この本のモデルの立石美津子です。
親は健常者です。そうなると我が子であっても自閉症の人の感じ方、考え方はなかなか理解できません。つい「友達がいないと可哀そうだ」「集団行動とれないとよくない」と思ってしまいます。
あるとき、この写真を自身がアスペルガー症候群の母親に見せたら「この子ども達、なんで同じ服着ているの?息子さんのように後ろで本読んでいた方が楽しいのにね」と言うのです。同じ特性を持つママだったので、その世界を理解できたのだ思います。
幼い頃は親の力は子どもより強いです。反論することのできない子どもは親が「こうすべきだ!」と押し付けたものにパニック、自傷をしながらも従わざるを得ません。そのストレスが将来二次障害という形で親子を苦しめることになります。
二次障害により「子どもを逮捕してほしい」と警察に願う親、自殺してしまった子どもなど実際に見聞きしました。
明るい未来は「将来のために療育をして健常者に近づける」ことではなく「この世は安全、安心なところである」ことを体験させること、その環境を整えてやることが親の役割だと思います。「こうであるべき」というゆがんだ療育は将来の二次障害を生みます。このことは健常児の子育てにも通じるところがあります。
シュウマイしか食べない子には毎日シュウマイばかり出してやる、「この服しか着ない」とこだわっている子には同じ服を何着もサイズ別に用意してやるなどです。安心を得られた子は様々な変化にも対応できるようになることを実感しました。
どうぞお子さんに無理をさせないでください。
小学校選びについても知的遅れはある程度あるのに通常級に行くことを「他の子から刺激を受けて伸びる。我が子を普通の学校に通わせたい」と望む親御さんも多くおられます。
でも、その子に合わせて特別な配慮をしてくれるのが特別支援教育です。わからない授業でもずっと座って聞いていなくてはならない苦悩を考えてあげてください。
「普通の子から隔離された」と考えるのではなく「我が子にあった教育をしてくれる場」と考えてほしいと思います。親の望みではなく、子どもの居場所としての幸せを考えて…。様々な選択肢があり親御さんにも価値観の違いがあると思いますが、私は前記のように考えています。
松永先生が私達親子について書いて下さいました。本当にありがとうございました。
人は知らないこと、未知なことには不安を抱きます。正しい情報収集することで「今、親として何をすべきか」ということが見えてきて不安が消えていきます。
私もそうでしたが、おそらくお子さんが発達障害であると診断されたり、その疑いがある場合、心はかき乱され、漠然としたこれからの行く末について悩むでしょう。
本書を参考にして頂けたら幸いです。
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