最近よく見かけることの多い「孤独」関連本だが、本書は大作家五木寛之氏が書いた「孤独のすすめ」の続編である。
前作を読んでいないので恐縮ではあるが、本書の内容を簡潔にまとめると「孤独は恐れるべきものではない。一人でいることが孤独なのではなく、本当の自分を見つめ直すことに孤独の意義がある」ということだろうか。
これを説明する具体的な文章を引用すると、「孤独の持っている恐ろしさや孤立感から目をそむけるわけにはいかない。安直な絆だけを求めてはだめで、ひとりで生きてゆくことの意味を問うべきだ」(p44)ということになる。
まあここまでは、よくある「孤独は悪くない本」と同じ論調なのだが、著者は1932年生まれの80歳台後半、知り合いや友人が次々と亡くなっていくそうだが、「なぜかさびしいという感情はない」(p92)そうだ。つまり「死」をきっかけに「孤独」を意識はしないということだろう。
失礼ながら著者自身がいつ亡くなってもおかしくない年齢なので、「死」はもはや当然のこととして受け入れられるのだろうが、「死はもう一つ別な、新しい旅の始まり」(p94)という考え方は、「孤独」とともに、迫り来る「老い」や「死」を恐れる60代ぐらいのシニアには思いつかない発想だと思う。
第五章「孤独を楽しむ」にある具体的な手法については残念ながら目新しいものは見当たらないが、他の章にある仏教の教えや故事などを引用した解説には、さすが作家とも言うべき面白さが感じられた。
いわゆる「孤独」を正面から堂々と論じるというよりは、「そんなに真剣にならなくても」というさりげないアドバイスが印象に残る孤独本だった。
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