STAP細胞事件で注目を浴びた研究不正、その後も様々な事例が報告されました。基礎研究をやっていたものとしては気になるところです。スター研究者が告発されたり非難を受けたりしたことが相次ぎました。
この本の著者は以前より研究不正に関するコメントやMLを立ち上げています。本人も言っていますが病理医でどんなコメントしようが自分のポジションが脅かされることはないので、自由な立ち位置での物言いかと思います。
内容はSTAP細胞事件に始まる一連の研究不正を総括して、今後の研究のあり方を提言しています。各章を違う著者が書いているので、総括の仕方が重複したりしており、ややくどい印象を持ちます。
総括や提言は貴重なものと思われますが、性善説に立った現状の研究環境では不正は繰り返されるでしょう。電気泳動のレーン設定などいい加減で、よい結果が出るまで繰り返し、後は捨てるなど日常ではないでしょうか?写真をさかさまにして新しい写真としたり。トリミングして超拡大することで新しく見える、なども良く行われていました。
日本だけではなく世界中のラボでも似たり寄ったりでしょう。お金があれば欧米のようにテクニシャンに結果を作ってもらい、それを研究者が評価する方法のほうがバイアスがかからないと思います。日本は学生などにデータを作らせるのでぶれが生じやすいと思います。STAP細胞事件も結局は未熟な先生による不完全な実験、上位研究者の指導力不足、結果を指導者が読み違える(読む力がない)、研究所の政治的力学(理研が国立の独立機関なる予定による圧力)があった結果と思われます。
この本はそのようなプロセスを解析していますが、研究不正につける薬はないと思われます。リトラクトされた論文の上位に日本人が多く入っているのは恥ですが、著者たちは「へ」と言っているだけで何とも思っていないでしょう。倫理的な心が弱い人たちと思います。
臨床結果に影響を与えるような不正は刑事罰にした方がよいかと思います。
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