最近、劉慈欣の「三体Ⅱ」を読み、その壮大な設定に、やっぱりSFは面白いなとあらためて思い、何か面白いSF小説がないかと思い、そうだ小松左京がいるじゃないかと思い当たり本書にたどり着きました。
小松左京といえば「日本沈没」「復活の日」という二大傑作に悶絶するほど感激したもので、つい最近鑑賞した、丹波哲郎が総理大臣として出演している1970年代の映画版「日本沈没」もなかなかの良作でしたので、ここはやはり小松左京だろう、ということでこれまで未読であった本書にたどり着いた次第です。
果たして本書も、友人が殺人予告の後、謎の殺され方をするというミニマムなスタートながら、壮大な展開を見せてくれます。
様々な目標を達成し、絶頂を迎えているかのような人類。
そんななか「人類は完全ではない」ということをテーマに議論する学生たち。
そんな学生らが巻き込まれる、人類そのものの存在を問う出来事。
「がむしゃらに進み、進んでいる間は自己本位で、周囲を考えない。叡智が現れるのはその進み方が少し鈍ってからだが、それが現れるまでに、いくつもの取り返しのつかない犠牲を生み出してしまう。それどころか、技術の進歩に追いつけず、そのほんの少しの叡智でさえ欠如しているのではないか」
人類はこのまま発展していくことができるのか。
それとも新たな存在に未来を継ぐほうが幸福なのだろうか。
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