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紅梅 単行本 – 2011/7/26

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商品の説明

内容紹介

2005年春、癌が発見され、膵臓全摘の手術を受けた吉村昭の、1年半後の壮絶な死までを、作家でもある妻が硬質で冷静な筆で作品化。

内容(「BOOK」データベースより)

二〇〇五年二月に舌癌の放射線治療を受けてから一年後、よもやの膵臓癌告知。全摘手術のあと、夫は「いい死に方はないかな」とつぶやくようになった。退院後は夫婦水入らずの平穏な日々が訪れるも、癌は転移し、夫は自らの死が近づいていることを強く意識する。一方で締め切りを抱え満足に看病ができない妻は、小説を書く女なんて最低だ、と自分を責める。そしてある晩自宅のベッドで、夫は突然思いもよらない行動を起こす―一年半にわたる吉村氏の闘病と死を、妻と作家両方の目から見つめ、全身全霊をこめて純文学に昇華させた衝撃作。

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登録情報

  • 単行本: 176ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2011/7/26)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4163806806
  • ISBN-13: 978-4163806808
  • 発売日: 2011/7/26
  • 商品パッケージの寸法: 19 x 13.2 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8 14件のカスタマーレビュー
  • Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 358,352位 (本の売れ筋ランキングを見る)
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形式: 単行本
 今から5年前の夏に吉村昭さんが自らカテーテルを引き抜き壮絶な死を遂げた後に、遺作短編集「死顔」が出版され妻の津村節子さんが「後書きに代えて」を寄せた。吉村さんの舌癌の告知から死に至るまでの1年7ケ月の闘病生活とその間の執筆や死への準備を、淡々と10枚程度の文章に綴っている。本書は同じ1年7ケ月を扱っているが、その後の5年間の熟成を経て240枚の文学作品に仕上がっている。吉村さんを「夫」と呼び妻「育子」の視点から描いた私小説で、闘病の詳しい経緯のほか夫の日記やメモ、克明な遺書も加わり、折に触れ二人のこれまでの出来事がフラッシュバックのように回想されている。
 現役作家の育子は忙しい。自選作品集は刊行中だし雑誌連載の単行本化もあり、執筆の他に販促のサイン会もあって、地方紙の文学賞の選考委員等にも時間が取られる。加えて恩人や知人・親族の葬儀も飛び込んでくる。そんな生活の中での看病であり、充分な時間が取れず「物を書く女は最低の女房だ」と自らを責める。入院中の夫の日記に「育子、寝ているうちに帰る」とあったのを死後に知り、「目を覚ましたときどれほど淋しく思ったことだろう」と痛哭する場面は心に沁みる。
 また、夫も副作用の強い抗癌剤治療を続けながら作家として誠実に生きている。友人の単行本の帯にと依頼された100字ほどの文章のためにゲラで全編を読むし、遺作となった短編小説の推
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形式: 単行本
吉村昭が癌の告知を受けてから死にいたるまでの歳月が一つの文学作品に昇華されている。見事な小説だ。
吉村昭の、最後の日々がいきいきと伝わってくる。淡々と死を受け入れる姿勢。最後には、娘にだけ聞き取れる声で「もう、死ぬ」といって、自分の手でカテーテルをはずした吉村昭。
「庭の紅梅が咲いた。紅梅は離れの夫の植え込みに植えてある」という一節からとられたタイトル「紅梅」も、吉村の最後を描くのにふさわしい。
吉村はあるとき先輩作家への病気見舞いに紅梅の鉢植えを持参した(「病気見舞いと葬儀」)。通常は根付く(寝付く)として嫌われる鉢植えをあえて持参したのは、自身、長期にわたって結核で病臥したとき、紅梅を見ることで慰められたことによる。先輩作家は「かれは大病したことがあるから、病人の心理がよくわかるのだ」と喜んでくれたという。
津村は、それらの過去をふまえて、吉村の最後の闘病を描くのにもっともふさわしいタイトルとして「紅梅」を選んだのだろう。

津村は吉村の死の瞬間に、半狂乱の状態で「あなたは世界で最高の作家よ」と叫んだという。あとで娘からそのように叫んでいたと聞かされ、「愛しているわでもなく、わたしも近いうちにいくでもなく、世界最高の作家などと言われて夫は嬉しかっただろうか」と自問し、「ものかきの妻というのは最低だ」と自嘲している。
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形式: 単行本
作家、吉村昭の一年半の闘病とその死を、妻で作家の津村節子が小説のかたちで語る。

吉村は舌ガンと診断され、治すには患部を切除するしかないと宣告される。若いころ結核を患い、わずかな局所麻酔で肋骨を五本切除して病巣を叩くという手術を受けていた。その彼をもってしても神経の過敏な舌まわりの痛みは激しい。

放射線治療、免疫機能向上のための治療へと希望を託すが、膵臓にもガンが見つかる。入退院を繰り返しながらも机に向かい、激痛のなかでも執筆を止めない吉村の姿には鬼気迫るものがある。知己の相次ぐ訃報。自らの死期を悟っての遺書。

最期の場面は、淡々とした叙述だが、かえってその重い事実がのしかかってくる。
読後には、ガン治療における選択肢、看護、延命をめぐる問題などに思いを巡らさざるを得ない。

吉村は弟をガンで亡くしており、その様子を『冷い夏、熱い夏』という小説で綴っている。こちらも読んでみたい。
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投稿者 ボーン・ウイナー トップ500レビュアーVINE メンバー 投稿日 2012/3/7
形式: 単行本 Amazonで購入
妻・津村節子から見た夫、吉村昭の一年七か月に及ぶ闘病生活から最後までの記録である。
しかし、本書では吉村・津村の名前は一切出ず、「育子」から見た「夫」の最後の様子を小説形式で淡々と描いている。
2005年1月に、夫が口の中の違和感を訴え、やがて舌癌と判明する。しかし、舌癌治療のための検査により進行した膵臓がんが見つかる。
両方の癌の辛い治療にも弱音を吐かず、黙々と、小説家としての仕事に精を出す夫と、作家であり妻である育子との生活が、夫婦が若かった時の貧困生活や文学賞受賞の瞬間などを振り返りながら、感傷を交えぬ淡々とした筆致で描いている。
夫の人となりを描いたこの小説には二つの山があると思う。
一つは診察日に緊急入院となった夫のいいつけで、育子が金庫の中の遺書を知人に渡す折、封がしてなかった封筒の中の遺書を読んでしまう件である。
遺書には、自分の死後、死に顔を絶対に他人に見せないための工夫が凝らしてある。吉村昭氏の短編集「死顔」にも、いかにしたら葬儀の際に第三者に死顔を見られないで済むかの拘りが書かれていた。ここでは、遺言として死後できるだけ早く荼毘に付して家族葬とするよう、こまごまとした指示が書かれている。葬儀のことのみならず、自分の死後、妻の育子がいかにして生計を立てていくかまで心配して細かい計算までしてある。ここに、夫
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