この本は自閉症児を持つ家庭がいったいどのような精神的葛藤を経験することになるのかをとてもvividに描いている。島田さんの弟とはかなりタイプが違うものの私の5歳の娘も自閉症と診断されているため、島田家の葛藤は他人事とは思えない。本書の中で、言葉をしゃべった、とか、一人でトイレに行けるようになった、など「普通のことが島田家では大きな喜びだった」という一節がある。それは自閉症児を持った親が心から共感できる心情であると思う。そのような葛藤の後でやはりそのような弟をもってよかったと言える島田さんの強さには感服する。
しかしそれだけではなく、長い葛藤の後に家族にはある種の平穏が訪れ、救いが感じられるところがこの本のよさだ。自閉症児を持った家庭であっても、長い葛藤の後でいつかはこのような平穏が訪れる、というのは、親や家族を力づけてくれるだろう。
本書はもちろん自閉症を理解するうえでの最良の解説書であり、私ももし娘がいなかったらこの本は手に取らなかったに違いないが、自閉症の家族がいるということに限らず、自分の力ではどうしようもない逆境に置かれたときに、人はどのようにしてその逆境と戦い、それを克服していくのかというドラマとして是非皆さんに読んでいただきたい。
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