十七年間本だけを頼りに生きてきた薄幸の美青年、偲と、香港マフィアのボス、ライルのお話。
とある大物に頼まれて偲を暗殺に来たライルだが、一目で強烈に惹かれてしまい、逃げる偲につい乱暴し、そのまま香港に連れ帰ってしまう。そんなライルに当然偲は怯え心を閉ざし、殺されると聞いてつい逃げだしてしまう。だが連れ戻され手酷く抱かれるも、ライルの『絶対に殺さない』という言葉と瞳に真剣さを感じ、少しずつ信じようとする。
家庭の事情から誰にも顧みられず、劣悪な環境に押し込められ、しかし本人がそれに気付いていないという受けの設定自体はよくある感じですが、書庫に押し込められ、布団も使えず、シャンプーもろくにできず、インスタントや保存食ばかり食べていた偲がライルが一目惚れするほどの美少年に育つというのはちょっと微妙だったかも。普通なら肌も髪もボロボロになる環境ですよね。あとは他の方もレビューされてた通り、本で読んだだけで広東語をヒアリングして発声できるっていうのも無理があるんじゃないかな~?
でも知識しかないせいで「これが本物の○○?」と緊急事態なのにそっちを気にしちゃったりするところは可愛かったです。
ストーリーも王道ですが、偲が殺されかけた原因とその末路とか、偲の優しさが回りまわって救いとなって返る展開とかはストレートに好きでした。
挿絵も女性にも見える中性的な偲のビジュアルなどイメージ通りで素敵でしたね。個人的にはけっこう楽しめました。
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