主人公をはじめ、登場人物が優秀過ぎるのと裕福過ぎるのとで疲れました。そんな「スゴイ登場人物」が次から次へと出てきます。主人公はいわゆる「バリキャリ女性」で、東京、福岡、そして海外へと飛び回ります。自分の主張は会社に遠慮なく主張する、戦士です。その生活が私には裕福過ぎて参りました。福岡では会社の補助で月額8万円の2LDKを3万弱で住み、料理の腕も抜群。アルコールも楽しむ。独立希望の彼が資金調達に困ると「1500万円くらいだったら、私が何とかするわ」(!)。東京へ戻って35歳くらいで中古マンションを購入。自分の預金1000万円に親から350万を借り、残りの1000万を15年ローンにするが、「月々の支払いは8万程度とかなりの安さ」というあたりもびっくり。私には違和感ありすぎて共感できないですね・・・。弟は新聞記者、その奥さんは慶応大学大学院修了。福岡で知り合った、訳ありの少女は中2で大きな交通事故にあうのだが、東京へ転居すると、高校生からアパートで一人暮らし(え?!)。少女の彼氏は東大経済学部から東電へ就職予定。主人公の父は高校教師を退職後大学教授に。その兄、主人公の伯父は医者。母は英語教師を辞めて自分で英語教室を運営・・・この枠組みの中を与えられると感情移入どころではなくてですね、という・・
また、出てくる人、しゃべる人全部が持論・正論・理屈を語る、語る。別離、事件、死別があるたびに「運命とは何ぞや」を考えるのだけど、「ぼんやりとした愛すべきヤツ」がいなくて、「選択か運命か」とか「愛するか愛されるか」とか、難しく考えなくてもいいんじゃないかなあ。もう少し適当に考えてもいいんじゃないのぉ、と思った。頭のいい人は考えることが難しく問わないと気が済まないのかな。
30歳で体の衰えを嘆き、それ以降「女の冬」とか嘆いてますけど・・実際「慣れて元気に笑い飛ばして生活してる」女性が多いですよ。理屈が多いと悩みもその分増える。あまり真面目に読むと危ない小説ですかね。
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私という運命について (角川文庫) 文庫 – 2008/9/25
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大手メーカーに勤務する冬木亜紀が、かつて恋人からのプロポーズを断った際、相手の母親から貰った一通の手紙。女性にとって、恋愛、結婚、出産、家族、そして運命とは……。著者渾身の傑作長編、待望の文庫化.
- 本の長さ495ページ
- 言語日本語
- 出版社角川グループパブリッシング
- 発売日2008/9/25
- ISBN-104043720041
- ISBN-13978-4043720040
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
大手メーカーの営業部に総合職として勤務する冬木亜紀は、元恋人・佐藤康の結婚式の招待状に出欠の返事を出しかねていた。康との別離後、彼の母親から手紙をもらったことを思い出した亜紀は、2年の年月を経て、その手紙を読むことになり…。―女性にとって、恋愛、結婚、出産、家族、そして死とは?一人の女性の29歳から40歳までの“揺れる10年”を描き、運命の不可思議を鮮やかに映し出す、感動と圧巻の大傑作長編小説。
著者について
1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。出版社に勤務する傍ら、2000年『一瞬の光』でデビュー。本作は、各紙誌書評で絶賛されベストセラーとなる。その他の著書に、『不自由な心』『すぐそばの彼方』『心に龍をちりばめて』『この世の全部を敵に回して』など多数。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
白石/一文
1958年福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。2000年に刊行されたデビュー作『一瞬の光』が各紙誌で話題となり、多くの読者の支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1958年福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。2000年に刊行されたデビュー作『一瞬の光』が各紙誌で話題となり、多くの読者の支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 角川グループパブリッシング (2008/9/25)
- 発売日 : 2008/9/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 495ページ
- ISBN-10 : 4043720041
- ISBN-13 : 978-4043720040
- Amazon 売れ筋ランキング: - 84,103位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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2018年2月3日に日本でレビュー済み
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2017年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
心から感動した。
運命というどうしようもない事であり
どうしようもなく素晴らしく、どうしようもなく悲しい事。
丁度、自分にも子供が出来た。
より感情移入をしながら読めた。その細部までしっかり表現されている文章力に引き込まれ
自分の事のように、投影して読み進める事が出来た。
世の中にはどうしようもないものが多々ある。
それに翻弄されながらも、結局人は日々を一生懸命生きて行くしか道はない。
分かってはいるが…
本当に大切な事を
読者達が全てを妥協じゃなく、認めて生きて行く事なのだろう。
運命というどうしようもない事であり
どうしようもなく素晴らしく、どうしようもなく悲しい事。
丁度、自分にも子供が出来た。
より感情移入をしながら読めた。その細部までしっかり表現されている文章力に引き込まれ
自分の事のように、投影して読み進める事が出来た。
世の中にはどうしようもないものが多々ある。
それに翻弄されながらも、結局人は日々を一生懸命生きて行くしか道はない。
分かってはいるが…
本当に大切な事を
読者達が全てを妥協じゃなく、認めて生きて行く事なのだろう。
2005年7月3日に日本でレビュー済み
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◆白石さんの4月の新刊。
大手企業に勤務するキャリア女性の29歳から40歳までの10年を 描いている。
この作家の特徴である、作家の思想を登場人物に語らせる小説。
登場人物は美男美女ぞろい、しかも頭もいい。
弁舌豊かに長々としゃべる。実際にこういうふうに話す人が身近にい たら、きっと疲れるだろうな、とも思う。
世の中がこういう人物だけで構成されていても、
やはり人の苦しみや社会のひずみはなくならないのだろう。
◆ストーリーの詳細を書くと「ネタバレ」になるが、
ただひとつ、主人公の女性の結婚相手は新潟・長岡出身である。
これが重要なプロットになっている。
サブタイトルは「all about my destiny」(私の運命)となっているが、
作者が言いたいことはあくまで「私という運命」すなはち、私そのもの が運命であり、
「意志的に運命を選んでいくことが人生である。」という作者の基本 的姿勢がうかがえる。
ジャンル分けは難しいが「教養小説」といってもよいかもしれない。
楽しんで読む、というより自分を振り返っりつつ読み進めることになる だろう。
正直なところ、「そこまで考えていちいち行動している人は少ないん じゃないかな」とも思う。
自分の怠惰な姿勢が浮き彫りにされるという怖さがそこにはある。
大手企業に勤務するキャリア女性の29歳から40歳までの10年を 描いている。
この作家の特徴である、作家の思想を登場人物に語らせる小説。
登場人物は美男美女ぞろい、しかも頭もいい。
弁舌豊かに長々としゃべる。実際にこういうふうに話す人が身近にい たら、きっと疲れるだろうな、とも思う。
世の中がこういう人物だけで構成されていても、
やはり人の苦しみや社会のひずみはなくならないのだろう。
◆ストーリーの詳細を書くと「ネタバレ」になるが、
ただひとつ、主人公の女性の結婚相手は新潟・長岡出身である。
これが重要なプロットになっている。
サブタイトルは「all about my destiny」(私の運命)となっているが、
作者が言いたいことはあくまで「私という運命」すなはち、私そのもの が運命であり、
「意志的に運命を選んでいくことが人生である。」という作者の基本 的姿勢がうかがえる。
ジャンル分けは難しいが「教養小説」といってもよいかもしれない。
楽しんで読む、というより自分を振り返っりつつ読み進めることになる だろう。
正直なところ、「そこまで考えていちいち行動している人は少ないん じゃないかな」とも思う。
自分の怠惰な姿勢が浮き彫りにされるという怖さがそこにはある。
2006年4月18日に日本でレビュー済み
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大手企業に勤務するキャリア・ウーマンである主人公が、”運命とは何か?”を意識しながら30代を過ごす様を描いたもの。
運命には大きく分けて2つの考え方があると思います。一つは”運命とははじめから決まっているもの”、もう一つは、”運命とは自分で切り開くことができるもの”。とらえ方や考え方の違いなので、どちらも間違ってはいないと思いますが、個人的に私は後者の考え方が好きなので、この作家の”運命観”にはあまり共感できません。ですが、それはそれとして、この主人公が、その”はじめから決まっている運命”を敏感に意識しながら、また、その運命に結局抵抗することなく従い、結果、運命に翻弄される、という展開はそれなりに楽しく読めました。
運命には大きく分けて2つの考え方があると思います。一つは”運命とははじめから決まっているもの”、もう一つは、”運命とは自分で切り開くことができるもの”。とらえ方や考え方の違いなので、どちらも間違ってはいないと思いますが、個人的に私は後者の考え方が好きなので、この作家の”運命観”にはあまり共感できません。ですが、それはそれとして、この主人公が、その”はじめから決まっている運命”を敏感に意識しながら、また、その運命に結局抵抗することなく従い、結果、運命に翻弄される、という展開はそれなりに楽しく読めました。