山田五十鈴さんの若いころの演技に興味があり、観ました。
この当時の典型的な考えだろう妙齢を過ぎても旦那さんがつかない貧しい姉さん芸妓と、
そんな姉さんを見て野心あふれる気の強い妹芸妓。
結局、二人とも、男におもちゃのように弄ばれます。捨てられます。
そしていきなり終わります。
この時代の映画、白黒の日本映画を初めて見たのでびっくりしました。
あと、多くの方が誤解してるらっしゃるのですが、
・京都弁(時代時代で移り変わる京都の方言)
・京ことば(昔ながら使われてる京都の言葉や言い回し)
・芸妓ことば(芸妓しか使わない言葉や言い回しやイントネーション)
違います。
この三つをごっちゃにしないでください。
この当時の素人の娘さんが、この映画のような芸妓ことばを使えばきつく叱られることでしょう。
それは今も基本変わらないと思います。
現代では自らが望んで舞子に憧れてなる方もいらっしゃるようですね。
この映画から昭和の頃くらいは、
だいたいは、全国から身寄りのない女の子を引き受けたり、きれいな顔立ちの子供だと売られてきたり、
親が泣く泣く捨てにきたりする場合が多かったようです。
今はそんなことはないですよ、もちろん。
廓に売られるよりは、まだマシかもしれませんが。
映画の中に「お母さん」と呼ばれる方が出てきましたが、
「おかあさん」のお家で
育てられながら午前は学校(現代は中学)も行かせてもらって
(体だけを売る廓とは違うのでお客さんと話す知性や気転などが必要。
ここら辺は銀座のホステスさんに似てますね)、
午後は芸妓としての基本、踊りや三味線や掃除などを修行します。
そのようにして全国から寄り集められて育てられるので、
方言が出ないように「芸妓ことば」というのがあるのです。
もちろん、芸妓ことばの中に、芸妓ことばで表現できないことばは、
京ことばや京都弁も使うことはあるのでしょうけど。
こういうところは「廓ことば」と共通してますね。