ミクロ経済とマクロ経済の入門的な内容をピックアップして「きちんと」説明した本.書名から想像するほどのインパクトはないが,この「きちんと」の部分が本書の真骨頂となっている.経済学は勉強したけど数学や論理は苦手という人にとっては本書の真っ当な論理立て・説明の仕方から得るものが大きいだろう.冗長な記述や論理の穴の極めて少ない説明がいかにわかりやすくて短く済むかを知ることができる(とくにマクロ経済の話題に関して).一方で,数学や論理は得意だけど経済を勉強したことはないという人にとっては本書の無駄や飛躍の極めて少ない説明は短時間で経済学の初歩の様々な題材を理解するのに大いに役立つだろう.
もう少し細かく見ると,1章の「ロジカルシンキング」は,当たり前過ぎると感じる人も多いだろうし「矛盾」「∀」「∃」の説明が抜けていたりはするものの,経済の本としては意欲的な内容だと思う.学問以前におさえておくべきことを読者に意識させる内容である.2章,3章,3章補論は経済学の様々な概念の行儀の良い説明.「簡潔で明解な説明とはこういうものさ」という感じ.4章と4章補論はマクロ経済の考えを説明しながら,それを用いて日本経済を分析する内容.この部分の話題はニュースで耳にすることがやたら多く,かつ,本書の1章で批判されている議論(戯れ言?)が目立つことは本書を手にとるような人にとっては周知の事実.同じ話題を非専門家向けに誤魔化しなく説明するとこのようになるというお手本といってもよいと思う.
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