2002年の税理士法の改正によって、税理士業界の広告の規制が緩和されたことを受けて、DMやホームページの制作など、「何をやるか」という時代ではなくなり、「何をどのように伝えるか」という段階に移り変わった。売上げを上げ、顧問先拡大に成功している税理士事務所に共通する“現場のしかけ”とはどのようなものかをわかりやすく解説する。
太田亮児(おおた りょうじ) 1975年生まれ。東海大学法学部卒業後、2000年に会計システムの開発販売を手がける株式会社エヌエムシイに入社。関東近県を中心に全国の会計事務所にシステムの導入推進サポートを手がける。その後、同社における新規事業であったエヌエムシイ税理士法人の立ち上げに参画し、企画・マーケティング実務を手がける。3年間で1500社の見込み客発掘を経験し、300社の新規顧問先拡大を目の当たりにした。2005年にオオタキカクを設立。事務所ごとにアレンジし、オーダーメード化された拡大手法で営業の取り組みを実践することができるという思いを持ち、本書でまとめられている5つのステップをベースに構築されたサービスを展開している。会計事務所、税理士事務所、公認会計士事務所、税理士法人に対し、顧問先拡大に特化した営業支援サービスを展開している。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
太田/亮児
合資会社オオタキカク代表。1975年東京生まれ。東海大学法学部卒業後、2000年に会計システムの開発販売を手がける株式会社エヌエムシイに入社。関東近県を中心に全国の会計事務所にシステムの導入推進サポートを手がける。その後、同社における新規事業であったエヌエムシイ税理士法人の立ち上げに参画し、企画・マーケティング実務を手がける。3年間で1500社の見込み客発掘を経験し、300社の新規顧問先拡大を目の当たりにした。2005年に合資会社オオタキカクを設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
About this Title
序章
税理士事務所の「営業」は何故こんなにも難しいのか?
私は、二〇〇〇年の春に財務会計のシステム開発・販売会社に入社し、システムの導入サポートを行うため全国各地の税理士事務所を駆け回り、その運用をお手伝いしてきたという経験があります。税理士法が改正され税理士法人の設立が出来るようになったことで、私が勤務していた会社は税理士法人を立ち上げることとなりました。その中で私は、税理士法人の顧問先を増やすためのマーケティング専属担当者として配属転換し、そこで散々に鍛え上げられて行くことになったのです。
先見性のある経営者の下で、顧問先拡大の実務に携わり、2年半で一五〇〇社の見込み客を発掘し、三〇〇件の新規顧問契約の拡大を事務所の中で目のあたりにしてきたという、業界では異質な経験を持っている人間です。顧問先拡大に取り組む税理士事務所が年々増えている。その反面、効果を出すことが出来る事務所と、効果を出すことが出来ない事務所と、二極化が起きています。
拡大が成功している税理士事務所の先生は「営業は簡単だ。難しいのは契約してからの所内体制だ」ということを仰います。一方、拡大が上手く行かない事務所の先生は「営業は難しい。景気の回復を待つしかない」ということを仰います。
この認識の違いの本質は「営業」に対する考え方の違いにあります。一般的に、営業を苦手とする税理士先生の場合営業という行為そのものに対して、
1.営業は言葉巧みにお客様を説得して
2.無理やり契約書に判子を付かせて
3.他の事務所から顧客を奪い取る行為である
このような良くないイメージを営業という行為に対してお持ちであるケースが多く、営業することは悪いこと、恥ずかしいことである。という考えを本質的にお持ちです。そのため、積極的な広報活動にしり込みしてしまう傾向があります。一方、営業が得意で拡大を成功させる税理士先生の場合、
1.営業はお客様が潜在的に抱えている悩みを顕在化させ
2.お客様の悩みや問題をとことん良く聞いてあげて
3.お困りの方を助けてあげる行為である
このような前向きで良いイメージを持って営業に取り組みます。