが深い!!
    「もしこの世に神様というのがいるとしたら、すべての出来事は神の決定によるものだよな。(中略)神の行為を矮小化することで、神の視線の外側に出る。それがおもしろいんだが、なにせ、神はでかいからね。それを相手の遊びだから身も心もクタクタになる」

    ギャンブルをやることが神を相手にした遊びだという。
    全てが神の決めた計画通りに動くしかできないのが人間だとしたら、これほどつまらんことはない。
    だから、神に挑戦したい。神の計画を先読みしてそれに値段をつけて矮小化したい。
    そのことで初めて神と対等になれる。そんな感じのことだろうか?

    おそらく、こういう哲学が多分あるだろう(詳しくないので判りましぇんが)
    ま、キリスト教なんか、これに近い考えで、万能の神がいる中でどう生きるかということだろうけど。
    西洋の哲学は全てキリスト教社会でよりよく生きるためにどう思考していてけばいいのかが出発点になっている(確か)。
    実存主義だってキリスト教の神を否定して初めて出てきた哲学だ。

    考えるにセンセイは、神がいると思っている。(キリスト教ではないかもしれないが)
    だから、自分の行動、他人の行動、世界の流れ、全てが何か決まり切ったことをやっているだけなような気がしている。
    それは、何をやっても無駄かもしれない。というニヒリズムでもある。
    その中で、賭博をすることで、神と対等の勝負をすることで、生きていく意味を見つけようとしていたのかもしれない。

    ラストは爆笑させられるだけではない。
    本当に感動させる。
    善意って何なのか?
    偽善って何なのか?
    悪意って何なのか?

    松尾スズキ本人がモデルであろうセンセイは、老人俳優の必死に生きる様を見て、「勝てねェなぁ」と思う。
    真剣に生きる滑稽さと哀しさ。
    善意を信じきれないけどでも、信じてもいかもしれないという希望。
    それを真摯に描いた作品だと思うよ!少なくとも俺は!

    だが、油断はできないセンセイはこうも言う。
    「俺の言ってることなんてほとんど冗談なんだから」

    …そっすか。
    5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2014年12月30日に日本でレビュー済み
    松尾スズキという人に、ある先入観があって今までその作品を見たり読んだりしたことがほぼなかったので、この作品が初の出会いでした。

    「顔面の内側が崩壊する」奇病を患った男が仕事先で知り合った「 B級コメディやホラー映画の脚本家であり1本だけ監督作もあって、副業でコラムを書いたり、俳優もやってい」る男(=センセイ)の弟子になって…という導入部から始まって、全篇、心地良くひねりのあるストーリー展開を楽しめます。

    「センセイ」はどうやら著者自身のことらしいのですが、そのシニカルかつハチャメチャな人物造詣と随所に出てくるアフォリズム的な発言も面白かったです。

    他の方のレビューを見ると松尾スズキファンの評判は必ずしも良くないようですが、昨今の小説家のエンタメ小説に飽き足らない、でも面白い小説を読みたい、という人にはお薦めです。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2010年2月8日に日本でレビュー済み
    こういうのを面白いと思う人もいるんだと感心し 価値観の多様性を再認識しました。
    私にとっては 今まで読んだ本の中で 最低の部類です。
    12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2010年2月12日に日本でレビュー済み
    以前から松尾スズキには好感を抱いていて、「今度こそ芥川賞を取れるといいなあ」と陰ながら応援していた。
    だから今回の芥川賞が受賞作なしと発表されたときは、「あげたらいいじゃん、ケチだなあ」と同情さえしていた。この本を読むまでは。

    イカサマ賭博にハメられた俳優兼脚本家の海馬を救うため、弟子である金子がニコラス・ケイジ似の磯山というヤクザと酔っ払いの女を連れて、バーに駆け付けたときのエピソードを以下に引用する。

    傍らで倒れていた女が生まれたての鹿が立つようにギクシャク起き上がってポツリと言った。
    「……酒」
     磯山は女を抱き起こし、皆のいるテーブルまでひきずって行って座らせた。女はふっと顔を上げると「ツチノコはいると思いますか?」と言って、しばらくぼんやりし、「あたしはいると思う!」と絶叫してそのままドーンと頭からテーブルに倒れこんだ。

    これ、笑えますか。
    本作はここ以外にも、松尾スズキもどきを目指している人が書きそうな例えがそこかしこに散りばめられているのだ。

    妻に逃げられた海馬が「さみしいから弟子でも取ろうかな」に始まり、ラストの師弟関係解消まで、全編を通してあまりにも都合の良すぎる性急な展開が盛りだくさん。これらをどう好意的に解釈すればいいのだろうか。

    クライマックスのドタバタはごく控えめに言っても、笑えなかった。もっと言うと、頭の悪い芸能人が書いた小説もどきにまで堕ちていった。

    まるでコント台本のノベライズを読んでいるような感じ。来年あたり「芥川賞受賞作を松尾スズキ本人が映画化!」という魂胆だったのだろうか。
    言いすぎだと思うけど、世の中そんなに甘くないでしょう、松尾さん。あなたほどの人ならとっくにご存知なはずなのに。

    筆者は大人計画の舞台をナマで見たことがない。「だからおまえにはこの面白さがわからないんだよ!」と、鬼の首を取ったように言う人もいるだろう。しかしそれと小説はまた別の話ではないかと思う。

    正直これが松尾氏の作品でなかったら、芥川賞の候補はもちろんのこと、純文学の老舗『文學界』にも掲載されていないだろう。松尾スズキを特別視している人(自分も含めて)に言いたい。
    「この小説、松尾スズキじゃなかったら褒めてますか?」と。

    読後してからは、腹が立つ対象は芥川賞の選考委員ではなく、松尾氏に群がる太鼓持ちのほうに変わった。
    候補に挙がったとき、「面白い! ぜひ受賞してほしい!」と騒いでいた連中。そして今も「なんであげなかったんだ!」と選考委員を旧態依然扱いして非難する一部の書評家たち。

    そんなに松尾氏に目を掛けてほしいのかな。贔屓倒しにもほどがあるよ!

    松尾さん、悪いことは言いません。いまあなたに耳触りのいい言葉しか言わないような、あなたを甘やかす取り巻きをすべて切るぐらいの勇気を持ってください。そしてまた『同姓同名小説』や『クワイエットルームへようこそ』(本来ならこれで芥川賞を取るべきだったのに)のような素晴らしい小説を書いてください。僕は待っています。
    37人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2012年2月27日に日本でレビュー済み
    小関老人とヤマザキのように、あまりに深い師弟関係は様々なストレスを生み出す。サラリーマンとしても、上司との関係において、はっと思わされました。
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2010年3月24日に日本でレビュー済み
    他愛のない簡易的なトトカルチョ。
    掛け金の多少にかかわらず現金がかかってるということでがぜんやる気をだす参加者。
    それに振り回されてることもしらず、それゆえに一生懸命に仕事を全うしようとするじいさんや監督。

    松尾スズキさんの小説、というか作品にはたくさんの人の思惑が交錯して、奇怪な状況を生み出すさまがありありと描かれる。
    今回もそんな作品でした。

    人により多少の好みの分かれるかと思います、クワイエットルームへようこそとはまた違った視点からひとの心を見事に描きだしてる作品だと思います。

    あと、松尾スズキさんはとても言葉が面白い。
    豊富な語彙と独特の発想力でまた新しい言葉を作り出す。あるいみでは大江健三郎さんのような作家さんなんかと重なる部分なのかも知れません。

    人々の心中の繊細な機微と、それを表現するための多彩な言葉の数々。

    惜しくも賞はとれませんでしたがおすすめする作品です。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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