素数というのは、1と自分以外の数では割ることができない数字である。
この作品の登場人物、特に主人公の二人は
他者を理解したい、理解されたい、より深い関係を持ちたいと
双方が考えているにもかかわらず、人生を共に生きられない。
お互いがお互いを必要としている、とよく知っているのに。
勇気が無いからでも、思い切りがつかないからでもない。
素数のように「その存在が絶対的に孤独である」ことを
自らが良く知っているから。
共に幼少期に心に癒えない傷を負い、
家族の中でも孤独に耐えてきた二人。
作品最後まで2人の描く人生の曲線は
時に交わるが、結局は別々の線を描くことを選択する。
乾いた孤独感が、むしろ心地良いくらいの読後感だった。
一気に最後まで読んでいた。
本が売れない国、イタリアでベストセラーになったこの作品。
その事象自体が、現在イタリアで起きている静かな家族の崩壊、
そして一人で生きていく人生への共感が広がっていることを
予感させる作品だった。
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素数たちの孤独(ハヤカワepiブック・プラネット) 単行本(ソフトカバー) – 2009/7/16
パオロ・ジョルダーノ (著) 著者の作品一覧、著者略歴や口コミなどをご覧いただけます この著者の 検索結果 を表示 |
飯田亮介 (翻訳) 著者の作品一覧、著者略歴や口コミなどをご覧いただけます この著者の 検索結果 を表示 |
イタリア最高峰のストレーガ賞受賞!
若き物理学者が贈る、至高の恋愛小説。
桁外れの数学の才を持つ少年マッティアは、過去に犯したある罪のせいで、孤独の殻に閉じこもっていた。彼は家族や同級生と馴染めずに、みずからを傷つけ続けた。
スキー中の事故で片足が不自由になった少女アリーチェ。彼女は、事故のきっかけを作った父を憎みながら育ち、醜い足へのコンプレックスから拒食の日々を送る。
少年と少女の出会いは必然だった。二人は理由も分からず惹かれあい、喧嘩をしながら、互いに寄り添いながら、共に大人になった。だがやがて、小さな誤解が二人の恋を引き裂く。
イタリアで120万部超の記録的セールス!
世界的な注目を集める感動長篇。
若き物理学者が贈る、至高の恋愛小説。
桁外れの数学の才を持つ少年マッティアは、過去に犯したある罪のせいで、孤独の殻に閉じこもっていた。彼は家族や同級生と馴染めずに、みずからを傷つけ続けた。
スキー中の事故で片足が不自由になった少女アリーチェ。彼女は、事故のきっかけを作った父を憎みながら育ち、醜い足へのコンプレックスから拒食の日々を送る。
少年と少女の出会いは必然だった。二人は理由も分からず惹かれあい、喧嘩をしながら、互いに寄り添いながら、共に大人になった。だがやがて、小さな誤解が二人の恋を引き裂く。
イタリアで120万部超の記録的セールス!
世界的な注目を集める感動長篇。
- 本の長さ382ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2009/7/16
- ISBN-104152090537
- ISBN-13978-4152090539
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
桁外れの数学の才を持つ少年マッティアは、過去に犯したある罪のせいで、孤独の殻に閉じこもっていた。彼は家族や同級生と馴染めずに、みずからを傷つけ続けた。スキー中の事故で片足が不自由になった少女アリーチェ。彼女は、事故のきっかけを作った父を憎みながら育ち、醜い足へのコンプレックスから拒食の日々を送る。少年と少女の出会いは必然だった。二人は理由も分からず惹かれあい、喧嘩をしながら、互いに寄り添いながら、共に大人になった。だがやがて、小さな誤解が二人の恋を引き裂く。イタリアで120万部超の記録的セールス!世界的な注目を集める感動作。
著者について
1982年、トリノ生まれ。現在、トリノ大学大学院博士課程に在籍中。専攻は素粒子物理学。2008年、デビュー長篇となる本書が発売されるや各紙誌で大絶賛され、人口六千万人弱のイタリアでは異例の120万部超のセールスを記録。同国最高峰のストレーガ賞、カンピエッロ文学賞新人賞など、数々の著名文学賞に輝いた。版権は30カ国以上に販売され、すでに刊行済みのオランダ、スペインでもベストセラーとなっている。サヴェリオ・コスタンツォ監督による映画化が進行中。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ジョルダーノ,パオロ
1982年、トリノ生まれ。現在、トリノ大学大学院博士課程に在籍中。専攻は素粒子物理学。2008年、デビュー長篇となる『素数たちの孤独』がイタリアでは異例の120万部超のセールスを記録。同国最高峰のストレーガ賞、カンピエッロ文学賞新人賞など、数々の著名文学賞に輝いた
飯田/亮介
1974年生、日本大学国際関係学部国際文化学科中国文化コース卒、中国雲南省雲南民族学院中文コース履修、イタリアペルージャ外国人大学イタリア語コース履修(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1982年、トリノ生まれ。現在、トリノ大学大学院博士課程に在籍中。専攻は素粒子物理学。2008年、デビュー長篇となる『素数たちの孤独』がイタリアでは異例の120万部超のセールスを記録。同国最高峰のストレーガ賞、カンピエッロ文学賞新人賞など、数々の著名文学賞に輝いた
飯田/亮介
1974年生、日本大学国際関係学部国際文化学科中国文化コース卒、中国雲南省雲南民族学院中文コース履修、イタリアペルージャ外国人大学イタリア語コース履修(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2009/7/16)
- 発売日 : 2009/7/16
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 382ページ
- ISBN-10 : 4152090537
- ISBN-13 : 978-4152090539
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,202,589位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 410位イタリア文学 (本)
- - 524位イタリア文学研究
- カスタマーレビュー:
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著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
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神奈川県生まれ。日本大学国際関係学部卒業。中国・雲南民族学院とイタリア・ペルージャ外国人大学に語学留学後、現在は中部イタリア・マルケ州モントットーネ村で翻訳業。おもな訳書にエレナ・フェッランテ『ナポリの物語』シリーズ、パオロ・ジョルダーノ『素数たちの孤独』、ファビオ・ジェーダ『海にはワニがいる』(すべて早川書房)などがある。HP iidaryosuke.com。
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.1
星5つ中の4.1
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トップレビュー
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2020年6月4日に日本でレビュー済み
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Amazonで購入
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2009年8月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
だれでもいささかのコンプレックスや過去の傷を持っている。
そして、それをまるで何もなかったかのように忘れたふりをしたり
気づかないふりをして生きる術を身につけて行く。
この小説に出てくるふたりには、そういうことが全くできない。
子どものころの深い傷から立ち直れないまま、
ふたりとも自傷を続けている。
だれかに救い出して欲しいのに、そのだれかが見つからない。
親さえもどう手助けしたらいいのかがわからない。
みな実生活ではいつも正しい答えを選ぶことができないのだ。
連続するふたつの素数の間には、必ずひとつの偶数が入っている。
社会を構成するのは三人からだが、ひとつの偶数分の距離が
あやういバランスを保っているのかも知れない。
じぶんが思春期だったころを思い出しつつ、
思春期のじぶんの子どもを思いながら読んだ。
イタリアにも草食系男子がいる!と認識を新たにした一冊。
生きづらさを抱えているすべてのひとに。
そして、それをまるで何もなかったかのように忘れたふりをしたり
気づかないふりをして生きる術を身につけて行く。
この小説に出てくるふたりには、そういうことが全くできない。
子どものころの深い傷から立ち直れないまま、
ふたりとも自傷を続けている。
だれかに救い出して欲しいのに、そのだれかが見つからない。
親さえもどう手助けしたらいいのかがわからない。
みな実生活ではいつも正しい答えを選ぶことができないのだ。
連続するふたつの素数の間には、必ずひとつの偶数が入っている。
社会を構成するのは三人からだが、ひとつの偶数分の距離が
あやういバランスを保っているのかも知れない。
じぶんが思春期だったころを思い出しつつ、
思春期のじぶんの子どもを思いながら読んだ。
イタリアにも草食系男子がいる!と認識を新たにした一冊。
生きづらさを抱えているすべてのひとに。
2009年8月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スキー教室やお誕生会、風景や家族関係の描写はとてもイタリアらしいもので、日本の感覚からは少し分かりにくい部分があるかもしれません。しかし、物語の主題として描かれている思春期に感じる孤独や不安や焦りのような、すっきりとしないもやもやした感情は、国を問わず誰しもが似たような気持ちを抱くものなのではないかと思いました。
だからこそ、30カ国以上で翻訳されることになったのだと思います。読み始めると、物語の中に引き込まれて、あっと言う間に読み終えてしまいました。
だからこそ、30カ国以上で翻訳されることになったのだと思います。読み始めると、物語の中に引き込まれて、あっと言う間に読み終えてしまいました。
ベスト1000レビュアー
ねぇアリーチェ、私のこと何でお兄ちゃんに伝えてくれなかったの?ミケーレが見つかったってなんで言ってくれなかったの?お兄ちゃん絶対喜んだはずなのに。わざわざ遠いところからよびよせといて「あなたには関係のないこと」だなんて、冷たすぎるよね、スキー場の雪みたいに。私のこと知らせてくれればお兄ちゃんとよりを戻せたかもしれないのに、アリーチェはきっとそんなことしたくなかったのね。
お兄ちゃんはアリーチェとのことを“双子素数のような関係”って言ってたけど、本当の双子はお兄ちゃんと私なのに何か変だよね、それって。小さい頃お兄ちゃんがあんな意地悪を私にしたせいで自分で自分を傷つけるようなことするようになったのは確かだし、足にケガしたアリーチェも普通に歩けないことをとっても気にしてた。二人とも他のみんなと同じじゃないことがすごーく嫌だったんだ。
もしも私が生きていることを知ったら、お兄ちゃんはアリーチェと同じ“素数”じゃなくなっちゃう。他のみんなと同じ、2とか3とかで割りきれる普通の自然数と一緒になっちゃうことにアリーチェは気づいてたのね。ファビオとの結婚生活で子供を作るかどうか悩んでいたアリーチェには、それがたえられなかったのかも。
お兄ちゃんが卒論のテーマに“リーマンのゼータ関数”なんてこ難しい問題を選んだのも、きっとアリーチェとの間(素数の出現の仕方)に“法則性”みたいなもの見つけたかったんだろうな。前世とか運命とか多分そんなこと。二人ともとっても孤独だけど不器用だから、他の人達とはうまくまじわれなかったんだよ。
いびつな橢円形にそっくりなお兄ちゃんは数学仲間のおともだちと出会って、アリーチェはお医者さんのファビオと出会って、無理やり自分のいびつな性格を他の人と同じまん丸の型にはめようとしたんだけど、やっぱり上手くいかない。楕円と正円がピッタリかさなるわけないものね。
そこにずっと迷子だった私が現れたってわけ。素数同士を掛け合わせた積って暗号に使われるくらい因数分解が難しいらしいんだけど、もしかして私が二人のこんがらがった関係を解く暗号キーだったのかなぁ。二人ともいびつな橢円のまま、∞の接点部分を切り放しそれぞれ別の道を自立して歩くことを決めたんだよね、他の誰に頼ることもなく…
お兄ちゃんはアリーチェとのことを“双子素数のような関係”って言ってたけど、本当の双子はお兄ちゃんと私なのに何か変だよね、それって。小さい頃お兄ちゃんがあんな意地悪を私にしたせいで自分で自分を傷つけるようなことするようになったのは確かだし、足にケガしたアリーチェも普通に歩けないことをとっても気にしてた。二人とも他のみんなと同じじゃないことがすごーく嫌だったんだ。
もしも私が生きていることを知ったら、お兄ちゃんはアリーチェと同じ“素数”じゃなくなっちゃう。他のみんなと同じ、2とか3とかで割りきれる普通の自然数と一緒になっちゃうことにアリーチェは気づいてたのね。ファビオとの結婚生活で子供を作るかどうか悩んでいたアリーチェには、それがたえられなかったのかも。
お兄ちゃんが卒論のテーマに“リーマンのゼータ関数”なんてこ難しい問題を選んだのも、きっとアリーチェとの間(素数の出現の仕方)に“法則性”みたいなもの見つけたかったんだろうな。前世とか運命とか多分そんなこと。二人ともとっても孤独だけど不器用だから、他の人達とはうまくまじわれなかったんだよ。
いびつな橢円形にそっくりなお兄ちゃんは数学仲間のおともだちと出会って、アリーチェはお医者さんのファビオと出会って、無理やり自分のいびつな性格を他の人と同じまん丸の型にはめようとしたんだけど、やっぱり上手くいかない。楕円と正円がピッタリかさなるわけないものね。
そこにずっと迷子だった私が現れたってわけ。素数同士を掛け合わせた積って暗号に使われるくらい因数分解が難しいらしいんだけど、もしかして私が二人のこんがらがった関係を解く暗号キーだったのかなぁ。二人ともいびつな橢円のまま、∞の接点部分を切り放しそれぞれ別の道を自立して歩くことを決めたんだよね、他の誰に頼ることもなく…