カール・マルクス(1818-1883)が、既存の古典派経済学に対する体系的な批判を通して近代ブルジョア社会=資本主義経済システムの解明を試みた最初の著作、1859年(ダーウィン『種の起源』が出版されたのと同年)。本書には、有名な「唯物論の公式」や、商品の価値形態の分析、貨幣の形成など、マルクスの経済学研究のエッセンスが詰まっている。マルクスは『経済学批判』を「一五年間にわたる研究の成果であり、したがって僕の生涯の最良の時代の成果」であると述べている。
この著作がのちの『資本論』への端緒をなす。『経済学批判』の内容は『資本論』第一巻「資本の生産過程」第一篇「商品と貨幣」に要約される。
なお、マルクスによる『経済学批判』『経済学批判序説』『経済学批判要綱』はそれぞれ別の著作物。1857-58年に執筆された未完草稿群が『経済学批判要綱』(Grundrisse)。そのうちの序説(Einleitung)部分が『経済学批判序説』(1857年)であり、『経済学批判』に附録として収められている。そしてこの『経済学批判』(1859年)が『資本論』(第一巻は1867年)へと繋がっていく、という順番。
マルクスは『経済学批判』で商品や貨幣を考察するにあたって既存の膨大な経済学説史を参照しており、それらを詳細に批判検討する作業を通して独自の理論を構築していこうとしている。この点が経済学の基礎知識が不十分な初心者にとってはマルクスを読むうえでの障壁となるが、しかしそもそもこれは学問の正統的な方法なのであって、読者は以下のマルクスの言葉を噛みしめるしかない。
「学問には平坦な大道はない、そして、学問のけわしい小径をよじのぼるさいの疲れをいとわないひとだけが、その輝やかしい頂上に到達するみこみをもっているのだ」(『資本論』フランス語版への序言、p356)
□ 構成
序言(Vorwort)
第一部 資本について
第一篇 資本一般
第一章 商品
第二章 貨幣または単純流通
附録一
エンゲルスによる『経済学批判』への書評
マルクスによる『経済学批判』についての手紙
経済学批判序説(1857年)
附録二
マルクスによる「準備ノート」
カウツキーによる各版への序文
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