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盗賊 (新潮文庫) 文庫 – 1954/5/4

5つ星のうち4.3 24個の評価

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子爵家の一人息子藤村明秀は母の旧友の娘に恋をするが、したたかな相手に翻弄されるだけで終る。やがて、傷心のあまり死を決意した彼の前に、男爵家の令嬢山内清子が現われる。彼女もまた恋に破れ、自殺を考えていた。二人は互いの胸の中の幻影を育てあうという〈共謀〉を始める……。死の想いによって引き寄せられた一組の男女を中心にくり広げられる精緻微妙な愛のアラベスク。
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【新潮文庫】三島由紀夫 作品 女を愛することのできない青年が、幼年時代からの自己の宿命を凝視しつつ述べる告白体小説。三島文学の出発点をなす代表的名作。 十六歳の時の処女作「花ざかりの森」以来、巧みな手法と完成されたスタイルを駆使して、確固たる世界を築いてきた著者の自選短編集。 郊外の隔絶された屋敷に舅と同居する未亡人悦子。夜ごと舅の愛撫を受けながらも、園丁の若い男に惹かれる彼女が求める幸福とは? 死ぬべき理由もないのに、自分たちの結婚式当夜に心中した一組の男女──精緻微妙な心理のアラベスクが描き出された最初の長編。 女を愛することの出来ない同性愛者の美青年を操ることによって、かつて自分を拒んだ女たちに復讐を試みる老作家の悲惨な最期。 名門の令嬢である鏡子の家に集まってくる四人の青年たちが描く生の軌跡を、朝鮮戦争直後の頹廃した時代相のなかに浮彫りにする。
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明るい太陽と磯の香りに満ちた小島を舞台に海神の恩寵あつい若くたくましい漁夫と、美しい乙女が奏でる清純で官能的な恋の牧歌。〈新潮社文学賞受賞〉 吃音の悩み、身も心も奪われた金閣の美しさ──昭和 2 年 5 の金閣寺焼失に材をとり、放火犯である若い学僧の破滅に至る過程を抉る。〈読売文学賞受賞〉 優雅なヒロイン倉越夫人にとって、姦通とは異邦の珍しい宝石のようなものだったが……。魂は無垢で、聖女のごとき人妻の背徳の世界。 家柄の違いを乗り越えてようやく婚約にこぎつけた若い男女。一年以上に及ぶ永すぎた婚約期間中に起る二人の危機を洒脱な筆で描く。 鉄や石ばかりを相手に成長した城所昇は、女にも即物的関心しかない。既成の愛を信じない人間に、人工の愛の創造を試みた長編小説。 放心の微笑をたたえて妻と青年の情事を見つめる夫。死によって愛の共同体を作り上げるためにその夫を殺す青年──愛と死の相姦劇。
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自分たちは他の天体から飛来した宇宙人であるという意識に目覚めた一家を中心に、核時代の人類滅亡の不安をみごとに捉えた異色作。 早くから謡曲に親しんできた著者が、古典文学の永遠の主題を、能楽の自由な空間と時間の中に”近代能”として作品化した名編 8 品。 船乗り竜二の㞖しい肉体と精神は登の憧れだった。だが母との愛が竜二を平凡な男に変えた。早熟な少年の眼で日常生活の醜悪を描く。 政治と恋愛の葛藤を描いてプライバシー裁判でかずかずの論議を呼びながら、その芸術的価値を海外でのみ正しく評価されていた長編。 愛する男との性交渉にオルガスムス=音楽をきくことのできぬ美貌の女性の過去を探る精神分析医──人間心理の奥底を突く長編小説。 伊豆の海岸で、一瞬に義妹と二児を失った母親の内に萌した感情をめぐって、宿命の苛酷さを描き出した表題作など自選による 11 編。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (1954/5/4)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1954/5/4
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 224ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 410105004X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101050041
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち4.3 24個の評価

著者について

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三島 由紀夫
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(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威。

1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。

主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

カスタマーレビュー

星5つ中4.3つ
24グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2018年2月11日に日本でレビュー済み
    この作品は余り取りあげられないが、私個人は非常に好きな作品であり、三島美学のエッセンスが詰まっています。
    仮面の告白より先に書かれた、初の長編小説である。
    三島美学の大本は死であるのは、異論はないと思われる。最終目標の死に至るまでの織り成す技巧をしては、絢爛豪華な華族社会で繰り広げられるが、有閑階級のため、かえって恋愛模様を純化できる舞台設定で、作中の第一章 物語の発端 で、オスカー・ワイルドの箴言で、三島(から)も示唆を受けています。文体の原型ほぼ固まっており、私見ですが法律書や評論文など、ファーマルなスタイルに、小説を割り合わせ、合成されたような三島の文体は、私にはかなり理想的な文体で賞翫しています。三島は法学部出身で、民事訴訟法の文章の体栽が良いと、冗談か本気か定かでない発言もある。小説の文体感は、ドルジェル伯の舞踏会、という作品の訳者、堀口大学にハマっていたと告げている。ラディゲ熱が冷めた後に、理知的な森鴎外を模倣したのは知られています。
    この作中の主人公の青年とヒロインの女性の最期は、三島流の秘術です。つまり、絶対を窺う瞬間、行動と思索、肉体と精神、神聖と卑猥、など二分法が一つに合致する、その一瞬への秘術だ。
    後は付け加えると、その秘術の衣裳には秘密と神秘も大いに含まれています。

    三島文学全体の印象としては、人工的な文体や世界観、美学、哲学、過剰な観念性で、直接的な性描写は少ないが、エロスの表し方も独特で激しいため、好き嫌いははっきり分かれると思います。評者としては、大々的に勧めるが――!
    3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2024年12月1日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    昔の文学作品が読みたいと思い、三島ファンなので本作を購入。全体を通して、ストーリーを楽しむと言うよりも、地の文を楽しむといった作品かなと思い、作品としての面白さは「青の時代」と同じぐらいだと思った。ストーリー自体は正直言って平凡に感じて、他の作家が書いたら、退屈極まりないような作品になってしまいそうだが、三島は「どうやって生きていれば、こんな文章が書けるの?」と言いたくなるような、尋常じゃない思考の強度に裏打ちされた、誰かの借り物でない、作者自身の独自表現をたっぷりと書いてくれるので、本作も楽しむことができた。自分だったら、たとえ1万年生きたとしても到達できないような思考の境地に達しているので、三島由紀夫への憧れの気持ちが高まるとともに、自分の不甲斐なさに思い至って意気消沈するほどだった。嫌らしい言い方をすると、文学作品を読むのはどこかで作者と知恵比べをしているような側面もあるかと思うが、三島由紀夫と大江健三郎は、到底その足元にすらたどりつけない、二大巨人だと思う。大江健三郎を感性の超人とするなら、三島由紀夫は人文系論理超人と言ったところかな、と思う。本作も、様々な登場人物が織りなす、尋常ではなく深遠な思いが述べられた文章がたっぷり含まれているので、三島ファンはもちろん、文学好きにも結構おすすめ。
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2007年6月27日に日本でレビュー済み
    死を決心したときに、初めて生を実感できるという作者の考えは『葉隠入門』で書き表されているが、本書はその思想が根本としてある。生きるものはすべて死に向かっているが、我々は普段それを意識せずに生活する。と言うより、生活そのものが死に向かっていることを隠す。そのため、我々は生きているだけでは生を実感できない。恋に破れた明秀と清子は死を直視したとき、こうしてぬくぬくと生きながら死を待たなければならないという苦しさを感じたに違いない。もっとも、両者がどのような思考の経路を辿って死の決心に行き着いたかは異なるかもしれない。本書で詳しく描かれているのは明秀についてのそれのみだからである。

    一方、話が進行していく中で、明秀に対する藤村子爵・夫人の位置関係が変化していくことが、本書を重層的にしていると思われる。夫人に対して持つ子爵の疑惑は、明秀の描いた失恋の疑惑と異なっているようで実は同じ感情機構のように見える。なぜなら子爵も明秀と同様に、自分の感情を秘密にしていると考えられるからだ。

    作者の若い頃に書かれた作品だけにアフォリズムが目立っている。そのため少しうるさく感じてしまう部分もあるが、繊細な内面描写と、最後の一文のために計算し尽くされた構成の巧みさはその頃から健在であり、作品を奥深いものとしている。
    10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2015年10月1日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    読みやすい文体です。ただ、題材に共感を覚えられず、戸惑いました。もちろんこれは小説なのですが、あまりに非現実的すぎて、ついてゆけなかった。
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2024年3月14日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    中盤までは若書きの逆説ばかりで鼻白む、恥ずかしくなるところも多いが、終盤(新倉と子爵の会談のちょっと前あたりから)から急に断然よくなってくる。さすが三島という感じになってくる。
  • 2006年5月30日に日本でレビュー済み
     私が三島由紀夫にはまったきっかけの本。とある雑誌で、女性パンクロッカーが、好きな本ということで紹介していて興味を持った。

     

     内容はつまらない心中ものであるが、その表現の言葉の豊富さに圧倒された。そしてこの小説は最後が素晴らしい。この最後を読みたいがために私は何度もこの本を手に取った。まさに、終わりよければすべてよし、だ。

     前半の美しいが退屈な文章に耐えたあとに最後の一文を読むと恍惚としてしまう、そんな小説である。
    6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2023年10月9日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    最後の部分がなるほど。しかし、20歳ぐらいでこれを書いていることに驚き。
  • 2003年6月12日に日本でレビュー済み
    私は、三島の小説の中で何が一等好きかと問われれば、この『盗賊』を挙げるかも知れない。人間心理の裏の裏までを描出しているのにも拘らず、格調高き文体によって完璧な技巧的世界を作り出し、その中で外見上は坦々と、然し内面的には轟々と、主人公が生き、そして死に至る様を描く……その手法はエレガントとしか言いようがなく、流石、鬼才、三島という感じを受けた。
    18人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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