久々に読んだ牛島信の本です。
小説の題材にはなりにくい企業法務のことを、ちゃんと、エンタテイメントに仕上げているのに、いつも感心しています。
本書を読むと、MBOが究極のインサイダー取引といわれ、「買収される法人の代表者」と「買収者」 との同一人物の1人2役が、いかに利益相反となるか、具体的に良く分かります。
本書の出版時期とほぼ同時期、私自身も、MBOに関与し、「立ち位置」を混同しないようにと、何度も何度も言われたことを思い出します。
本書は、著者にとって何か特別の思い入れのある本のように思えます。
狭間監査役の回想、あとがき で触れられる女性感観、文庫版あとがき での遅すぎた出逢いの女性 など・・・。
ちょっと気になります。
単行本のあとがきが、2007年9月、翌年のリーマンショックなどその後、世界の経済情勢は瞬く間に大きく変化してしまったことに、驚きを隠せません。
あの当時の熱気は何だったんでしょう。
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- 文庫: 477ページ
- 出版社: 幻冬舎 (2009/6/10)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4344413113
- ISBN-13: 978-4344413115
- 発売日: 2009/6/10
- 梱包サイズ: 15 x 10.2 x 2.2 cm
- おすすめ度: 6件のカスタマーレビュー
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