文学として倫理観とか現実味がない、という評価は横に置いておいて、やたら文章の運びが巧いので、気持ち悪いなぁ‥と思いつつとりあえず最後まで読んでしまった。
読み進むごとに[私の男]と女主人公から呼ばれる男のタバコのヤニが纏わり付いたようなイヤーな感じが増してゆく。
吸い殻を執拗なまでに踏みにじる、そのヤニが広がる気持ち悪さが口のなかに広がる…
なのに性行為の描写が空想の域を出ない甘ちゃんな稚拙さで笑った。
章の運びを逆さまにしたら、少しはあざとさ消えるかなぁ、とか男が太っててビジュアル悪かったら成立しないな、とか考えていたら作品自体が作者の自慰的行為に見えてきた。
いくらご自身の美意識に叶わないからといってあの二つの殺人は乱暴過ぎるし処理の仕方がホラーチックで一気に覚める。
唯一、拓殖銀行の小町さんの章だけが血の通ったものに感じられた。
こちらも作者の悪意?でビジュアル大幅に変えられてはいたが…笑
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