テレサ・テンの生涯を丁寧に追って記録として残すという作業を,もし完遂できたら,現代日中台関係史の大変貴重な資料となったことでしょう。本書は,料理で言うと「いいネタをさばき損ねちゃったなあ〜」という感じです。鉄棒で言うと,ず〜っと悪くない演技をしていて(ここをよく味わいたい)フィニッシュで転倒してさらに演技台から落下しちゃったという感じです。
結局,天安門事件について何かを書こうとすると,中国当局や台湾政府などから圧力がかかってしまうんですかね? あるいは,自主規制をするよう関係各方面から強い働きかけがあるんでしょうか? あるいは有田さんご自身の政治活動が多忙になってしまって,最後をうまく締めくくれないままになってしまったんでしょうか???
本書は残念ながら傑作とは言えませんが,テレサ・テンのファンなら必読でしょう。特別付録のCDも,音はよくないのですが,やっぱりファンなら持っていたい一品です。有田さんの誘導尋問的インタビューはともかくとして,テレサ・テンの肉声が入っていることが貴重だと思います。
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