これは「知の巨人」ウンベルト・エーコが、「美の歴史」について考察した大著である。決して「芸術(アート)の歴史」ではない。もっと言うと、西洋(人)にとっての「美の歴史」であって、われわれ東洋人は含まれていない。
含まれていないが、重なるところは小さくないだろう。
豊富な引用がいかにもエーコらしい。
なお、本書で扱われている「美に不可欠な醜」は、後に独立した大著『醜の歴史』へと発展した。買うべきか、買わざるべきか。
美の歴史 (日本語) 単行本 – 2005/11/1
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本の長さ439ページ
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言語日本語
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出版社東洋書林
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発売日2005/11/1
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ISBN-104887217048
-
ISBN-13978-4887217041
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
“美”とはなにか?絶対かつ完壁な“美”は存在するのか?“真”や“善”“聖”との関係は?―古代ギリシア・ローマ時代から現代まで、絵画・彫刻・音楽・文学・哲学・数学・天文学・神学、そして現代ポップアートにいたるあらゆる知的遺産を渉猟し、西洋人の“美”の観念の変遷を考察。美しい図版とともに現代の“知の巨人”エーコによって導かれる、めくるめく陶酔の世界。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
エーコ,ウンベルト
1932年アレッサンドリア生まれ。ボローニャ大学人文科学部長で記号論の教授。世界的ベストセラーとなった『薔薇の名前』をはじめとして、『フーコーの振り子』など、フィクション、ノン・フィクション双方に多数の著書がある
植松/靖夫
1953年北海道生まれ。上智大学大学院博士後期課程修了。東北学院大学文学部助教授
川野/美也子
学習院大学文学部史学科博士後期課程満期退了。イタリア・ルネサンス文化史専攻。1990~1994年、イタリア政府奨学金留学生としてフィレンツェ大学、ミラノ大学に学ぶ。学習院大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1932年アレッサンドリア生まれ。ボローニャ大学人文科学部長で記号論の教授。世界的ベストセラーとなった『薔薇の名前』をはじめとして、『フーコーの振り子』など、フィクション、ノン・フィクション双方に多数の著書がある
植松/靖夫
1953年北海道生まれ。上智大学大学院博士後期課程修了。東北学院大学文学部助教授
川野/美也子
学習院大学文学部史学科博士後期課程満期退了。イタリア・ルネサンス文化史専攻。1990~1994年、イタリア政府奨学金留学生としてフィレンツェ大学、ミラノ大学に学ぶ。学習院大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 東洋書林 (2005/11/1)
- 発売日 : 2005/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 439ページ
- ISBN-10 : 4887217048
- ISBN-13 : 978-4887217041
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 584,191位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 31,580位アート・建築・デザイン (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.3
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いわずもがな、現代のルネサンス的知性のイコンとも言えるウンベルト・エーコによる美術書。
ずっしりと重みのある書で、装丁、紙質、デザインも素晴らしく、エーコー好きの僕は人に勧められて、直ちに購入した。
パラパラとメージをめくりながら、期待に胸を膨らませて読み始めた。
だんだんと、微妙な感情状態に陥ってくる・・・。はたして、この訳語はいったい何だろうか?
ほとんど直訳としかとれない稚拙な訳文で、冒頭から意味不明な表現が頻出する。
「完全言語」を書いたエーコーも呆けてこんなつじつまの合わないこと言うようになってしまったのか?
いや、おそらく、訳者自身の経験と技量の無さ、あるいは本書のコンセプトへの無理解からだろうか?
本当にひどい訳文である。
それでも、本書自体の存在価値は大いにあるので、今後版を重ねて訳の修正が入ることを期待して、星3つ。
イタリア語が出来る方は当然原著を、英語を読める方は英語版を買ったよいかもしれません。
ずっしりと重みのある書で、装丁、紙質、デザインも素晴らしく、エーコー好きの僕は人に勧められて、直ちに購入した。
パラパラとメージをめくりながら、期待に胸を膨らませて読み始めた。
だんだんと、微妙な感情状態に陥ってくる・・・。はたして、この訳語はいったい何だろうか?
ほとんど直訳としかとれない稚拙な訳文で、冒頭から意味不明な表現が頻出する。
「完全言語」を書いたエーコーも呆けてこんなつじつまの合わないこと言うようになってしまったのか?
いや、おそらく、訳者自身の経験と技量の無さ、あるいは本書のコンセプトへの無理解からだろうか?
本当にひどい訳文である。
それでも、本書自体の存在価値は大いにあるので、今後版を重ねて訳の修正が入ることを期待して、星3つ。
イタリア語が出来る方は当然原著を、英語を読める方は英語版を買ったよいかもしれません。
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冒頭の着衣と裸体のビーナスとアドニスの比較表にまず驚かされる。古今東西の著名なビーナス像、皇帝君主の肖像等に混じって、ツイッギー、ブリジット・バルドー、ジェームス・ディーンらのポートレートも著者の審美観に適ったものとして掲載されている。歴史的な美意識の推移というものを、著者独自の歴史観・哲学に基づいて描写した独断と偏見に凝り固まった「美」学研究書。それにしても、重さ1.4キロ,税込価格8,400円は、結構迫力がある。しかし、それを補って余りあるのは、印刷の美しさと、書面レイアウトの旨さである。
2012年7月8日に日本でレビュー済み
ウンベルト・エーコといえば博学の代名詞みたいな人だ。だが、この本はその博学ぶりが少し上滑りしている。まず冒頭で「有徳な行為を指す時われわれは美しい行為という」、と切り出し、美と善という道徳論に足を突っ込み、「本書は美の歴史であり、アート(あるいは文学や音楽)の歴史ではない」、という。ところが少し読み進むと今度は、
この美の歴史はなぜ、芸術作品を通してのみ資料的裏づけがなされるのか?なぜなら、何世紀にもわたって、美しいと見なされるものについてわれわれに語ってくれるのは芸術家、詩人、小説家たちであり、彼らこそがわれわれに範例を残してくれたからである。
という。ずいぶんと美の表現者の範囲を縮めたものだ。そして、
・・・本書は西洋世界の美の観念だけを扱う。いわゆるプリミティブな民族に関しては、われわれはその芸術的証拠物として、仮面、'かき絵、彫刻などを有しているが、これらがつくられた目的が観想なのか、祭儀なのか、それとも単に日常の使用なのかをわれわれに語ってくれる理論的テクストの用意がない。・・・
と続く。「プリミティブな民族」というのもはっきりしないが、その「芸術的証拠物」には美を感じないということを遠まわしに言っているのか。また、しきりと「われわれ」と表現しているので、誰かとの共著なのかと裏表紙をめくってしまったが、そうではない。このわれわれとは西洋世界の人々のことらしい。柳宗悦は読んでないから民芸は除外する、ということ? だいたい「本書では西洋世界での美の歴史を扱う」、と一行ですむことを長々と説明するからヘンなことになる、と私は思うのだが。
で、西洋だけを云々するのかと思っていると、突然、「日本の彫刻は触れるために作られる」という記述に出くわす。知らないことは書かないほうが衒学的効果は高いと思うんだけどね・・・。
最後までこの調子で進むが、多くの歴史的文献から引用文がなされているので、それを読むだけでもとても面白い本であることには間違いない。
でも、やっぱり全体を流れる目線みたいなものが気になる。たとえば「アルジェの女たち」を描くドラクロワの筆致を、「驚異的で異国的で激しい美への緊張感をあらわす」という。つまりエーコはそう感じているのだろうが、サイードのオリエンタリズムは読んだことがないのだろうか?いや、エーコに限ってそんなはずはない。ただ正直なだけだろうね。
この本には姉妹編の『醜の歴史』がある。これも面白い本ではあるが、登場する画家は簡単に予想できる。ボッシュ、ドーミエ、ゴヤ、ムンクなどだ。そのこと自体にはなんの違和感もないのだが、ドーミエの「三等車両」が「産業社会の醜さ」の章に載せられている。この絵に表現されるものが醜いという意味ならば、画面のどの部分が醜いかについての説明が必要ではないかと思う。『美の歴史』『醜の歴史』ともに、ようく注意しながら読まなくてはならない本である。
この美の歴史はなぜ、芸術作品を通してのみ資料的裏づけがなされるのか?なぜなら、何世紀にもわたって、美しいと見なされるものについてわれわれに語ってくれるのは芸術家、詩人、小説家たちであり、彼らこそがわれわれに範例を残してくれたからである。
という。ずいぶんと美の表現者の範囲を縮めたものだ。そして、
・・・本書は西洋世界の美の観念だけを扱う。いわゆるプリミティブな民族に関しては、われわれはその芸術的証拠物として、仮面、'かき絵、彫刻などを有しているが、これらがつくられた目的が観想なのか、祭儀なのか、それとも単に日常の使用なのかをわれわれに語ってくれる理論的テクストの用意がない。・・・
と続く。「プリミティブな民族」というのもはっきりしないが、その「芸術的証拠物」には美を感じないということを遠まわしに言っているのか。また、しきりと「われわれ」と表現しているので、誰かとの共著なのかと裏表紙をめくってしまったが、そうではない。このわれわれとは西洋世界の人々のことらしい。柳宗悦は読んでないから民芸は除外する、ということ? だいたい「本書では西洋世界での美の歴史を扱う」、と一行ですむことを長々と説明するからヘンなことになる、と私は思うのだが。
で、西洋だけを云々するのかと思っていると、突然、「日本の彫刻は触れるために作られる」という記述に出くわす。知らないことは書かないほうが衒学的効果は高いと思うんだけどね・・・。
最後までこの調子で進むが、多くの歴史的文献から引用文がなされているので、それを読むだけでもとても面白い本であることには間違いない。
でも、やっぱり全体を流れる目線みたいなものが気になる。たとえば「アルジェの女たち」を描くドラクロワの筆致を、「驚異的で異国的で激しい美への緊張感をあらわす」という。つまりエーコはそう感じているのだろうが、サイードのオリエンタリズムは読んだことがないのだろうか?いや、エーコに限ってそんなはずはない。ただ正直なだけだろうね。
この本には姉妹編の『醜の歴史』がある。これも面白い本ではあるが、登場する画家は簡単に予想できる。ボッシュ、ドーミエ、ゴヤ、ムンクなどだ。そのこと自体にはなんの違和感もないのだが、ドーミエの「三等車両」が「産業社会の醜さ」の章に載せられている。この絵に表現されるものが醜いという意味ならば、画面のどの部分が醜いかについての説明が必要ではないかと思う。『美の歴史』『醜の歴史』ともに、ようく注意しながら読まなくてはならない本である。
2006年12月17日に日本でレビュー済み
序文には、「本書が扱うのは、美の歴史であって、美術史ではない」と書かれてはいますが、内容は、結局は西洋絵画史に近いものとなっている。絵画史の本として読むと、内容は通説そのものばかりで、特に目新しい説は述べられていない。特に現代美術の章に関しては、ほとんど陳腐とさえ言える解説が言葉少なげに展開されているにすぎず、拍子抜けした。
また、絵画史の本としては、圧倒的に情報量が少ないので、絵画史を知らない人が読むとわけがわからないんじゃないかと思う。章立ては、時代順ではなく、テーマ順に並んでいるので、歴史の流れが読み取れない。
図版が数多く収録されているが、文章に出てくる図版が掲載されていない箇所が多数あり、肝心の絵がみれないというもどかしさを何度も味わった。
また、訳文の日本語の意味がわからない場所が散見される。
高い本だし、装幀も立派で、なにより「エーコ編著」であるので、期待して読み始めたのだが、物足りなさが残った。
でも逆に言えば、ぱらぱらっとページをめくっていろんなトピックについて軽い気持ちで読んでみるという分にはいい本といえるのではないかと思います。解説はクリアカットでわかりやすいし(展覧会の音声ガイドを文章におこしたような感じです)。
エーコが書いているのは本書全体のうちの約半分。エーコ編集のアンソロジー本くらいに考えておいたほうがいいと思います。
本棚の飾りとしては、一級品の美しさ。
また、絵画史の本としては、圧倒的に情報量が少ないので、絵画史を知らない人が読むとわけがわからないんじゃないかと思う。章立ては、時代順ではなく、テーマ順に並んでいるので、歴史の流れが読み取れない。
図版が数多く収録されているが、文章に出てくる図版が掲載されていない箇所が多数あり、肝心の絵がみれないというもどかしさを何度も味わった。
また、訳文の日本語の意味がわからない場所が散見される。
高い本だし、装幀も立派で、なにより「エーコ編著」であるので、期待して読み始めたのだが、物足りなさが残った。
でも逆に言えば、ぱらぱらっとページをめくっていろんなトピックについて軽い気持ちで読んでみるという分にはいい本といえるのではないかと思います。解説はクリアカットでわかりやすいし(展覧会の音声ガイドを文章におこしたような感じです)。
エーコが書いているのは本書全体のうちの約半分。エーコ編集のアンソロジー本くらいに考えておいたほうがいいと思います。
本棚の飾りとしては、一級品の美しさ。
2007年1月5日に日本でレビュー済み
文学でもなく研究書でもない、U.エーコ編著のこの本は
博物学的テイストの入った西洋の”美”と美にまつわる
観念の変遷をたどった、ビジュアルでは美術から
文献については哲学・文学からの視点を
紹介した、ガイドのような本です。
個々に付いて深く掘り下げているわけではありませんが
普通専門的な本などでは繋げて書かれない物が
エーコさんの脳内では関連付けがされているので
芸術・文学・哲学等(時には数学・天文・音楽も)
が同じ物に到達すべく違う切り口から
試みてきたことの移り変わりは解りやすい。
400ページ以上で2/3はカラー図版!
文学・詩・哲学・美学等からの引用も多く
また芋蔓式にどんどん本が読みたくなってしまう所が
私としては久々に大ヒットでした。。。
やはり現代に近づくにつれ ちょっと焦点が、多分気持ちも。。。
もともと趣味的なチョイスであったのだから
無理に現在まで追わなくても良かったんじゃないか
とは思いましたが、その散逸してしまってる感じは
ある意味、現在の美を追求するなんていうときに重なります。
そうでなかった時代がある意味うらやましい。
科学とか技術とか解明されて来たことで得た物は勿論大きい
過去においてそれを目指してきたんだ。。。
半面失ったものもあるのだなあと。
いや、やはり、正解が無く、テーマとして残される物は”美”
なのかなと。
博物学的テイストの入った西洋の”美”と美にまつわる
観念の変遷をたどった、ビジュアルでは美術から
文献については哲学・文学からの視点を
紹介した、ガイドのような本です。
個々に付いて深く掘り下げているわけではありませんが
普通専門的な本などでは繋げて書かれない物が
エーコさんの脳内では関連付けがされているので
芸術・文学・哲学等(時には数学・天文・音楽も)
が同じ物に到達すべく違う切り口から
試みてきたことの移り変わりは解りやすい。
400ページ以上で2/3はカラー図版!
文学・詩・哲学・美学等からの引用も多く
また芋蔓式にどんどん本が読みたくなってしまう所が
私としては久々に大ヒットでした。。。
やはり現代に近づくにつれ ちょっと焦点が、多分気持ちも。。。
もともと趣味的なチョイスであったのだから
無理に現在まで追わなくても良かったんじゃないか
とは思いましたが、その散逸してしまってる感じは
ある意味、現在の美を追求するなんていうときに重なります。
そうでなかった時代がある意味うらやましい。
科学とか技術とか解明されて来たことで得た物は勿論大きい
過去においてそれを目指してきたんだ。。。
半面失ったものもあるのだなあと。
いや、やはり、正解が無く、テーマとして残される物は”美”
なのかなと。