本著はアリゾナ大学統合医療プログラム(アンドルー・ワイル博士創始)を修了した
9名の日本人医師による活動団体(JPIMAA)が出した最新の統合医療啓蒙書です。
統合医療、そして補完代替医療と言えば、兎に角、誤解・不信の多い領域です。
一昨年8月のホメオパシー騒ぎなんかは皆様も記憶に新しいところだと思います。
ニセ医学・詐欺・カルト、色々ございます(笑)。
ですから今の世の中、補完代替医療には胡散臭いイメージが払拭出来ない方だらけだと思います。
そして統合医療=補完代替医療と混同している方、こちらも多かろうと思います。
そこの所を明確にする為に出て来たのがこのご本なのです。
肝は「統合医療とは単に(補完代替医療と)西洋医学と組み合わせた医療ではなく、
医療の根幹である医師患者関係を構築する診療概念なのです」という巻末のお言葉。
JPIMAAの考える統合医療は34pから詳述されます。
ここは読んでのお楽しみ(笑)。
一方、アリゾナ大学統合医療センターの「統合医療の原則」はあえて途中で紹介されます(54p)。
何故なら、初めに引用すると正しい理解が困難になりがちだからだとか。
何と、弟子が師匠に物申す??
実に面白い。
因みに、その師匠の原則とは。
1)治癒の過程において、患者と施術者はパートナーである。
2)身体だけでなく、精神・霊性・コミュニテイなど、健康や疾患に関与するすべての要素が考慮される。
3)西洋医学と補完代替医療の双方からあらゆる適切な治療を用いて体内の治癒反応を引き出す。
4)効果が認められる治療法ならば、できるだけ自然かつ低浸襲なものを選択する。
5)西洋医学を否定しない、無批判に補完代替医療を利用しない。
6)良い医療は良い科学に基づく。研究主導の新たなパラダイムを開く。
7)治療とともに、健康増進や予防医学も重要である。
8)統合医療を実践するには、自らの健康をもって例証し、自己探求し自己発展すべきである。
一体何処が誤解・理解困難の素なんでしょうか?
特に8)なんか実に素敵ですのに(笑)
本著で私が最も注目するのが、このプログラムが推奨する「抗炎症ダイエット」(79p)。
長寿食として実績のある地中海ダイエットをベースとした
野菜・果物・魚介類・オリーブオイル・未精製穀類・豆類・ナッツを取り入れた食事法だそうです。
そして一日3食。
私が実践するCR・IFからすれば、この「抗炎症ダイエット」は残念ながら50〜60点。
ですから星は4つ。
でもかつて、日野原重明先生の食事法を釜池先生がやはり「50〜60点」と評したのですから悪しからず(笑)
曰く、「統合医療を展開出来るのは、本気の治療とは、自身の生き方を変える努力が求められる事なのだと言う、覚悟を持った方に出会える時である・・・(156p)」
曰く、「良質なライフスタイルのための統合医療的助言を必ず処方箋にプラスする診療・・・(88p)」
実に素晴しい。
激しく同感です。
西洋医学に満足出来ない方、
補完代替医療って怪しくない?
統合医療って何?
と言う方にお勧め出来る作品です。
JPIMAAの先生方の益々のご活躍をお祈り致します。
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