シュタイナーがオカルト界の綺羅星であることは知っていたが、『ムー』関連書籍ならいざ知らず、なぜ"ちくま学芸文庫"から出版されているのか? 多大な困惑と共に迎え入れることとなった私には、シュタイナーの顔が、権威ある学者の顔に見えてき、彼の思想が教養ある学術思想であるのではないかと思えてしまった。
困惑にけりをつけるためにも、この謎めいた学術書を読んで見なければならなかった。ちくまさんが学術と位置づけている理由がどこにあるのか? それが、学術全体の中で占める位置はどこか? その辺を見きわめたかった。
読んだ結論は、タイトルの通り······
学問から挑戦を受けた気分だったので、ある種、"目から鱗"的な衝撃を期待していたのだが、私の感性が乏しかったせいか、私が抱く学術的価値観の中では、彼の思想は新鮮さを持って迎え入れられることはなかった。
結果、シュタイナーは私の学術的価値観にイノベーションをもたらさなかった。
何も変わらなかったという安心感と何も変わらなかったという淋しさを抱えて、今回の学問からの挑戦は終わった。
彼の思想はとても硬派なオカルトですが、オカルトはどんなに高度な理論構成を持っていても、私にとっては学問ではありませんでした。
神秘学概論 (ちくま学芸文庫) (日本語) 文庫 – 1998/1/1
ルドルフ シュタイナー
(著)
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本の長さ462ページ
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言語日本語
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出版社筑摩書房
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発売日1998/1/1
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ISBN-104480083952
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ISBN-13978-4480083951
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
本書は、シュタイナーの四大主著の一冊であり、その思想の根幹が綴られている。肉体、エーテル体、アストラル体、自我という人間存在のヒエラルキアを解明し、宇宙論、人間論の中で、めくるめくような宇宙史の壮大な展望の下にマクロコスモス(宇宙)とミクロコスモス(人間)との関わりをあとづけ、進化の法則と意識の発達史、古代秘儀の本質、輪廻転生論、悪魔論、霊的認識の方法などを記し、過去と現在と未来についての常識をくつがえした前代未聞の神秘学大系が展開される。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
シュタイナー,ルドルフ
1861‐1925年。オーストリアに生まれる。自らの思想を人智学として樹立。1914年以降、スイス・バーゼルにゲーテアヌムを建設し、ここを科学、芸術、教育、医療、農業の分野にいたる人智学運動の拠点とする。1919年、ドイツ・シュトゥットガルトに「自由ヴァルドルフ学校」創立
高橋/巖
東京に生まれる。慶応義塾大学大学院博士課程修了。1973年まで同大学文学部哲学科、美学・美術史教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1861‐1925年。オーストリアに生まれる。自らの思想を人智学として樹立。1914年以降、スイス・バーゼルにゲーテアヌムを建設し、ここを科学、芸術、教育、医療、農業の分野にいたる人智学運動の拠点とする。1919年、ドイツ・シュトゥットガルトに「自由ヴァルドルフ学校」創立
高橋/巖
東京に生まれる。慶応義塾大学大学院博士課程修了。1973年まで同大学文学部哲学科、美学・美術史教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (1998/1/1)
- 発売日 : 1998/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 462ページ
- ISBN-10 : 4480083952
- ISBN-13 : 978-4480083951
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 35,187位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 39位認識論 (本)
- - 52位ドイツ・オーストリアの思想
- - 130位西洋哲学入門
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
5つ星のうち4.4
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年6月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もしかしたら現実主義的な人におすすめかもしれません。
私は霊とか神とかをまったく信じていませんでしたが、
ずっと昔、20代の始めに神秘学概論を読んで、
世界観がひっくり返りました。
真実の香りがしたからです。
霊界の物語はスエーデンボルグ、出口王仁三郎などいろいろありますが、
霊界の構造をここまで(客観的口調で)描写したものは他に知りません。
宇宙進化論にいたっては壮絶すぎて、到底想像力などで書けるものではない、
と感じました。
とにかく驚きの連続で、その驚きが探究心に火をつけるのです。
精神的に若くて先入観のないリアリストにお勧めします。
私は霊とか神とかをまったく信じていませんでしたが、
ずっと昔、20代の始めに神秘学概論を読んで、
世界観がひっくり返りました。
真実の香りがしたからです。
霊界の物語はスエーデンボルグ、出口王仁三郎などいろいろありますが、
霊界の構造をここまで(客観的口調で)描写したものは他に知りません。
宇宙進化論にいたっては壮絶すぎて、到底想像力などで書けるものではない、
と感じました。
とにかく驚きの連続で、その驚きが探究心に火をつけるのです。
精神的に若くて先入観のないリアリストにお勧めします。
2017年9月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界で一番有名な神秘主義思想家である【ルドルフ・シュタイナー】の代表作が、本書です。
内容に関して一言で云えば、とにかく難解。
あまりにも難解なので三回も読み返してしまったが、それでもやっぱり難解である。
じゃあ面白くないのかと言われれば、それがそうでもない。
あまりにも奇想天外で難解な内容が、何かおとぎ話めいていて、これはこれで楽しめる。
熱心なシュタイナー学徒には怒られるかも知れないけど、超意表を突いたホラ話のようにも読める。
万人にオススメできる内容ではないが、好奇心旺盛な奇書好きの人間なら読んでも損はないだろう。
かくいう私も、いつかもう一度読み返してみようと思っている。
奇書なのか名著なのか判断に困るところだけれども、それなりに面白いです(笑)。
内容に関して一言で云えば、とにかく難解。
あまりにも難解なので三回も読み返してしまったが、それでもやっぱり難解である。
じゃあ面白くないのかと言われれば、それがそうでもない。
あまりにも奇想天外で難解な内容が、何かおとぎ話めいていて、これはこれで楽しめる。
熱心なシュタイナー学徒には怒られるかも知れないけど、超意表を突いたホラ話のようにも読める。
万人にオススメできる内容ではないが、好奇心旺盛な奇書好きの人間なら読んでも損はないだろう。
かくいう私も、いつかもう一度読み返してみようと思っている。
奇書なのか名著なのか判断に困るところだけれども、それなりに面白いです(笑)。
2013年7月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
シュタイナーの最も主要な著作であり、彼が、後に人智学として世に問うた思想のまさに”概論”である。300冊以上に及ぶと言われる彼の膨大な講義&講演録を読み解く為には、まずこの本を最低、数回は熟読すべきだろう。
この本の内容だけでも、人間の死後の生活、宇宙進化の歴史、超感覚的な認識を目指しての具体的な修行方法など、現代人の常識を覆される多くの度肝を抜く事柄が扱われているが、この本を熟読し、さらに多数のシュタイナーの講義&講演をベースにした日本語の訳書を読むことで、シュタイナーの実り豊かな思想を深めていく事が出来るだろう。
逆に、極端な言い方かもしれないが、この本の熟読を抜きに、シュタイナーの様々な講義&講演録を読んでも”画竜点睛を欠く”事になり、講義の中で、シュタイナーがどのような文脈或いはニュアンスで語っているかを読み誤ることにもなりかねない。あるいはシュタイナーに興味を持ったのに、手に取った本が講義録(特に人智学に慣れ親しんだ人々を対象としたもの)であれば、人智学の専門用語&世界観が解らず、全く理解できない、読めない、という事にもなるだろう。
ただし、この本の前に、出来ればシュタイナーの『神智学』を熟読しておくことをお勧めする。シュタイナーの著作としてこの本を最初に読めば、人によってはあまりの奇想天外な内容に拒絶反応を示してしまう事もありうるので。
この本の内容だけでも、人間の死後の生活、宇宙進化の歴史、超感覚的な認識を目指しての具体的な修行方法など、現代人の常識を覆される多くの度肝を抜く事柄が扱われているが、この本を熟読し、さらに多数のシュタイナーの講義&講演をベースにした日本語の訳書を読むことで、シュタイナーの実り豊かな思想を深めていく事が出来るだろう。
逆に、極端な言い方かもしれないが、この本の熟読を抜きに、シュタイナーの様々な講義&講演録を読んでも”画竜点睛を欠く”事になり、講義の中で、シュタイナーがどのような文脈或いはニュアンスで語っているかを読み誤ることにもなりかねない。あるいはシュタイナーに興味を持ったのに、手に取った本が講義録(特に人智学に慣れ親しんだ人々を対象としたもの)であれば、人智学の専門用語&世界観が解らず、全く理解できない、読めない、という事にもなるだろう。
ただし、この本の前に、出来ればシュタイナーの『神智学』を熟読しておくことをお勧めする。シュタイナーの著作としてこの本を最初に読めば、人によってはあまりの奇想天外な内容に拒絶反応を示してしまう事もありうるので。