舞台となったお国柄のせいか、先生が以前に書かれた「微睡む夜明けの秘めごと」(他社刊行)に少し雰囲気が似ていましたね。
熱烈な恋に落ちた2人が(イリヤの裏切りで)別れなければならなくなったあの日から、7年後に2人が再会し・・・。
忘れようにも忘れられなかった2人の思いの行きつく先は?・・・
排他的で、共産主義で、自由がない「ソビエト」時代に生まれたイリヤが、理由があってスパイにならざるを得なかった境遇。
ビッチの様にスパイ行為を強いられてきたイリヤが、たとえどんなに体は汚れても、心だけはただ一人海翔に捧げ、必死で彼を護ろうとする姿が、なんだか神を崇める信者のごとく、宗教的な美しさがありましたね。
又、イリヤの裏切りや、その後の7年間にさせられた仕事に多くの人生の酸い所を知ったはずなのに、心根までは汚れきれない海翔の精神の美しさ、そして優しさも良かったです。
互いに秘密の任務や思惑もあり、恋に関しては混乱を極めますが、イリヤと海翔の恋への一途さは大好きです。
ただ、(任務とはいえ)ビッチが好きじゃない方には評価が下がるかもしれませんね。
ロシアを舞台にしたシリアスでスリルな再会愛、スパイと外交官の恋に興味のある方は、是非・・・。
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