「浅野靖典氏や須田鷹雄氏など『競馬と鉄道』どちらにも造詣が深い方々が競馬界の第一線におられるのは承知していたが、著者もそうでしたか!」
といった興味本位から読みはじめましたが、これはかなりの力作です。
新聞掲載広告などの細かい資料を丹念にあたって執筆されたであろうことがよく分かります。
その一例として、毎土曜日に「下総中山」発→「東京競馬場前」行きの臨時電車が運行されていた事実などは
鉄道史の視点からも非常に興味深いものです。
資料写真や地図・配線図にいたるまで図版が豊富で読解の一助ともなりました。
惜しむらくは、文中に()で記される脚注的な記述が多く読む側のリズムが崩れがちな点。
章末に脚注としてまとめて欲しかったのですが、この辺は好みの問題かもしれません。
『鉄道&競馬ファン』の方々にはぜひぜひ読んでいただきたい。
また、『旅打ち』をされる方は本書記載の『競馬客輸送』の変遷をあらかじめ知ることで、
現地での「旅」部分がさらに充実したものになると思います。
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