高橋正典『知識ゼロからの賢い家の選び方』(幻冬舎、2018年)は購入検討者向けに賢い住宅の選び方を紹介する書籍である。著者は不動産コンサルタントである。住宅ほど賢い選び方が求められるものはないだろう。何しろ住宅の購入は一生に一度あるかないかの大きな買い物である。問題物件を購入した場合のダメージは大きい。
本書は一戸建て、マンション、新築、中古の全てを対象にする。戸建てやマンションに特化した書籍もある。特化することで詳細な内容を記載できるメリットがある。私は一般に選択と集中に価値を感じる。しかし、住宅購入検討者が何が何でも新築マンション購入と限定することが正しいとは儀らない。不動産業界のコマーシャリズムに乗せられているだけかもしれない。住宅購入者の選択肢を減らさない点では一冊でまとめた点に意味がある。
新築か中古かは住宅選択の一つの論点であるが、本書は中古住宅に好意的である(38頁)。これは管見と共通する。新築住宅信仰は時代遅れになっている。今は空き家が増え、住宅が供給過剰になっており、新築住宅は社会経済的にも環境的にも無駄である。国土交通省も中古物件の流通に力を入れるようになった。本書は中古住宅を推す理由にユニークなものを指摘する。「そもそも家は住みやすい土地から順に建てられるので、中古のほうが好立地の家が多い」(38頁)。成程と納得できる話である。
また、不動産業者にとって新築住宅は手間がかからず、売りやすいという事情がある(53頁)。不動産営業が新築マンションを勧めたとしても、消費者に合っているからではなく、自社の事情からかもしれない。このような裏事情は購入検討者のためになる。
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