著者は緩和ケアを実践する黒丸尊治医師です。
本書は著者が実践する医療をエッセイの形で紹介したものです。
黒丸氏は総合診療にあたる、内科、外科、産婦人科、小児科などの研修を受けた後、心療内科を学びます。
その後、2002年から緩和ケアを担当するようになり、今に至ります。
本書はそうした経験を踏まえて緩和ケアでの実情を語ったものです。
著者の元には、死を目前にした老若男女が訪れます。
彼らに持論を押し付けず、説教や説得もせず、患者自身の希望に寄り沿いながら医療を実践していました。
そうした優しさが込められたエピソードは感動的でした。
特に終盤での、耳鼻科医師が自身の専門である末期の咽頭癌に罹患したエピソードが印象的でした。
死がほとんど確定的だった彼は、ある経験をきっかけに奇跡的な治癒へと向かいます。
それは
「あなたはこの手で多くの人を助けてきましたね。
でも今度はあなたが助けてもらう番なのですよ。」
というヒーラーの言葉でした。
内心で西洋医学への疑問を感じながらも治療に臨んできた耳鼻科医にとって、自分が認められたと感じた瞬間だったようです。
その後は不思議なことに癌は進行せず、10数年を経た今も元気にしているとのことでした。
本書はこのように著者が実践する終末期の医療の様子が描かれていました。
患者にやさしく寄り添い、穏やかな死を迎えられるように心を砕く姿には心揺さぶられました。
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緩和医療と心の治癒力 単行本 – 2011/5/18
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「患者さんの思いを大切にする」という視点を重視して、患者を身体的・精神的・社会的に支える、総合的な緩和医療。代替医療などを通じて希望と喜びをもたらし、心の治癒力をひき出す緩和医療の提唱と、その取り組みを紹介する。
- 本の長さ264ページ
- 出版社築地書館
- 発売日2011/5/18
- ISBN-104806714224
- ISBN-13978-4806714224
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「患者さんの思いを大切にする」という視点を重視して、患者を身体的・精神的・社会的に支える、総合的な緩和医療。代替医療などを通じて希望と喜びをもたらし、心の治癒力をひき出す緩和医療の提唱と、その取り組みを紹介する。
著者について
1959年、東京都生まれ。87年信州大学医学部卒。徳洲会野崎病院にて、内科、外科、産婦人科、小児科の研修をした後、90年4月より関西医科大学心療内科に入局。九州大学心療内科、洛和会音羽病院心療内科を経て、2002年11月より彦根市立病院緩和ケア科部長。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
黒丸/尊治
1959年東京都生まれ。87年信州大学医学部卒。徳洲会野崎病院にて、内科、外科、産婦人科、小児科の研修をした後、90年4月より関西医科大学心療内科に入局。九州大学心療内科、洛和会音羽病院心療内科を経て、2002年11月より彦根市立病院緩和ケア科部長となり現在に至る。「希望」が持てる緩和医療をモットーに日々の臨床に取り組む一方、一般のがん患者を対象とした「がんストレス外来」も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1959年東京都生まれ。87年信州大学医学部卒。徳洲会野崎病院にて、内科、外科、産婦人科、小児科の研修をした後、90年4月より関西医科大学心療内科に入局。九州大学心療内科、洛和会音羽病院心療内科を経て、2002年11月より彦根市立病院緩和ケア科部長となり現在に至る。「希望」が持てる緩和医療をモットーに日々の臨床に取り組む一方、一般のがん患者を対象とした「がんストレス外来」も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 築地書館 (2011/5/18)
- 発売日 : 2011/5/18
- 単行本 : 264ページ
- ISBN-10 : 4806714224
- ISBN-13 : 978-4806714224
- Amazon 売れ筋ランキング: - 259,780位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 9,885位医学・薬学・看護学・歯科学
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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ベスト1000レビュアー
ただ黙って穏やかに死を迎えるというイメージの緩和医療の現場において、
代替療法にすがる患者さん
治療的な関わりを希望する患者さん
痛みをとって安らぎを求める患者さん
など、様々な患者さんとの触れ合いや想い受け止め、医療者としてどう考え、どう向きあってきたのかが真摯に語られていた良書。
余命宣告された患者さんは、現実を受け入れることは難しく、死と向き合うことができない。
そんな中でも、苦痛や苦悩を少しでも和らげることができれば、信頼感や安心感が生まれていく。
そして、何か心地よいと感じることに意識が向いてゆったりした時間を過ごす中で、余計なこだわりがなくなって穏やかに過ごすことができるのではないか、という著者の考え方に共感できた。
また、リラックス系の代替医療や治療系代替医療なども多く紹介されていて勉強になった。
治癒や自然寛解だけが希望なのではなく、いかに穏やかに最後を迎えることができるのか、そのためにどうやって心の治癒力を働かせるのか、学びが多かった。
代替療法にすがる患者さん
治療的な関わりを希望する患者さん
痛みをとって安らぎを求める患者さん
など、様々な患者さんとの触れ合いや想い受け止め、医療者としてどう考え、どう向きあってきたのかが真摯に語られていた良書。
余命宣告された患者さんは、現実を受け入れることは難しく、死と向き合うことができない。
そんな中でも、苦痛や苦悩を少しでも和らげることができれば、信頼感や安心感が生まれていく。
そして、何か心地よいと感じることに意識が向いてゆったりした時間を過ごす中で、余計なこだわりがなくなって穏やかに過ごすことができるのではないか、という著者の考え方に共感できた。
また、リラックス系の代替医療や治療系代替医療なども多く紹介されていて勉強になった。
治癒や自然寛解だけが希望なのではなく、いかに穏やかに最後を迎えることができるのか、そのためにどうやって心の治癒力を働かせるのか、学びが多かった。
2011年8月7日に日本でレビュー済み
緩和ケアは、死を受け入れなくてはいけないとか、スピリチュアルケアは生きる意味を見出さなくてはならないとか、
とかく考えられがちだが、著者はそういった固定概念を捨てろという。そうではなくて、手段はなんであっても、患者が楽になるんだったら、緩和ケアのために何を利用してもいいんじゃない?と提起する。人の数だけ、緩和ケアのアプローチの仕方はある、ということだ。そういった医療を実践できるかどうかは、その患者の人となりをしっかり理解することが前提だから、時間をかけた医療者と患者のつきあいが必要になる。そういった医療を提言するこの本をすべての人に勧めたい。一読するだけでも、気持ちスーッと楽になってくる本だ。
とかく考えられがちだが、著者はそういった固定概念を捨てろという。そうではなくて、手段はなんであっても、患者が楽になるんだったら、緩和ケアのために何を利用してもいいんじゃない?と提起する。人の数だけ、緩和ケアのアプローチの仕方はある、ということだ。そういった医療を実践できるかどうかは、その患者の人となりをしっかり理解することが前提だから、時間をかけた医療者と患者のつきあいが必要になる。そういった医療を提言するこの本をすべての人に勧めたい。一読するだけでも、気持ちスーッと楽になってくる本だ。