盲目の時計職人 著者は、「利己的な遺伝子」で日本でもお馴染みのリチャード・ドーキンス氏。本書のテーマは、進化は偶然によるものか、否か。生物の設計にはデザイナーがいたのか、「盲目の時計職人」すなわち偶然の積み重ねがつくり出したものなのかを論じる。
ダーウィン進化論には今なお、疑問を唱える学者が少なくない。生物が持つ形態や様々な機能があまりにも複雑で精緻であるため、進化が「偶然」の積み重なりだとの説明に納得しにくいからだ。例えば、1つの器官が進化していく場合、それに呼応して周りの器官が同時に進化しなければ、新しい機能は獲得できない。目のような複雑な器官が、本当に自然淘汰の積み重ねでできるのか ――。
進化があらかじめ決まった方向に進んだとの考え方は一般人にはむしろ分かりやすいが、著者はこのような説に、ていねいに反論する。
(日経バイオビジネス 2004/09/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
ベストセラー『利己的な遺伝子』で、生物学ばかりか世界の思想界を震撼させたリチャード・ドーキンス。その彼が、いまだに批判・攻撃を受けるダーウィン理論のいくつかの面をとりあげ、異論のひとつひとつを徹底的に論破していく。本書は鮮烈なまでに見事なダーウィン主義の本であり、自然淘汰による進化が、われわれにとって最大の謎に答えるに十分なほど強力な理論であることを明らかにするだろう。その謎とはこうである―「われわれ自身が存在しているのはなぜか?」。
内容(「MARC」データベースより)
「利己的な遺伝子」の著者が、自然淘汰の真の威力を蠱惑的な論理で語る。進化論への数々の異論を追究して各個撃破し、進化論の可能性に極限まで迫る。93年刊「ブラインド・ウォッチメイカー」の改題・新装版。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ドーキンス,リチャード
1941年、ナイロビ生まれ。オックスフォード大学にてノーベル賞学者ニコ・ティンバーゲンのもとで学ぶ。その後、カリフォルニア大学バークレー校を経てオックスフォード大学レクチャラー。動物行動研究グループのリーダーの一人として活躍。オックスフォード大学に設置された“科学的精神普及のための寄付講座”の初代教授であり、王立協会会員。故スティーヴン・ジェイ・グールドと並ぶ、目下欧米で最も人気の高い生物学者であり、『利己的な遺伝子』は世界中でベストセラーになった
日高/敏隆
1930年生。東京大学理学部卒業。京都大学名誉教授。現在、総合地球環境学研究所所長
中嶋/康裕
1953年生。京都大学理学部卒業。現在、日本大学経済学部教授
遠藤/彰
1947年生。名古屋大学理学部卒業。現在、立命館大学理工学部教授
遠藤/知二
1956年生。北海道大学農学部卒業。現在、神戸女学院大学人間科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)