最近、引退を表明されましたが、長年の世界株式投資で生き残った著名ファンドマネジャーの原点本(1989年)です。20年以上前に読みましたが、同業者として優良本に挙げたいと思います。コングロ、ゴーゴーファンド、ニフティフィフティ、オイルショック、ブラックマンデーなど、世界の株式投資の歴史を辿りながら、自らの自らの投資理論を語ります。文献を踏みほどいて世界恐慌も振り返ります。私は、この道26年ですが、彼の考え方に「概ね」賛同するファンドマネージャーの一人です。
さて、良い点。(1)歴史的に、相場のピーク・ボトムに垣間見える現象を明解に語ってくれており、古き先輩の貴重な経験録とサバイバル術です。私はこの見方に強く共鳴する箇所が多い。(2)個人的には、「『今回だけは違う』と言われる時が一番危ない」という言葉が印象的であり、また、他の歴史に名を残したファンドマネジャーたちと共通する法則が多いことに注目すべきです。「新技術を生み出す企業でなく、新技術によって恩恵を受ける企業に投資すべき」なども、後のPリンチと同じ法則であり、実に印象深い。(3)ラビ・バトラからの引用で、世界恐慌前に貧富の差が拡大していた話を挙げ、現況の世界経済に警鐘している。近年、ピケティ・ブームによって問題視される視点を本書が持っている点が興味深い。もっとも、貧富拡大を先導する米国が、IT革命などを背景に、世界経済を先導している現況が実に皮肉ではありますが。。。
次に、課題。(1)コンドラチェフをベースに、世界経済の長期展望に悲観的であったこと。ただ、この評価は、未だ難しいですね。リーマンを見れば当たっているような、米国の今を見れば外れているような。。。(2)結果としては、対外債務は衰退の指標として米国の凋落を予測しましたが、外れました。(3)日本・アジアが世界をリードするという見方も、結果として外れました。しかし、株価が高すぎるとして、日本株などへの投資は暫く避け、次の景気後退まで待った方が良いとしている点は、実に見事です。
最後に、私が若い頃に一番励みになった箇所を挙げておきます。彼が言うには、結局、ファンドマネジャーは、勝負し、失敗しながら経験し、学び、退場することなく耐えた人が、その経験を次に活かすことができ、結果、長期的には勝ち残れるのではないか、という仮説です。私のような凡人には、大きな救いとなる言葉であり、また、私もベテランと言われる歳を迎え、この言葉を信じてきて良かったと思うのです。経験と学び、これは、どの道でも共通することなのだ、と。
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相場の波で儲ける法―大マネー・ゲーム時代の成功術 単行本 – 1989/4/1
- 本の長さ220ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日1989/4/1
- ISBN-104492730923
- ISBN-13978-4492730928
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
相場予測の世界的名人が大底買い・天井売り戦略を伝授。株、債券、商品、通貨、金利の相場変動の見方・読み方を解説。
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登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (1989/4/1)
- 発売日 : 1989/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 220ページ
- ISBN-10 : 4492730923
- ISBN-13 : 978-4492730928
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,366,920位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 3,201位銀行・金融業 (本)
- - 3,827位株式投資・投資信託
- カスタマーレビュー:
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2017年12月5日に日本でレビュー済み
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3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年9月2日に日本でレビュー済み
投資ブログMarket Hackの広瀬隆雄氏が本書を名著であり、50回以上お読みになったと書かれていたので、関心をもち、読みました。古本市場でもすごい値がついていますね。
著者は、1987年10月の株式市場の暴落を本人の言にいうと「偶然」当てた投資家のマークファーバー氏。Dr.Doomのあだ名があるように、どちらかというと悲観的な見通しを語ることの多い方です。
本書は、1987年の大暴落へと至った歴史の流れを事実をそれにさかのぼる40年にわたって書き記したもの。著者によると、「私がこの本を執筆したのは、経済、金融市場、ブームとバスト、投資家の心理、正しい判断を下したときの報酬、判断を誤った時の苦痛などについて書きたいと思った」(203頁)といいます。
目次は以下のとおりです。
第1章 はじめに
第2章 株式相場の大底放れ
第3章 ニフティフィフティの時代
第4章 弱気相場ー希望のスロープを滑り落ちる
第5章 強気相場ー懸念の壁をよじ登る
第6章 景気循環ー経済の不思議なサイクル
第7章 狂乱インフレと商品ブーム
第8章 ディスインフレと金融資産ブーム
第9章 カジノ社会
第10章 ブラックマンデー
第11章 将来の見通し
本書を読んで筆者が覚えておくべきと思った点は、
✔ (1929年の暴落について説明する文脈で)株式相場の暴落は、アメリカの政治・経済に対する信認がきわめて高かった時期に到来した。 (85頁)
✔ 1929年の株式が割高であったかどうかを明らかにしておきたい。当時、米国株はそうれほど割高ではなかった。(91頁)
✔ 市況商品が1817年、1871年、1925年、1979年と54年ごとにピークをつけていることは注目される。(この周期でいくと次のピークは2033年)(102頁)
✔ 通常、株式市場が天井を打った直後に銅相場が急騰する。(106頁) ☚現在(2017年9月)の状況を考えると興味深い。
✔ 相場が天井に近いときに新規公開件数が増える点は興味深い。(141頁)
✔ 株式公開件数が最高になったセクターは、その後パフォーマンスが最悪となる。(142頁)
✔ 全くの新技術への投資で利益をあげられることはめったにない。商業化に時間がかかることが多く、また、すぐに競争が激化してしまうからだ。しかし、新技術の恩恵を受ける企業に投資すれば、高い収益が得られる。(143頁)
✔ ある業界の給与水準が他のどのセクターよりもずば抜けて高い場合、その業界は必ず景気の山に近づいている。(181頁)
✔ 市場は将来を織り込んでいくものであり、そのために信頼性の高い予測ツールになりうることを強調した。しかし、市場は大きな転換点の直前には、間違ったシグナルを出すことが多い。1929年10月29日の大暴落の前には、米国株は力強く上昇し、景気は減速せず拡大に向かうことを示した。(204頁)
なお、「ヨーロッパが解放されたソ連と米国のどちら側に接近するかは定かではないが、経済的にはソ連側についた方がより多くのメリットを享受できると思う。」(219頁)等々、ヘンな記述も散見されますが、それらを現在の知識でもって断罪することはしません。読者がお読みになって為になる部分のみを吸収すればよいのだと思います。
以上
著者は、1987年10月の株式市場の暴落を本人の言にいうと「偶然」当てた投資家のマークファーバー氏。Dr.Doomのあだ名があるように、どちらかというと悲観的な見通しを語ることの多い方です。
本書は、1987年の大暴落へと至った歴史の流れを事実をそれにさかのぼる40年にわたって書き記したもの。著者によると、「私がこの本を執筆したのは、経済、金融市場、ブームとバスト、投資家の心理、正しい判断を下したときの報酬、判断を誤った時の苦痛などについて書きたいと思った」(203頁)といいます。
目次は以下のとおりです。
第1章 はじめに
第2章 株式相場の大底放れ
第3章 ニフティフィフティの時代
第4章 弱気相場ー希望のスロープを滑り落ちる
第5章 強気相場ー懸念の壁をよじ登る
第6章 景気循環ー経済の不思議なサイクル
第7章 狂乱インフレと商品ブーム
第8章 ディスインフレと金融資産ブーム
第9章 カジノ社会
第10章 ブラックマンデー
第11章 将来の見通し
本書を読んで筆者が覚えておくべきと思った点は、
✔ (1929年の暴落について説明する文脈で)株式相場の暴落は、アメリカの政治・経済に対する信認がきわめて高かった時期に到来した。 (85頁)
✔ 1929年の株式が割高であったかどうかを明らかにしておきたい。当時、米国株はそうれほど割高ではなかった。(91頁)
✔ 市況商品が1817年、1871年、1925年、1979年と54年ごとにピークをつけていることは注目される。(この周期でいくと次のピークは2033年)(102頁)
✔ 通常、株式市場が天井を打った直後に銅相場が急騰する。(106頁) ☚現在(2017年9月)の状況を考えると興味深い。
✔ 相場が天井に近いときに新規公開件数が増える点は興味深い。(141頁)
✔ 株式公開件数が最高になったセクターは、その後パフォーマンスが最悪となる。(142頁)
✔ 全くの新技術への投資で利益をあげられることはめったにない。商業化に時間がかかることが多く、また、すぐに競争が激化してしまうからだ。しかし、新技術の恩恵を受ける企業に投資すれば、高い収益が得られる。(143頁)
✔ ある業界の給与水準が他のどのセクターよりもずば抜けて高い場合、その業界は必ず景気の山に近づいている。(181頁)
✔ 市場は将来を織り込んでいくものであり、そのために信頼性の高い予測ツールになりうることを強調した。しかし、市場は大きな転換点の直前には、間違ったシグナルを出すことが多い。1929年10月29日の大暴落の前には、米国株は力強く上昇し、景気は減速せず拡大に向かうことを示した。(204頁)
なお、「ヨーロッパが解放されたソ連と米国のどちら側に接近するかは定かではないが、経済的にはソ連側についた方がより多くのメリットを享受できると思う。」(219頁)等々、ヘンな記述も散見されますが、それらを現在の知識でもって断罪することはしません。読者がお読みになって為になる部分のみを吸収すればよいのだと思います。
以上
