覚醒を制御する神経ペプチド-オレキシンを発見したのが日本人研究者であったというのは、
母語でその研究成果に触れることができるということでもあり、
完全に日本人プレミアですね。
心理系の対人理解は、今後益々脳と身体科学の知見に寄っていくと思うので、
神経系、内分泌系、免疫系の基礎理論はマストな教養になっていくでしょう。
で、睡眠という日常の営みで、研究成果をフィードバックできるのですから、
我が身をもって検証したいところです。
人のデフォルトが睡眠にあり、生きるために覚醒系が搭載されたという仮説は卓見だと思います。
睡眠の科学・改訂新版 なぜ眠るのか なぜ目覚めるのか (ブルーバックス) (日本語) 新書 – 2017/8/17
櫻井 武
(著)
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本の長さ264ページ
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言語日本語
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出版社講談社
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発売日2017/8/17
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寸法11.4 x 1.3 x 17.4 cm
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ISBN-104065020263
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ISBN-13978-4065020265
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
初版刊行後の最新知見を大幅加筆!近年の睡眠研究の進歩はめざましい。ノンレム睡眠時に老廃物を洗い流す、「グリンパティックシステム」の発見、日本で発売された画期的な不眠症治療薬、「睡眠負債」が溜まるメカニズムなど、世界の睡眠研究をリードする著者が最新知見をもとに迫る「睡眠の本質」。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
櫻井/武
1964年東京生まれ。筑波大学大学院医学研究科修了。医師、医学博士。日本学術振興会特別研究員、筑波大学基礎医学系講師、テキサス大学ハワード・ヒューズ医学研究所研究員、筑波大学大学院准教授、金沢大学医薬保健研究域教授を経て、筑波大学医学医療系および国際統合睡眠医科学研究機構教授。1998年、覚醒を制御する神経ペプチド「オレキシン」を発見。平成十二年度つくば奨励賞、第14回安藤百福賞大賞、第65回中日文化賞、平成二十五年度文部科学大臣表彰科学技術賞、第2回塩野賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1964年東京生まれ。筑波大学大学院医学研究科修了。医師、医学博士。日本学術振興会特別研究員、筑波大学基礎医学系講師、テキサス大学ハワード・ヒューズ医学研究所研究員、筑波大学大学院准教授、金沢大学医薬保健研究域教授を経て、筑波大学医学医療系および国際統合睡眠医科学研究機構教授。1998年、覚醒を制御する神経ペプチド「オレキシン」を発見。平成十二年度つくば奨励賞、第14回安藤百福賞大賞、第65回中日文化賞、平成二十五年度文部科学大臣表彰科学技術賞、第2回塩野賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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2019年8月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
睡眠について知りたく購入。まだまだ睡眠についてはわからないことが多いのだな、と思わされた。
睡眠時に起こる脳波など、睡眠の際に起きる現象を説明、そしてそれが脳のいろんな部位の神経細胞の活動で引き起こされていることをわかりやすく説明してくれている。途中からは筆者がアメリカでの研究生活で発見したオレキシンを中心とした話。ただあまり手前味噌な流れには走らず、淡々と事実を述べているのには好感をもてる。
なんどか前に紹介されたことを繰り返し説明してくれているので、ほどよく反芻できて、理解しながら読み進めることができる。
一般向けではあるが、ある程度遺伝子の知識や脳の構造についての知識がある方が読み進めやすいだろう。
睡眠時に起こる脳波など、睡眠の際に起きる現象を説明、そしてそれが脳のいろんな部位の神経細胞の活動で引き起こされていることをわかりやすく説明してくれている。途中からは筆者がアメリカでの研究生活で発見したオレキシンを中心とした話。ただあまり手前味噌な流れには走らず、淡々と事実を述べているのには好感をもてる。
なんどか前に紹介されたことを繰り返し説明してくれているので、ほどよく反芻できて、理解しながら読み進めることができる。
一般向けではあるが、ある程度遺伝子の知識や脳の構造についての知識がある方が読み進めやすいだろう。
2017年9月14日に日本でレビュー済み
脳について解説したこの手の新書には、いかがわしい知識を基に実は筆者の思い込みを科学風に記載したものと、しっかりとした科学的な知識に基づいて記載されたものがあるが、本書は後者である。
本書は、脳と睡眠について、睡眠の生理的な役割および睡眠制御の機序について、オレキシンを中心としてその発見者が解説した本である。
まずはじめに、一線の科学者が描き下ろした本の中には、文章が下手で読むに耐えない本も少なくないが、本書は文章も流暢で、その語り口も爽やかで読者を飽きさせることはないために、非常に読みやすい本になっていることを記しておきたいと思う。
一方、本書は、生物学的にはある程度の基礎知識を持っていることが前提で書かれており、例えばアミノ酸、アミン、ペプチド、またGABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロンという言葉や、脳解剖の基礎的な知識をある程度持っていることが、その理解に必要だと思う。
その意味で、読者としては、医学生、医師、薬剤師、生物・医学関係の仕事に従事する人あたりが想定されているようである。
本書では睡眠が脳の生理的活動維持に不可欠であることがまずは示され、脳波と睡眠の関係、睡眠をコントロールするモノアミン/コリン作動性ニューロンとGABA作動性ニューロンの関係が示された後に、脳内ペプチドであるオレキシン発見の過程が詳細に示される。
オレキシンは食欲に関わる脳内ペプチドと当初は考えられたが、その発見が引き金となり、犬においてはその受容体の異常がナルコレプシーという病気を引き起こすことが明らかになり、覚醒を維持する分子として性質が明らかになっていく。
GeneCardで調べると、オレキシンのオルソログはゼブラフィッシュですでに認められるようなので、眠りのメカニズムは魚類あたりから保存されているのかもしれない。
それはさておいて、本書では様々な研究を基にオレキシンがモノアミン/コリン作動性ニューロンに働きかけて、覚醒を安定化させる機序が示される。他方、オレキシン作動性ニューロンは情動や栄養状態に敏感に反応し、その産生量をコントロールしているということが明らかになり、危機を感じたり、ハングリーなときに覚醒を促進させる機能を担っていうことが示され、個体生存に対して合目的に制御されていることが示される。
本書、後半では、睡眠にまつわる一般的なよもやま話も示されており、このあたりは一般的な読者もなるほどと思わせる、楽しいうんちくも披露される。
いずれにしても生理学、生物学にある程度明るい読者には、現在の研究が導く脳内睡眠制御の機序が、手に取るようにわかりやすく示され、読者を飽きさせることはない。
その上でだが、筆者の示す、睡眠中枢とGABA作動性ニューロン、覚醒中枢とモノアミン/コリン作動性ニューロン、そしてその安定化ペプチドを産生するオレキシン作動性ニューロンと3つのファクターが理想の形でバランスをとっているモデルが、今後さらに新たなペプチドの発見等により複雑化し多変量化するのか、それとも原型をしっかりと留めていくのか、今後の研究が楽しみである。
ただ、オレキシン拮抗薬、スボレキサン卜の効能等を見ると筆者の示すように覚醒中枢の安定化があくまでその作用の中心で、その意味で今後、睡眠・覚醒物質がさらに発見されそうで、そのあたりも楽しみである。
まとめ:分かりやすい本です、睡眠に興味のある生物関係者に、まずは本書を推薦します。
追記:蛇足とは思いながら追記を記す。
細胞のbiological clockについてYouTubeでbiological clockの遺伝子の発見者Michael Rosbash博士の講義を聞くことができる。
40分ほどの講義だが、日本語でそのまま語っていると言っていいほどのやさしい英語で、biological clockの遺伝子の発見から、biological clockの人体への影響について語っていて大変わかりやすい。
オレキシンと別の面からの睡眠研究でちょうど睡眠研究の表裏にあたり、この本に加えて講義を聞くことで、睡眠についてより興味深く理解できると思う。
Understanding circadian rhythm: understanding sleep disordersで検索できるのでぜひご覧あれ。
本書は、脳と睡眠について、睡眠の生理的な役割および睡眠制御の機序について、オレキシンを中心としてその発見者が解説した本である。
まずはじめに、一線の科学者が描き下ろした本の中には、文章が下手で読むに耐えない本も少なくないが、本書は文章も流暢で、その語り口も爽やかで読者を飽きさせることはないために、非常に読みやすい本になっていることを記しておきたいと思う。
一方、本書は、生物学的にはある程度の基礎知識を持っていることが前提で書かれており、例えばアミノ酸、アミン、ペプチド、またGABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロンという言葉や、脳解剖の基礎的な知識をある程度持っていることが、その理解に必要だと思う。
その意味で、読者としては、医学生、医師、薬剤師、生物・医学関係の仕事に従事する人あたりが想定されているようである。
本書では睡眠が脳の生理的活動維持に不可欠であることがまずは示され、脳波と睡眠の関係、睡眠をコントロールするモノアミン/コリン作動性ニューロンとGABA作動性ニューロンの関係が示された後に、脳内ペプチドであるオレキシン発見の過程が詳細に示される。
オレキシンは食欲に関わる脳内ペプチドと当初は考えられたが、その発見が引き金となり、犬においてはその受容体の異常がナルコレプシーという病気を引き起こすことが明らかになり、覚醒を維持する分子として性質が明らかになっていく。
GeneCardで調べると、オレキシンのオルソログはゼブラフィッシュですでに認められるようなので、眠りのメカニズムは魚類あたりから保存されているのかもしれない。
それはさておいて、本書では様々な研究を基にオレキシンがモノアミン/コリン作動性ニューロンに働きかけて、覚醒を安定化させる機序が示される。他方、オレキシン作動性ニューロンは情動や栄養状態に敏感に反応し、その産生量をコントロールしているということが明らかになり、危機を感じたり、ハングリーなときに覚醒を促進させる機能を担っていうことが示され、個体生存に対して合目的に制御されていることが示される。
本書、後半では、睡眠にまつわる一般的なよもやま話も示されており、このあたりは一般的な読者もなるほどと思わせる、楽しいうんちくも披露される。
いずれにしても生理学、生物学にある程度明るい読者には、現在の研究が導く脳内睡眠制御の機序が、手に取るようにわかりやすく示され、読者を飽きさせることはない。
その上でだが、筆者の示す、睡眠中枢とGABA作動性ニューロン、覚醒中枢とモノアミン/コリン作動性ニューロン、そしてその安定化ペプチドを産生するオレキシン作動性ニューロンと3つのファクターが理想の形でバランスをとっているモデルが、今後さらに新たなペプチドの発見等により複雑化し多変量化するのか、それとも原型をしっかりと留めていくのか、今後の研究が楽しみである。
ただ、オレキシン拮抗薬、スボレキサン卜の効能等を見ると筆者の示すように覚醒中枢の安定化があくまでその作用の中心で、その意味で今後、睡眠・覚醒物質がさらに発見されそうで、そのあたりも楽しみである。
まとめ:分かりやすい本です、睡眠に興味のある生物関係者に、まずは本書を推薦します。
追記:蛇足とは思いながら追記を記す。
細胞のbiological clockについてYouTubeでbiological clockの遺伝子の発見者Michael Rosbash博士の講義を聞くことができる。
40分ほどの講義だが、日本語でそのまま語っていると言っていいほどのやさしい英語で、biological clockの遺伝子の発見から、biological clockの人体への影響について語っていて大変わかりやすい。
オレキシンと別の面からの睡眠研究でちょうど睡眠研究の表裏にあたり、この本に加えて講義を聞くことで、睡眠についてより興味深く理解できると思う。
Understanding circadian rhythm: understanding sleep disordersで検索できるのでぜひご覧あれ。
2018年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人生の30%も寝ているのに、あまり睡眠について知識的に理解していなかったです。この本を読めば睡眠についての知識を得ることができます。ハウツー本ではなく睡眠のメカニズム等を説明しています。サラッとは読めないですが丁寧に説明しているので、読み通す事ができます。最適な睡眠時間は眠たくなくなるまで寝るというのが、私の中では一番参考になりました。