空き家の現状や、諸外国や地方公共団体の空き家対策制度について全般的にまとめられており、とても参考になりました。
データの出典もきちんと書かれています。
空き家対策を通じて、今後の住宅政策に対して一石を投じようとした論文を一般向けにした、とでもいうような本で、軽めなので短時間でも読めます。
もう少し骨太の政策論や、現在の政府・国土交通省の政策に対して、踏み込んで提言をしても良かったのではないかと思いますが、そのあたりの制度については物足りなさを感じました。
が、「空き家急増の真実」であり、政策論が目的ではないと思うので、それはそれで。良い本です。面白かった。
なお、「空き家対策」と言っても、相続対策・・・とかを期待して読むのは的外れです。
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空き家急増の真実―放置・倒壊・限界マンション化を防げ 単行本(ソフトカバー) – 2012/6/2
米山 秀隆
(著)
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2013年、日本の空き家は820万戸、空き家率は13.5%と過去最高を記録した。地方を中心に人口減少・少子高齢化が進み、今後も住宅需要が増える見込みはない。
しかし、税制など政府の施策はいまだに景気対策から新築を優遇。また、地方税である固定資産税では、更地にしておくよりも古い空き家が建ったままの方が有利になっている。
これでは空き家は減るどころか増え続けてしまう。しかし、ようやく撤去費用を補助する自治体が現れた。民間でも中古活用の芽が出始めている。
本書はこうした日本の空き家の現状と新しい流れを豊富な事例をもとに解説。都市部を中心に空き家と同様の問題を抱える「限界マンション」についても紹介した。
多くの自治体関係者や業界関係者から評価される、空き家対策を考えるうえで読んでおきたい決定版!
しかし、税制など政府の施策はいまだに景気対策から新築を優遇。また、地方税である固定資産税では、更地にしておくよりも古い空き家が建ったままの方が有利になっている。
これでは空き家は減るどころか増え続けてしまう。しかし、ようやく撤去費用を補助する自治体が現れた。民間でも中古活用の芽が出始めている。
本書はこうした日本の空き家の現状と新しい流れを豊富な事例をもとに解説。都市部を中心に空き家と同様の問題を抱える「限界マンション」についても紹介した。
多くの自治体関係者や業界関係者から評価される、空き家対策を考えるうえで読んでおきたい決定版!
- 本の長さ228ページ
- 言語日本語
- 出版社日本経済新聞出版
- 発売日2012/6/2
- ISBN-104532355214
- ISBN-13978-4532355210
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
人口減少が始まり、やがて世帯数も減少へ。高齢化、過疎、建物の老朽化など、多くの問題が絡み合い、地方や郊外では放置される空き家が急増、倒壊・放火・不審者の侵入など社会問題化している。解決には、新築抑制と中古住宅活用の同時推進が必要だ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
米山/秀隆
1986年筑波大学第三学群社会工学類卒業、1989年筑波大学大学院修士課程経営・政策科学研究科修了。野村総合研究所、富士総合研究所を経て、富士通総研経済研究所上席主任研究員。2007~2010年慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1986年筑波大学第三学群社会工学類卒業、1989年筑波大学大学院修士課程経営・政策科学研究科修了。野村総合研究所、富士総合研究所を経て、富士通総研経済研究所上席主任研究員。2007~2010年慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 日本経済新聞出版 (2012/6/2)
- 発売日 : 2012/6/2
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 228ページ
- ISBN-10 : 4532355214
- ISBN-13 : 978-4532355210
- Amazon 売れ筋ランキング: - 736,936位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 144位民家・住宅論 (本)
- - 276位アパート・ビル経営
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち3.3
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10 件のグローバル評価
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年9月19日に日本でレビュー済み
テレビなどで空き家問題が取り上げられたのがきっかけで興味を持ち読んでみた。
第1章、2章ではデータをもとに空き家の現状について分析を行う。特にバイアスもなく客観的に分析されているという印象。自身が感じる空き家のイメージとだいたい符合する内容だった。
第3章から6章では将来どうなるのか、どのような問題があり現状ではどのような対策がとられているのか話がぶれずにとても読みやすかった。一冊読めばだいたい空き家問題を理解できた気になれる。
一番印象に残ったのは法律・制度のあり方で新築を抑制するなど、建築が法律・制度に縛られているという現実。そこには著者の思惑もあるので必ずうまくいく確証は持てなかったが、一定の効果は期待できるという印象。まだ、間に合ううちに法律・制度を変えていってほしい。
第1章、2章ではデータをもとに空き家の現状について分析を行う。特にバイアスもなく客観的に分析されているという印象。自身が感じる空き家のイメージとだいたい符合する内容だった。
第3章から6章では将来どうなるのか、どのような問題があり現状ではどのような対策がとられているのか話がぶれずにとても読みやすかった。一冊読めばだいたい空き家問題を理解できた気になれる。
一番印象に残ったのは法律・制度のあり方で新築を抑制するなど、建築が法律・制度に縛られているという現実。そこには著者の思惑もあるので必ずうまくいく確証は持てなかったが、一定の効果は期待できるという印象。まだ、間に合ううちに法律・制度を変えていってほしい。
VINEメンバー
全国の空き家は750万戸で全体の13%におよぶ。
1960年代の高度成長期に造られた千里・多摩・湯沢など、労働界の要請で同じ世代が移り住んで入居していたニュータウンは、もはや高齢者世帯ばかりの限界集落と化している。
現状の高齢化のペースで新築・空き家を放置していくと25年後の空き家率は25%になるという。
都市を再生させるためには郊外居住者を空洞化した「インナーシティ」の中心市街地に、再び都市機能と住民を移す「コンパクトシティ化」が必要であると米山秀隆氏は言う。
空き家の管理や撤去を命令できる「空き家対策条例」は、空き家が外部に悪影響を及ぼしている場合に限られている。
投機目的の更地化を防ぐために、空き家を更地にすると固定資産税は6倍に跳ね上がる様に税制が改正された。
それゆえに空き家が 老朽化しても取り壊さないで放置するケースが増えているという。
供給側の論理で新築住宅供給を優先するあまり現在も転売目的の需要ばかりが増え、大手の住宅メーカーの利益誘導の為に造られた名ばかりの「長期優良住宅」であっても、実際の住宅の寿命はかつての木造住宅よりかえって短い場合が多い。
街を空洞化させないためには、我々の世代がただ新しくて今は便利なニュータウンだからという理由で、行政や大手企業の言いなりになって受動的に住んでいるというだけではなく、生活居住者自身の視点で多様性を持った街づくりを見直す必要性にせまられていると思う。
1960年代の高度成長期に造られた千里・多摩・湯沢など、労働界の要請で同じ世代が移り住んで入居していたニュータウンは、もはや高齢者世帯ばかりの限界集落と化している。
現状の高齢化のペースで新築・空き家を放置していくと25年後の空き家率は25%になるという。
都市を再生させるためには郊外居住者を空洞化した「インナーシティ」の中心市街地に、再び都市機能と住民を移す「コンパクトシティ化」が必要であると米山秀隆氏は言う。
空き家の管理や撤去を命令できる「空き家対策条例」は、空き家が外部に悪影響を及ぼしている場合に限られている。
投機目的の更地化を防ぐために、空き家を更地にすると固定資産税は6倍に跳ね上がる様に税制が改正された。
それゆえに空き家が 老朽化しても取り壊さないで放置するケースが増えているという。
供給側の論理で新築住宅供給を優先するあまり現在も転売目的の需要ばかりが増え、大手の住宅メーカーの利益誘導の為に造られた名ばかりの「長期優良住宅」であっても、実際の住宅の寿命はかつての木造住宅よりかえって短い場合が多い。
街を空洞化させないためには、我々の世代がただ新しくて今は便利なニュータウンだからという理由で、行政や大手企業の言いなりになって受動的に住んでいるというだけではなく、生活居住者自身の視点で多様性を持った街づくりを見直す必要性にせまられていると思う。
2013年5月14日に日本でレビュー済み
まず既存統計(主に官庁統計)のチェックから論を起こす。当然に必要な作業だが、参照されている統計の多くは本書のテーマ向けに誂えられたもの(カスタムメイド)ではないので、チェックしただけではそれ以上議論は発展しない。
次に何をすべきか。補足的な取材や調査を自ら行ない議論を深めるのが上策、それができないのであればいったん蓋をして別の角度から自らの土俵に戦いを乗せなおすのが次善の策だ。もとの調査が言及していないことや、当然には導かれない解釈を提示して放置、というのは最悪である。本書は、それをやってしまっている例が散見される(p.45などが典型的)上、そうでない部分も表層的な分析に留まっている。斯界のベテランが書いているのに何故だろうと考えながら通読した結果、本書は当初からある結論、即ち「空き家急増→外部不経済発生」を置き、それに合致する統計のつまみぐい参照(それも拾い方が極めて下手で、読んでいて本当にイライラする)と、専ら既存調査に拠る幾つかの事例紹介(without追加取材)と、ごくありふれた提言(余ってんだから減らさなきゃ、って、どう減らすか、その実現性と効果とタイムスパンは?主作用と副作用は?が問題でしょ)だけで「一冊」を仕上げているからであると評者は拝見した。外部不経済はもちろん無視すべきではなく、今後深刻化が確実であるから詳細な検討と具体的で実効性ある対策立案を要するが、「空き家急増」のより本質的で重要な問題は、ストック過剰、不動産価格下押し圧力、逆資産効果、マクロ経済/実体経済への影響、不動産のみならず住宅関連産業の構造変化であろう。そっちが放置プレイでお留守、空き家になっている。お手軽だと言わざるを得ない。
本書をどう読んでも、個人レベルで「放置・倒壊・限界マンション化」を防ぐ方法は、新築を買わないようにしましょうという以上のものは載っていない。政策誘導により新たなストック積み上げを防ぐことがsolutionの95%(そうであれば、「段階的に」〔p.6〕などと悠長なことを言っている場合ではない)、残る5%は不良ストック除却を容易にするための一定の私権制限というべきで、それを政官に向けて強く訴えるのが、この題名で上席主任研究員が書くべき中身ではないか。外部不経済問題は上述の問題群に「付随して」緩和される。
次に何をすべきか。補足的な取材や調査を自ら行ない議論を深めるのが上策、それができないのであればいったん蓋をして別の角度から自らの土俵に戦いを乗せなおすのが次善の策だ。もとの調査が言及していないことや、当然には導かれない解釈を提示して放置、というのは最悪である。本書は、それをやってしまっている例が散見される(p.45などが典型的)上、そうでない部分も表層的な分析に留まっている。斯界のベテランが書いているのに何故だろうと考えながら通読した結果、本書は当初からある結論、即ち「空き家急増→外部不経済発生」を置き、それに合致する統計のつまみぐい参照(それも拾い方が極めて下手で、読んでいて本当にイライラする)と、専ら既存調査に拠る幾つかの事例紹介(without追加取材)と、ごくありふれた提言(余ってんだから減らさなきゃ、って、どう減らすか、その実現性と効果とタイムスパンは?主作用と副作用は?が問題でしょ)だけで「一冊」を仕上げているからであると評者は拝見した。外部不経済はもちろん無視すべきではなく、今後深刻化が確実であるから詳細な検討と具体的で実効性ある対策立案を要するが、「空き家急増」のより本質的で重要な問題は、ストック過剰、不動産価格下押し圧力、逆資産効果、マクロ経済/実体経済への影響、不動産のみならず住宅関連産業の構造変化であろう。そっちが放置プレイでお留守、空き家になっている。お手軽だと言わざるを得ない。
本書をどう読んでも、個人レベルで「放置・倒壊・限界マンション化」を防ぐ方法は、新築を買わないようにしましょうという以上のものは載っていない。政策誘導により新たなストック積み上げを防ぐことがsolutionの95%(そうであれば、「段階的に」〔p.6〕などと悠長なことを言っている場合ではない)、残る5%は不良ストック除却を容易にするための一定の私権制限というべきで、それを政官に向けて強く訴えるのが、この題名で上席主任研究員が書くべき中身ではないか。外部不経済問題は上述の問題群に「付随して」緩和される。