神田松之丞さんの生い立ち、落語にはまった学生時代、講談師として弟子入りし、前座を経て二つ目に至るまでが、わかりやすく丁寧に描き出されています。
神田松之丞さんの述懐と、聞き手である杉江松恋さんの解説の組み合わせで話が進みますが、構成がうまいのか、内容が濃いのに非常に読みやすいです。
表面的に見える部分よりも、神田松之丞さんが当時何を感じ何を考えていたのか、いま振り返ってみて当時の自分の姿がどう目に映っているのかといった内面に迫っています。
師匠との関係など、1人の人間を追ったドキュメンタリーという感じで、個人的にとても興味深く、一気に読み終えました。
文庫化にあたっては、『第7章 松之丞時代の終わり』が追加され、現在行っているラジオなどのメディア収録のエピソードや、真打昇進、伯山の襲名にあたっての想いや今後の展望が語られています。
単行本で読んだという人も、文庫版を手に取る価値はあると思います。
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