目撃証言の信頼性に疑義を投げる心理学の知見(たとえば記憶の性質や誘導尋問への弱さなど)は、事実上、本書の著者ロフタスによって切り開かれた分野といっても過言ではない。
著者は、後に記憶回復運動や、ホロコースト修正論のちょっとした弁護、偽記憶の問題へ投げ出され、この分野で活躍していくことになるのだが、その原点が本書なのである。
科学の一つの道を切り開いた、まさにその瞬間を堪能できる一冊という意味で、またその価値も殆ど色あせていないという意味で、本書は大変に素晴らしい。
というか、そんな褒めたりしなくとも、何がイイかというと、これは本としても面白いのだ。知的好奇心を刺激する。本書は非常に良い本なので、私は復刊運動にエントリーしていたが、いつのまにか普通に復刊されていたようで、手に入り易くなったのもの嬉しい限り。
2007年現在で、最重要文献とは言わないが、やはり抑えておきたい一冊だ。
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