ソウル郊外で小さなピアノ教室を開いたジス
(オム.・ジョンファ)は、引っ越しの日メトロノームを奪って走り去った少年と出逢います。
ジスは、自分がピアニストとして大成出来なかったのは、貧しい家庭環境のせいで留学出来なかったというコンプレックスを持ち、少年は
幼くして事故で母親を亡くし、祖母と共に貧しい生活を送っていました。
このジスと7歳の少年キョンミンが運命的な出逢いを果たした事から物語は始まります。
母を亡くした事から情緒不安定になったキョンミンは、周囲とトラブルばかり起こし問題児だったが 絶対音感を持っていて、その才能を
見抜いたジスの指導によりピアノの腕前を上達させていきます。
キョンミン役のシン・ウィジュ君は、監督はじめスタッフが1年余をかけて全国のピアノ教室を周り、探し出した新人で、7歳からピアノを
習い始め、9ヶ月目に出場したコンクールで
1位を獲得した天才ピアニスト。
ジスの夢の中で、ピアニストになったキョンミンが大洋のエチュードを弾いていたので納得しました。
物語は、キョンミンの祖母が亡くなり、天涯孤独になった彼をジスが引き取ろうとした事から
急展開。
ジスの友人から招待されて出席したハウスコンサートで、ピアノ室に迷いこんだキョンミンが
ジスの為に二つのアラベスクの1番を演奏、
その素晴らしい演奏を聞いた友人から、キョンミンの為に有名なピアノ教師が必要だと言われます。ジスは胸張り裂ける思いで、キョンミンをアメリカ人ピアニストの家庭に託す事に。
ピアノを一生懸命頑張って良い子になるから、
ここにおいて、と泣いて懇願するキョンミンを
ジスは突き放します。
本当は手元に置いて育てたい気持ちをおさえ、
キョンミンのピアノの才能を早くから見抜き、
一流のピアニストに育てる為に著名な先生に
預けると言う選択は、キョンミンの将来に
自らの夢を託すと言うことなのです。
この場面は涙なくしては見れません。
キョンミンが去った後、彼のテキストを抱えて
号泣するジス。
それから10数年後のある夜、天才ピアニストの
韓国凱旋コンサートが開催され、会場へ向かう
ジスの姿が。
彼こそが世界的ピアニストへと華麗なる変貌を
遂げたキョンミンなのです。
彼の小指には、お守りとしてジスが贈った銀の
指輪が。象徴のように何度も映し出されるのが
印象的でした。
韓国クラシック界の貴公子との呼び名の高い
ジュリアス=ジョンウォン・キムが成長した
キョンミンとして映画初出演。
彼がラストシーンで演奏するラフマニノフの
ピアノ協奏曲第2番の超絶演奏は圧巻です。
ロードショーで観た時は、彼の演奏が始まった
時点でジスになりきっていた自分がいました。
大切な人の為に、愛を込めて演奏したトロイメライもステキです。
ジスが幼いキョンミンに 私の夢はホロヴィッツ
のようなステキなピアニストになることだと、
トロイメライを弾きながら語った事を覚えて
いて、キョンミンに託したジスの夢は、叶えられたのです。
何度見ても感動します。