無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
社会変革のシナリオ・プランニング――対立を乗り越え、ともに難題を解決する 単行本 – 2014/11/12
購入を強化する
民族和解、コミュニティ再生、食糧問題・・・
世界各地で変革を導く敏腕ファシリテーターの流儀
多角的な視点で組織・社会の可能性を探り、
さまざまな立場の人がともに新たなストーリーを
紡ぐことを通じて根本的な変化を引き起こす
「変容型シナリオ・プランニング」。
南アフリカ民族和解、コロンビア内戦和解をはじめ
世界各地で変革プロジェクトを導いてきた
ファシリテーターがその手法と実践を語る。
本書は、未来を変える努力をすることを選んだものの、一方的には変えられないと実感している人たちのために書いた。自分の住む都市や国の、あるいは世界の未来を変えようとしている人たち。健康、教育、経済、環境の問題に取り組んでいる人たち。ビジネスや政府や市民社会の立場から行動している人たち。本書は、こうした人たち、すなわち、だれかと―友人や仲間だけでなく、見知らぬ人や敵対する人とも―ともに行動して、行き詰まりから脱し、前進し、変化を創造する方法を模索している人たちに読んでほしい。(「はじめに」より)
ネルソン・マンデラは「長引く対立の影響の一つは、何が可能かというビジョンの幅を狭めてしまうことだ」と述べている。変容型シナリオ・プランニングは、何が可能かという意識を広げる。それによって、私たちの絶望感や無力感を乗り越えやすくなる。よりよい未来を共創できるようにしてくれるのだ。(「日本語版への序文」より)
掲載事例の例:「デスティノ・コロンビア」シナリオ・プロジェクト(第8章「新しいストーリーが新しい現実を生み出す」)
内戦と暴力の長い歴史をもつコロンビアで1995年に企画されたプロジェクト。97年に3回のワークショップを実施。政治家、学者、活動家、軍人、農民、若者、ゲリラ、民兵まで、激しく対立し合っていた者たちも含む多様な参加者が一堂に介して対話し、コロンビアの未来について4つのシナリオを策定することに成功した。以後プロジェクトは長い休眠状態になるが、2012年フアン・マヌエル・サントス大統領が、このプロジェクトを自身の新政府の政策の主題であると発表。4つ目のシナリオ「結束の中に力あり」に描かれたコロンビア国民の再統合に乗り出した。
※策定された4つのシナリオ
(1)日が昇れば見えるさ・・・コロンビア国民が事態をなすがままに任せ、解決困難な課題への対処に失敗。
(2)手中の一羽の鳥は、やぶの中の二羽の値打ちがある・・・政府とゲリラが交渉を経て妥協するストーリー。
(3)前進! ・・・長年の暴力に不満を持つ国民の支持を受けた政府が、ゲリラを軍事的に弾圧して平和を実現するストーリー。
(4)結束の中に力あり・・・国のメンタリティが相互尊重と協力を志向するように変化するボトムアップの変容シナリオ。
「戦争するより和解するほうがはるかに難しいと学びましたよ。(中略)自分の国について同じストーリーを繰り返し語っていれば、同じことをやりつづけるばかりで、うまくいくわけもない。ところが、みんなこの繰り返しの中毒になっている! 同じストーリーはいい加減やめにしよう。私たちには新しいストーリーが必要なんだ」(プロジェクトに獄中から参加した元民族解放軍ゲリラ、フランシスコ・ガラン)
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社英治出版
- 発売日2014/11/12
- 寸法19.4 x 13.4 x 2 cm
- ISBN-104862761852
- ISBN-13978-4862761859
この商品を見た後に買っているのは?
出版社より
民族和解、コミュニティ再生、食糧問題・・・ 世界各地で変革を導く敏腕ファシリテーターの流儀
多角的な視点で組織・社会の可能性を探り、さまざまな立場の人がともに新たなストーリーを紡ぐことを通じて根本的な変化を引き起こす「変容型シナリオ・プランニング」。 南アフリカ民族和解、コロンビア内戦和解をはじめ世界各地で変革プロジェクトを導いてきたファシリテーターがその手法と実践を語る。
本文より
本書は、未来を変える努力をすることを選んだものの、一方的には変えられないと実感している人たちのために書いた。自分の住む都市や国の、あるいは世界の未来を変えようとしている人たち。健康、教育、経済、環境の問題に取り組んでいる人たち。ビジネスや政府や市民社会の立場から行動している人たち。本書は、こうした人たち、すなわち、だれかと―友人や仲間だけでなく、見知らぬ人や敵対する人とも―ともに行動して、行き詰まりから脱し、前進し、変化を創造する方法を模索している人たちに読んでほしい。(「はじめに」より)
ネルソン・マンデラは「長引く対立の影響の一つは、何が可能かというビジョンの幅を狭めてしまうことだ」と述べている。変容型シナリオ・プランニングは、何が可能かという意識を広げる。それによって、私たちの絶望感や無力感を乗り越えやすくなる。よりよい未来を共創できるようにしてくれるのだ。(「日本語版への序文」より)
[著者] アダム・カヘン Adam Kahane
レオス・パートナーズ社パートナー。オックスフォード大学経営大学院「科学・イノベーション・社会研究所」特別研究員。パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック社、OECD(経済協力開発機構)、応用システム分析国際研究所、日本エネルギー経済研究所、ブリティッシュ・コロンビア大学、カリフォルニア大学、トロント大学、ウェスタン・ケープ大学で戦略立案や調査研究に従事したのち、ロイヤル・ダッチ・シェル社にて社会・政治・経済・技術に関するシナリオチームの代表を務める。1991~92年には南アフリカの民族和解を推進するモン・フルー・シナリオ・プロジェクトに参画。以来、企業や政府などの問題解決プロセスのオーガナイザー兼ファシリテーターとして、これまで50カ国以上で活躍している。アスペン研究所ビジネス・リーダーズ・ダイアローグ、組織学習協会(SoL)のメンバー。カリフォルニア大学バークレー校エネルギー・資源経済学修士、バスティア大学応用行動科学修士。著書に『手ごわい問題は、対話で解決する』(ヒューマンバリュー)、『未来を変えるためにほんとうに必要なこと』(英治出版)がある。妻のドロシーと家族とともにケープタウンおよびモントリオールに在住。
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
著者について
[著者]アダム・カヘン(Adam Kahane)
レオス・パートナーズ社パートナー。オックスフォード大学経営大学院「科学・イノベーション・社会研究所」特別研究員。パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック社、OECD(経済協力開発機構)、応用システム分析国際研究所、日本エネルギー経済研究所、ブリティッシュ・コロンビア大学、カリフォルニア大学、トロント大学、ウェスタン・ケープ大学で戦略立案や調査研究に従事したのち、ロイヤル・ダッチ・シェル社にて社会・政治・経済・技術に関するシナリオチームの代表を務める。1991~92年には南アフリカの民族和解を推進するモン・フルー・シナリオ・プロジェクトに参画。以来、企業や政府などの問題解決プロセスのオーガナイザー兼ファシリテーターとして、これまで50カ国以上で活躍している。アスペン研究所ビジネス・リーダーズ・ダイアローグ、組織学習協会(SoL)のメンバー。カリフォルニア大学バークレー校エネルギー・資源経済学修士、バスティア大学応用行動科学修士。著書に『手ごわい問題は、対話で解決する』(ヒューマンバリュー)、『未来を変えるためにほんとうに必要なこと』(英治出版)がある。妻のドロシーと家族とともにケープタウンおよびモントリオールに在住。
[監訳者]小田理一郎 Riichiro Oda
チェンジ・エージェント代表取締役社長兼CEO。オレゴン大学経営学修士(MBA)修了。多国籍企業経営を専攻し、米国企業で10 年間、製品責任者・経営企画室長として、営業、生産、サプライ・チェーン、開発の業務変革・組織変革に取り組む。2002 年より独立して企業の社会的使命の追求と非営利組織マネジメントの強化のためのコンサルティング活動を展開。MIT、ウースター工科大学などでシステム思考を学び、システム思考によるプロセス・ファシリテーション、研修、執筆を行う。SoL ジャパン事務局代表などを務め、日本でシステム思考やダイアログ、U 理論などの普及に務める。共著に『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか』『もっと使いこなす! 「システム思考」教本』(以上、東洋経済新報社)、共訳書にピーター・M・センゲ著『学習する組織』(英治出版)、ジョン・D・スターマン著『システム思考』(東洋経済新報社)。
[訳者]東出顕子 Akiko Higashide
翻訳家。津田塾大学学芸部国際関係学科卒業。翻訳会社勤務を経てフリーに。訳書にシェリー・カーター=スコット『ハートフル・ストーリーズ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、フランシス・ウェストリーほか『誰が世界を変えるのか』、マーガレット・ウィートリー『リーダーシップとニューサイエンス』、アダム・カヘン『未来を変えるためにほんとうに必要なこと』(以上、英治出版)などがある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
レオス・ノース・アメリカ社会長。1990年代前半ロイヤル・ダッチ・シェル社にて社会・政治・経済・技術に関するシナリオチームの代表を務める。他にパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック社、OECD(経済協力開発機構)、応用システム分析国際研究所、日本エネルギー経済研究所、ブリティッシュ・コロンビア大学、カリフォルニア大学、オックスフォード大学、トロント大学、ウェスタン・ケープ大学で戦略立案や調査研究に従事した。1991~92年南アフリカで、多様な利害関係者によるグループが民主主義への移行実現に向けて協働するモン・フルー・シナリオ・プロジェクトに参画
小田/理一郎
チェンジ・エージェント代表取締役社長兼CEO。オレゴン大学経営学修士(MBA)修了。多国籍企業経営を専攻し、米国企業で10年間、製品責任者・経営企画室長として、営業、生産、サプライ・チェーン、開発など組織横断での業務変革・組織変革に取り組む。2005年チェンジ・エージェント社(change‐agent.jp)を設立し、人財開発、組織開発・組織学習、CSR経営などでコンサルティングを展開し、組織横断での社会課題解決のプロセスデザインやファシリテーションに従事する
東出/顕子
翻訳家。津田塾大学学芸部国際関係学科卒業。主にノンフィクションの翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 英治出版 (2014/11/12)
- 発売日 : 2014/11/12
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 240ページ
- ISBN-10 : 4862761852
- ISBN-13 : 978-4862761859
- 寸法 : 19.4 x 13.4 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 309,255位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 1,425位オペレーションズ (本)
- - 1,761位コミュニティ (本)
- - 2,010位社会一般関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
1)ピエール・ワックまでのシナリオ・プランニング:適応型シナリオ・プランニング(未来を理解するためのプランニング)
2)アダム・カヘンのシナリオ・プランニング:変容型シナリオ・プランニング(未来に影響を及ぼすためのプランニング)
ネルソン・マンデラを釈放で未来が不透明となった南アフリカでのモン・フルー・シナリオでは、政府側からのシナリオだけでなく、左派による代替シナリオを作成演習した。作成されたシナリオは以下の4つ。
【ダチョウ】白人少数派政府が頭を地面に突っ込んで、敵対者との交渉を拒否するシナリオ
【足の悪いアヒル】交渉が妥結するが、新しい民主政権は制裁を受け、国の課題を処理できないままになるシナリオ
【イカロス】制約を受けない民主政権が財政の限界を無視し、経済が崩壊するシナリオ
【フラミンゴの飛行】段階的に協力して発展していくために必要な要素をあるべき場所に配置する社会へのシナリオ
はじめの3つ【ダチョウ】【足の悪いアヒル】【イカロス】は、誤った決定がされた場合に南アフリカに起こりうることを予言する警告シナリオで、第4の【フラミンゴの飛行】シナリオは、3つのシナリオの誤りのすべてを回避できた場合の国にとってよりよい未来のビジョンとなる。シナリオ・プランニングチームは、このシナリオをレポートにまとめ南アフリカの最有力週刊誌に別刷りで発売。映画監督により30分ビデオを作成。これらの資料を国中の政治団体。企業、非政府組織に伝えた。
変容型(トランスフォーマティブ)シナリオ・プランニングは、以下の3つの状況で効果を発揮する。
1)その人たちが、自身のおかれた状況を容認できないもの、不安定なもの、こたえられないものと見ている場合(南アフリカのアパルトヘイトは不安定で持ちこたえることはできないものと考えていた)
2)その人たちが自力では、あるいは友人や仲間とだけ一緒に動いても状況が変えられない場合(アパルトヘイトを変容させようと、国民は集団的行動、国際的制裁、武装抵抗で力ずくで変化を起こそうとしていた)
3)その人たちが直接的には状況を変えられない場合(力を合わせて変化を起こすべき関係者が分裂、何が解決策か、何が問題かについてさえ見解が一致しない)
ただし、以下の3つの条件がないと、効果は発揮できない。
1)洞察力と影響力のある利害関係者の代表が集まったシステム全体を代表するチームが必要
2)1)のチームメンバーたちが自らの理解、関係、意図を変容できる器であることが必要(つまり、自身が属する組織から裏切りとみなされないように注意)
3)厳密なプロセス(起こるだろうこと、起こるべきことでなく、現実味があり、明確で、誰にとっても中立的なシナリオが必要)
シュル社で開発された適応型シナリオ・プランニングでは、組織の外で起こりうることについてのストーリーを作成し、適応させる。しかしそれは、未来に影響を及ぼすか未来を変えるアプローチがないため限界がある。例えば、犯罪が多発するコミュニティーに住むには、適応型シナリオ・プランニングではリスクマネジメントとして、鍵や警報や警備員の採用になるが、変容型シナリオ・プランニングでは人々と協力して犯罪レベルを下げる努力をすることになる。
マルクスの「資本論」、あるいは青山栄次郎の「パン・ヨーロッパ」は、変容型(トランスフォーマティブ)シナリオ・プランニングのひとつのとして捉えることもできる。
(分野)社会一般、政治
(頁数)アダム氏担当153頁+監訳者71頁+参考文献等15頁
(出版日)2014/11/12
アダム・カヘン氏が唱える「U理論」は、極めて大きく複雑な問題でも、「シナリオ・プランニング」を通した「対話」を積み重ねることで解決へ導くための要となる理論です。本書では、そんな「U理論」の実践例と解説が記されています。
著者のアダム・カヘン氏が記した部分は最初の3分の2であり、その後には、監訳者よりオランダで実際に「シナリオ・プランニング」が行われた実例と、本書全体の解説が載せられており、実際には三部構成となっています。
【内容】
「U理論」とは、「共始動」に始まり「共感知」、「共プレゼンシング」、「共創造」、「共進化」へと議論を深化させて行くプロセスです。「共(Co-)」という言葉が必ず入っている様に、チームとの「対話」を通して様々な課題に共に向き合う姿勢を作ることが重要であるとしています。
アダム・カヘン氏が担当する部分では、氏が実際にファシリテートしたアパルトヘイト下での南アフリカや内戦下でのグアテマラの事例が挙げられています。
どちらも紛争状態にある中、著者がステークホルダーを集めて、共に様々な条件を綿密に検討すること(シナリオ・プランニング)で事態を徐々に沈静化させていく過程が書かれています。
ステークホルダー同士(時には政府軍や反乱軍)が、互いに起こりうる未来を綿密に設計し、「何が必要なのか?何をすべきか?」にコンセンサスを持つことで、事態が好転していく様子は、こうした取組が大変価値を持つことを感じさせます。続く監訳者によるオランダに実例も、思考の過程や重視すべきポイントが細かく書かれており親切です。
後半の解説の部分では、こうした「シナリオ・プランニング」の詳細な説明に加えて、これが重要とされる社会情勢や今後の展望についても書かれています。
始めて「シナリオ・プランニング」に触れられる方は、こちらの解説(194頁から)から読まれることをお勧めします。
【感想】
時には一触即発の事態になりながらも対話を進めていく過程は、アダム・カヘン氏の相当な胆力を感じさせます。氏の取組は、一時期「武力」を用いない問題解決手法と解釈されて、その面で過度に持ち上げられたことで批判を浴びたそうです。それに筆者は「力」と「愛(寛容)」の両方が必要だと答えました。
こうしたバランス感覚の重要性は、今後どんどん重視されるのだろうと思います。
最後にですが、200頁強の本にしては、値段が高いのが玉に瑕でした。
とはいえ実際に「実践する」となると生半可な覚悟では完遂できるものではないということも読み取れます。
(だからこそアダム・カヘン氏は伝説のファシリテーターと呼ばれているのではないでしょうか?)
実際、私は本を読み進めながら、身の回りの組織(150人弱のシステム)を念頭に、
・システム全体からチームを招集する。
・何が起きているか観察する
・何が起こりうるかについてストーリーを作成する
・何ができて、何をなさねばならないか発見する
・システムの変革をめざして行動する
といった流れに沿って、あれこれ考えながら読み進めましたが、想定される作業の困難さと膨大さ、さらに最善を尽くたところで、良い変容が見られる保障など一切ない、という厳しい現実。等々、
正直シュミレーションですら、何度も投げ出したくなりました。
とは言え、この本の内容を多くの人が「知っている」というだけでも社会に変容は起こり易くなると思います。
多くに方に読まれることを期待したい本です。
最後に、唯一残念だったのは失敗事例についての記述が少ないこと・・・なのですが、きっと作者には「思い出したくもないこと」もたくさんあると思われるので、仕方ないのでしょうね。
従来のシナリオ・プランニングの有用性を活かしきれていない組織向けの
指南書と言えます。
特に利益相反の組織の未来を切り拓くのに有用でしょう。
好感が持てるのは、この手法を適用するための条件が最初に記載されて
いることです。
何故なら、この手法は息の長い活動が求められ、この条件にそぐわない
状況で始めた場合の損失、徒労感が大きいからです。
また、失敗例が記載されているのも良いです。
つまり、背後に蓄積されたデータ、経験の豊富さをうかがうことができる
からです。
また、章末にケーススタディとして、実際に描かれたシナリオ例も記載されて
いるので、シナリオ・プランニングを用いて社会変革のあり方を描いていく際
の具体的なイメージを持つことができるでしょう。
ただ、惜しいのが、例になっているのが、アフリカの内部抗争中の国家等、
日本人の我々から見ると遠い話に感じ、実際に自分達が相手にしている
課題に対しても大き過ぎて応用できるのか?と思わせるところです。
企業、集落でアジアの例があれば、身近に感じられたと思います。
キーパーソンの集め方等、他の課題解決手法でも使えるツールが
掲載されており、この点でも参考になると思います。
もしくは、訳者の小田氏の解説を読んでから本文を読むのも良いと思いました。
困難に直面した国、地方自治体と大きなシステムをどう再構築していくか、
未来を描く手法としてシナリオ・プランニングがいかに有用かという点だけでなく、
その失敗例も紹介されている点がよいと思いました。
「絶対解はない」という前提に立って、どのような可能性が考えられるのか、
あらゆる想定をしていくことが変革のダイナミズムを生み出していくことに
必要であるということに説得感を持たせています。
また、章末に自治体のケースを用いて、実際に描かれたシナリオ例も記載
されているので、シナリオ・プランニングを用いて社会変革のあり方を描いて
いく際の具体的なイメージを持つことができます。
本書で扱われているのは国家や地方自治体といった大きなシステムが中心ですが、
企業やチームに当てはめたときにどのように運用していくのかを考えた際に、
運用する先が小さなシステムであるほど、実践に移す際には最初の問題設定が
重要だと感じました。特に課題意識を持つ人が少ないシステムや構成体での変革は
果たしてこの手法は有効なのかといった点について、今後も著者の活動に注目したい
と思います。









