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神々の愛でし海 (中公文庫―ある生涯の七つの場所) 文庫 – 1993/3

辻邦生 (著)

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商品の説明

内容（「BOOK」データベースより）

十五年の歳月をかけて、遂に完結した全百篇の短篇による壮麗な現代史のモザイク。昭和初期からの日本、アメリカ、ヨーロッパを舞台に、宿命に導かれた男女の群像が繰り広げる比類なく美しい物語世界。

登録情報

文庫: 570ページ
出版社: 中央公論社 (1993/03)
言語: 日本語
ISBN-10: 412201980X
ISBN-13: 978-4122019805
発売日： 1993/03
梱包サイズ: 15.4 x 11.6 x 2.6 cm
おすすめ度： 5件のカスタマーレビュー
Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 759,915位 (本の売れ筋ランキングを見る)
- 22631位 ─ 本 > 文学・評論 > 文芸作品 > 日本文学
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あらゆる生の営みへの限りない讃歌

投稿者Marie Thérèseベスト1000レビュアー2017年8月14日

形式: 単行本Amazonで購入

.
辻邦生の「ある生涯における七つの場所」シリーズは、全体で百編の短編を七つの色の挿話（黄と赤の挿話・緑と橙の挿話・青と藍の挿話・菫の挿話）に分け、それぞれの挿話が各１４編づつ創作される連作作品である。

短編の名手でもあった辻邦生の、執筆期間１５年におよぶ渾身の連作作品であり、読者はさまざまな時代背景・場所における登場人物の　人生の営みに関して、オムニバス風にフォローしてゆくことになる。

連作の全体像のデッサンについては、バルザックの「人間喜劇」の作品群の構成に、あるいはヒントを得たものかも知れないのだが、辻邦生らしい丹念な登場人物の設定、ストーリーの進め方、物語を取り巻く状況の描写は、膨大な知的作業でもあり、又、ややもすれば焦点がボケてしまいがちな連作長編を総体としてまとめてゆく作家としての卓越した力量が、十分に発揮された作品と評し得よう。

作者自身は、「読者には各巻を一つ一つの独立した作品としても楽しんでもらえるように」といった意図をもって創作したようであるが、閲読の順を前後すると「この話の前はどうだったのだろうか」と気になるのが自然であるので、やはり創作された時系列順に読み進めるのが、鑑賞する際には良いと強く感じる。

一読者として、膨大な挿話の全体を読了したとき　・　・　・　あざやかに脳裡に残ったものは、辻邦生の穏やかな､「生に対する敬虔なる深い愛情」であった。

時に哀切であり、時には苛酷とも思える、さまざまな場所に於ける、あらゆる生の営みが、そのまま「至福の存在」なのであり、「満たされている」といった辻邦生の創作活動を生涯にわたり貫いているモチーフの光彩が、読後の時間の経過と共に、心の中に、静かに沁み込んでくる作品である。

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今回購入の評価

投稿者Amazon カスタマー2015年1月29日

形式: 単行本Amazonで購入

対応及び本の装丁保存状況は大変よく、新刊本と変わりがなく大変満足している。

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とにかく綺麗です

投稿者カスタマー2002年6月13日

形式: 文庫

最終巻である「神々の愛でし海」はそれまでに続いてきた全てのモザイクがまさしくひとつの絵になっていくような感じがあります。
この１冊に限らず、辻邦生氏の本はとにかく綺麗です。ことば、文章、そこから想像される情景全て。