タイトルに強く惹かれて購入
読む前に何となくこんな作品だろうなと想像し読み始めたのだがタイトルそのままの予想どうりの事をしてくれている。しかし期待していたより斜め下だった。
以下簡単な概要
主人公とヒロイン結女は元カップルでありイチャイチャラブラブの日々を送っていたが嫉妬やすれ違いから破局
しかし二週間後父親がい近氏継母の連れ子は元カノでした
最初に痴話喧嘩を持ってきて今はこんだけ仲悪いですよーアピールをしてそのまま過去にどんなことがあったか入っていく。
序盤の展開はいい感じに引かれていく。
これは面白いぞ!と読み進めるのだがその後主人公の部屋にやって来てヒロインと話、もとい喧嘩をするシーンで若干の違和感
というのも主人公が痛々しい……
「貴様を休ませてやろうか。永遠にな」
「はいQED」
「ガッハッハ愉快愉快」(大口を開けて赤ワインを流し込む)←原文ママ
とこんな発言をしていて、あまりにもキツイ。
頑張って脳内でデーモン閣下に変換したりQEDって漫画あったなとか
ワインを流し込むと書いてあってもイメージ等と書いてないのだからもしかしたら本当に流し込んでいるのかもしれない、いきなり飲酒を開始する主人公、これは面白くなるかもしれないぞ!と自分で盛り上げて行かないといていかれそうになる。
また
唖然としていた結女の顔がティーバッグを付けたお湯のように、徐々に真っ赤に染まっていった。
なんて文章もあり、私の知っているティーバッグは今までお湯を真っ赤に染めたことがないので家にあるティーバッグはすべて捨てようと思った。腐っているに違いない。
まあ念のため補足しておくと実際には中学から上がったばかりで高校一年生という設定があるし作品もまだ序盤で作者もまだキャラクター掴みきれていないんだろうなと耐えた。
しかしその後も違和感を感じることは多く
僕の部屋に置ける唯一のパンドラの箱と言えばそこには、-省略ー
付き合っていた頃に当のこの女からもらったプレゼントが隠されている
あんなに嫌い嫌い序盤で言ってたのにまだ持ってらっしゃるんですか閣下……となったり
S○X直前で手を出せなかったという黒歴史風チキンエピソードを展開するも彼女にはあーだーこーだ悪口を言いつづけ
これじゃ閣下がタダのイキリ陰キャじゃないですか!ふざけんな!となったり
今ではこうしてニヒルにハードボイルドな僕にも
等と言いだした時にはもはや素に戻り作者本気でこれがハードボイルドって思ってないよなと戦慄したが、そこも閣下のお茶目なところであると一週回って好きになれた
もちろんその脇を固める友人、川波君もそこらの凡夫ではない
閣下「悪いけど僕は君に、二つの返事をしなければならない」
川波「聞こうじゃねーの」
閣下「一つ、昼はもう食べた」
川波「そりゃ残念」
閣下「二つ。―――君みたいに軽薄そうなやつは、絶対に結女には近づかせない」
多分その時の閣下は顔文字ならこんなかんじ(。-`ω-)
しかし川波君は億しもせずこういう
「それじゃお返しに、俺からも二つアンタにいいことを教えちゃうぜ」
ヒューかっこいい!川波△!
因みに先ほどから会話のやばさのみ書いているが展開も実は少しがっかりした。
これは私が気にしすぎているのか、あるいは好みの問題か序盤で主人公たちはこれでもかといがみ合いしつこいくらい仲が悪い描写や説明をしているのに二章の所では一転キスしようとしている
どちらかと言えばすっごく仲の悪い元カップルが再婚をきっかけに徐々に仲直りをしてイチャイチャを見せつけてくるという展開を期待していただけに
最初からファッション喧嘩を繰り返し大嫌いと言いつつ好感度MAXのまま推移する物語は設定を生かしきれているのかどうかという疑問から同棲系ラブコメでしかなくねこれ?じゃあほかの作品でいいじゃんという結論を導き出してしまう。
序盤の付き合う別れるをさっとすませたのはラブコメだからつらいところは飛ばそうという配慮だろうなあ、いいねえ。なんて作品を読みながら思っていたがいきなり好感度MAXまで上げるのは違うんじゃねと強く思わされた。
すべてを説明しろ、一から十までを綺麗に運べ。とは言わないし、勢いで読ませる作品も好きだが喧嘩して別れてまた復縁イチャイチャがある程度作品のテーマと思っていたのでいきなりベタベタしていてがっかり。
二週間前に別れたと書いてあったけどぶっちゃけただのカップルの喧嘩見せられただけみたいな。再婚の意味!!
とまあ貶してしまったが解釈次第では大変楽しい作品である。
高校へ入学しどこの中学出身?と聞かれたヒロインが
「そこら辺の公立中だから名乗るほどのものじゃないわ」
と言い放ちヒューコミュ症!!友達が聞きたいの多分それじゃない!!と歓声を上げる読み方も楽しいし
閣下がトイレに入っているとクラスメイトが閣下について話し始め
「なんか暗くてさあ。ノリ悪いんだよね」
と馬鹿にされるシーンがあるのだが不敬罪だぞ!と思う自分と
わかるわかる!しかもあいつ大口空けてワインがぶ飲みしちゃうらしいぜ!。急性アルコール中毒で休ませてやりたいよな!永遠に!
と思う自分がいてこの作品の深さに思いを馳せた
実を言うと私は三章までしか読んでいないが購入を検討している方がいらっしゃればデーモン小暮閣下の中学生から高校生時代の作品として是非是非おすすめしたい。
とりわけ閣下を一度リスペクトすると止まらなくなる。私は三章で止まったが。
ps
ここまで書いておいてなんだが暇な時は一応よみ直そうと思う。
最後のサスペンスというのも気になるし期待してよんだが故の結果だとも思うのでそれを踏まえれば次は……どうだろう
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継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫) Kindle版
紙城 境介
(著)
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たかやKi
(イラスト)
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言語日本語
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出版社KADOKAWA
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発売日2019/1/1
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ファイルサイズ7747 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ある中学校である男女が恋人となり、イチャイチャして、些細なことですれ違い、ときめくことより苛立つことのほうが多くなって…卒業を機に別れた。そして高校入学を目前に二人は―伊理戸水斗と綾井結女は、思いがけない形で再会する。「僕が兄に決まってるだろ」「私が姉に決まってるでしょ?」親の再婚相手の連れ子が、別れたばかりの元恋人だった!?両親に気を遣った元カップルは、『異性と意識したら負け』という“きょうだいルール”を取り決めるが―お風呂上がりの遭遇に、二人っきりの登下校…あの頃の思い出と一つ屋根の下という状況から、どうしてもお互いを意識してしまい!?
--このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
紙城/境介
京都府出身。『ウィッチハント・カーテンコール 超歴史的殺人事件』にて第1回集英社ライトノベル新人賞優秀賞を受賞しデビュー。人が死ぬ話を書くのに疲れてネット上でカップリング厨の本性を現していたところ、『継母の連れ子が元カノだった―昔の恋が終わってくれない』にて第3回カクヨムWeb小説コンテスト・ラブコメ部門大賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
京都府出身。『ウィッチハント・カーテンコール 超歴史的殺人事件』にて第1回集英社ライトノベル新人賞優秀賞を受賞しデビュー。人が死ぬ話を書くのに疲れてネット上でカップリング厨の本性を現していたところ、『継母の連れ子が元カノだった―昔の恋が終わってくれない』にて第3回カクヨムWeb小説コンテスト・ラブコメ部門大賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B07KX2VQCP
- 出版社 : KADOKAWA (2019/1/1)
- 発売日 : 2019/1/1
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 7747 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 278ページ
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Amazon 売れ筋ランキング:
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- - 1,825位ライトノベル (Kindleストア)
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カスタマーレビュー
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2019年4月3日に日本でレビュー済み
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2018年12月11日に日本でレビュー済み
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最近スニーカー文庫に多い「カクヨム」発の作品らしいがタイトルに読ませるパワーがある作品だなあ、と感じて購入を決断。タイトルから察するに昔読んだ吉住渉の「マーマレード・ボーイ」みたいな話かなあと古臭い事を考えながら拝読。
物語は高校入学を目前にした主人公・伊里戸水斗の置かれた些か厄介な家庭環境の描写から始まる。水斗の父親が中学を卒業した夜に再婚しようと思うと切り出したのは良いが、結婚相手は二週間前に別れた相手である綾井結女の母親。別れたばかりの元カノと期せずして「きょうだい」になってしまった水斗だったが、両親の見ている前以外では当然の事ながら結女とはギクシャク。目下の問題はどちらが「弟(or妹)」になるかという事。当然相手の方が下だと主張して譲らない水斗と結女は「義理のきょうだいらしからぬ言動をした方が弟(or妹)になる」という奇妙なゲームを始める事になるが……
んー……作品の雰囲気やキャラに関しては悪くない、というかかなり良い部類の作品。お互いに素直になれないというラブコメの王道をきっちり守った上でニヤニヤさせて欲しいというラブコメ好きの欲求は十分満たされるし、主役カップルもサブキャラも造形がしっかりとしている上に、中には「よくこういうキャラを思い付いたな」と感心させられるサブキャラもいるので登場人物の造形能力も高い。が、問題は構成の方で物語が本格的に動き始めた中盤以降は「これはどうなるの?」と思わされつつ、その落としどころがちょっとブレたというか……そこの所で些か損をしているといった所。
やはりモノを言うのは「別れたばかりの元カップルが一つ屋根の下で暮らし始める」という設定。おそらくほとんどの読者がこのタイトルにも打ち出された特異な状況に惹かれて読むのだろうし、実際に序盤から中盤にかけてはこのどうしてもギクシャクせざるを得ない二人が「きょうだい」として暮らし始める事で起きるドタバタ劇を中心に描いている。特に「きょうだい」とひらがな表記にしてある事から分かる様に主役である水斗と結女が互いに自分が「兄(or姉)であると主張して譲らず、家庭内で互いをどう呼び合うかというちっぽけな所に意地を張って譲らない二人の関係を水斗と結女の視点を入れ替えながらじっくり描いている所は読む前の期待に十分すぎるほど応えている。
そのギクシャクした状況を描写しながら中学時代にヒロインである結女が水斗ぐらいにしか相手にされない冴えない文学少女であった事を明かし、そこからどの様にして高校入学時点での文学少年の水斗など相手にしないという完璧女子の仮面を被るに至ったかを描きそのキャラクターの重層性を活かして深みのあるキャラとして描いてあるのは好感が持てる。水斗に「高校デビュー」とからかわれながらも取り澄ました顔を取り繕おうとする部分と、今でも水斗との関係を込みで引っ張っている冴えない過去の部分の落差で魅せるキャラとなっているのである。
キャラクター造形という点ではサブヒロインの南暁月が結女にも増して素晴らしい。最初は結女に絡んでくる「賑やかし的なサブヒロイン」なのか、と思わせておいて中盤からその本性を現して物語を引っ掻き回す本作のキーキャラクターとでも言うべき存在。水斗との過去を切り捨てようとして切り捨てきれない結女の未練を刺激するキャラが現れたと思ったら実は……とそれまでのギクシャクしたラブコメの雰囲気を一気にサスペンス調へとひっくり返した時は「ギョッ」とさせられた。特に「ダイニングテーブルに五つの椅子」という描写に至っては鳥肌がゾワッと立つほどにパンチの効いた描写となっている。
この暁月が本領を発揮したあたりから、それまで一つ屋根の下でギクシャクした関係が続くカップルの話から一気に話が動くのかと思ったのだけど……問題はここから。暁月の本性を知った水斗が高校で唯一できた友人である川波小暮に相談を持ち掛け、その対策に乗り出すというのが終盤の展開になるのだけど、ここでキーキャラと思われた暁月がフェイドアウトしてしまうのは正直「あれ?」と肩透かしを食らった様な気がした。中盤であれだけ強烈な存在感を発揮し、水斗や結女にとってどんな脅威となるのかと思われたキャラがそのまま舞台袖に引っ込んでしまうのでは何とも竜頭蛇尾というか……
仮にこの一巻での展開が暁月の存在に頼らず、水斗と結女の関係の変化を掘り下げるというのであれば、それはそれで「あり」だったのだけど、その点に関しても些か中途半端と言わざるを得ない。特に中学時代の二人の関係がどの様にして深まっていったかは描かれていても、どの様にして離れ、最終的に破局を迎えたかという部分を序盤にさらっと流して書いただけで済ませてあるので「この様にして破局したカップルが、この様に元の鞘に戻った」という部分の納得感が今一つ弱いのである。
結局、この話を暁月という脅威を軸に描きたかったのか、元鞘に収まったカップルを軸に描きたかったのか、その部分がどうにも虻蜂取らずであったと言わざるを得ない。ラブコメとしての雰囲気もキャラクターの造形も良いのにストーリーの「まとまりの無さ」が全体の出来を若干落とした所が感じられる。二巻以降で持ち味を生かしつつこのストーリーのまとまりの無さを改善できるかどうかといった所がポイントであるように感じられた新シリーズの第一巻であった。
追記
これ京都を舞台にしてあるけど、この舞台設定自体にはあまり意味が無かったのでは?水斗も結女も完全に標準語だし、京都という土地柄を活かした展開がある訳でもないし……なんで実在の土地を使ったの?
物語は高校入学を目前にした主人公・伊里戸水斗の置かれた些か厄介な家庭環境の描写から始まる。水斗の父親が中学を卒業した夜に再婚しようと思うと切り出したのは良いが、結婚相手は二週間前に別れた相手である綾井結女の母親。別れたばかりの元カノと期せずして「きょうだい」になってしまった水斗だったが、両親の見ている前以外では当然の事ながら結女とはギクシャク。目下の問題はどちらが「弟(or妹)」になるかという事。当然相手の方が下だと主張して譲らない水斗と結女は「義理のきょうだいらしからぬ言動をした方が弟(or妹)になる」という奇妙なゲームを始める事になるが……
んー……作品の雰囲気やキャラに関しては悪くない、というかかなり良い部類の作品。お互いに素直になれないというラブコメの王道をきっちり守った上でニヤニヤさせて欲しいというラブコメ好きの欲求は十分満たされるし、主役カップルもサブキャラも造形がしっかりとしている上に、中には「よくこういうキャラを思い付いたな」と感心させられるサブキャラもいるので登場人物の造形能力も高い。が、問題は構成の方で物語が本格的に動き始めた中盤以降は「これはどうなるの?」と思わされつつ、その落としどころがちょっとブレたというか……そこの所で些か損をしているといった所。
やはりモノを言うのは「別れたばかりの元カップルが一つ屋根の下で暮らし始める」という設定。おそらくほとんどの読者がこのタイトルにも打ち出された特異な状況に惹かれて読むのだろうし、実際に序盤から中盤にかけてはこのどうしてもギクシャクせざるを得ない二人が「きょうだい」として暮らし始める事で起きるドタバタ劇を中心に描いている。特に「きょうだい」とひらがな表記にしてある事から分かる様に主役である水斗と結女が互いに自分が「兄(or姉)であると主張して譲らず、家庭内で互いをどう呼び合うかというちっぽけな所に意地を張って譲らない二人の関係を水斗と結女の視点を入れ替えながらじっくり描いている所は読む前の期待に十分すぎるほど応えている。
そのギクシャクした状況を描写しながら中学時代にヒロインである結女が水斗ぐらいにしか相手にされない冴えない文学少女であった事を明かし、そこからどの様にして高校入学時点での文学少年の水斗など相手にしないという完璧女子の仮面を被るに至ったかを描きそのキャラクターの重層性を活かして深みのあるキャラとして描いてあるのは好感が持てる。水斗に「高校デビュー」とからかわれながらも取り澄ました顔を取り繕おうとする部分と、今でも水斗との関係を込みで引っ張っている冴えない過去の部分の落差で魅せるキャラとなっているのである。
キャラクター造形という点ではサブヒロインの南暁月が結女にも増して素晴らしい。最初は結女に絡んでくる「賑やかし的なサブヒロイン」なのか、と思わせておいて中盤からその本性を現して物語を引っ掻き回す本作のキーキャラクターとでも言うべき存在。水斗との過去を切り捨てようとして切り捨てきれない結女の未練を刺激するキャラが現れたと思ったら実は……とそれまでのギクシャクしたラブコメの雰囲気を一気にサスペンス調へとひっくり返した時は「ギョッ」とさせられた。特に「ダイニングテーブルに五つの椅子」という描写に至っては鳥肌がゾワッと立つほどにパンチの効いた描写となっている。
この暁月が本領を発揮したあたりから、それまで一つ屋根の下でギクシャクした関係が続くカップルの話から一気に話が動くのかと思ったのだけど……問題はここから。暁月の本性を知った水斗が高校で唯一できた友人である川波小暮に相談を持ち掛け、その対策に乗り出すというのが終盤の展開になるのだけど、ここでキーキャラと思われた暁月がフェイドアウトしてしまうのは正直「あれ?」と肩透かしを食らった様な気がした。中盤であれだけ強烈な存在感を発揮し、水斗や結女にとってどんな脅威となるのかと思われたキャラがそのまま舞台袖に引っ込んでしまうのでは何とも竜頭蛇尾というか……
仮にこの一巻での展開が暁月の存在に頼らず、水斗と結女の関係の変化を掘り下げるというのであれば、それはそれで「あり」だったのだけど、その点に関しても些か中途半端と言わざるを得ない。特に中学時代の二人の関係がどの様にして深まっていったかは描かれていても、どの様にして離れ、最終的に破局を迎えたかという部分を序盤にさらっと流して書いただけで済ませてあるので「この様にして破局したカップルが、この様に元の鞘に戻った」という部分の納得感が今一つ弱いのである。
結局、この話を暁月という脅威を軸に描きたかったのか、元鞘に収まったカップルを軸に描きたかったのか、その部分がどうにも虻蜂取らずであったと言わざるを得ない。ラブコメとしての雰囲気もキャラクターの造形も良いのにストーリーの「まとまりの無さ」が全体の出来を若干落とした所が感じられる。二巻以降で持ち味を生かしつつこのストーリーのまとまりの無さを改善できるかどうかといった所がポイントであるように感じられた新シリーズの第一巻であった。
追記
これ京都を舞台にしてあるけど、この舞台設定自体にはあまり意味が無かったのでは?水斗も結女も完全に標準語だし、京都という土地柄を活かした展開がある訳でもないし……なんで実在の土地を使ったの?
ベスト1000レビュアー
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ニヤニヤと。ププッと。ニマニマと。ホクホクと。フフッと。ケラケラと。アハハと。
ちょっと間抜けな結女がカワイイカワイイ。良きにも悪しきにもどうやら毎度(過去も現在も)結女の行動言動がきっかけでイベント発生の模様。水斗が男子足らぬせいですが。
ヒーローヒロイン交互の一人称。外も内も、本音と建前と見栄と誤魔化しで氾濫状態。
開始早々一山越えさせます。表層か心根かははっきりしないまでも、お互いの気持ちをハナに示しています。
嫌いを主張し合っているのに。過去語りを読んでも嫌いに至るに十分な関係だのに。誤りも過ちも気付いているのに。
しかし、あ、こういう結末なのね。うーん……て読後の感慨です。あと南暁月はやばいです。ヒロイン扱いされないでほしい。犯罪者。メンヘラ? 気持ち悪い。
中高生時分の自身や周りの昔を振り返りつつ……飾らないっていいよねー……と。まあどうにも腑に落ちないので、次巻が生まれることを願います。
追伸。後から見て知った公式の紹介文、おかしいと思います。駄目でしょあれ。おかしい。内容知らない? 作者承認? 作品の定義というか、あれもネタバレと言うのでは?
ちょっと間抜けな結女がカワイイカワイイ。良きにも悪しきにもどうやら毎度(過去も現在も)結女の行動言動がきっかけでイベント発生の模様。水斗が男子足らぬせいですが。
ヒーローヒロイン交互の一人称。外も内も、本音と建前と見栄と誤魔化しで氾濫状態。
開始早々一山越えさせます。表層か心根かははっきりしないまでも、お互いの気持ちをハナに示しています。
嫌いを主張し合っているのに。過去語りを読んでも嫌いに至るに十分な関係だのに。誤りも過ちも気付いているのに。
しかし、あ、こういう結末なのね。うーん……て読後の感慨です。あと南暁月はやばいです。ヒロイン扱いされないでほしい。犯罪者。メンヘラ? 気持ち悪い。
中高生時分の自身や周りの昔を振り返りつつ……飾らないっていいよねー……と。まあどうにも腑に落ちないので、次巻が生まれることを願います。
追伸。後から見て知った公式の紹介文、おかしいと思います。駄目でしょあれ。おかしい。内容知らない? 作者承認? 作品の定義というか、あれもネタバレと言うのでは?
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