しかしあまりに内容がお粗末で愕然。
レビューを書かずにはいられませんでした。
まず、「転生したら(厳密には若返りの上で転移)のんびり農業をやりたい」
これが主人公の望みなわけですが、正直、主人公(=作者)は農業なめてんのかと。
というか作者は資料を読んで勉強したり植物じたい育てた事があるのかすら怪しい。
自分も趣味で園芸をしていますが、植物を育てるには土作り、病害虫の予防や剪定、
日々の水やり等、きちんとお世話をしてあげて、それでも自然が相手の事なので失敗する事も
珍しくありません。だからこそ綺麗な花や実をつけてくれた時の嬉しさは
ひとしおで、それらすべてひっくるめてが園芸の醍醐味だと思うのですが、
■万能農具とやらでそこらの土を耕せば肥えた畑になる(小石や木の根も自動で破砕)
■その際に念じれば植えたい作物が種蒔きなしで勝手に生えてくる
■成長度合いに差が出るものの、水やりなしでもその作物は枯れずに育つ
■仲間モンスターが害虫や害獣を駆除してくれる
そういう手間のかかる事は全部勝手にやってくれます。失敗もしませんし、
その上、凄く高品質の作物が出来ます。…これ、主人公が育てたって言えるのでしょうか。
主人公からは先人の知恵や自然に対する敬意のようなものを感じないし、
そもそもこんな舐めプ園芸もどきをやってて本当に楽しいのでしょうか。
店で野菜を買うのとどう違うのかと言いたい。
主人公はやたらと万能農具便利~とか言って有頂天ですが便利と安易は違うと某魔物食漫画でも言っています。
なろう系だと戦国小町なんかはそのへんきちんとしてましたね…。
ゲームだと、ルーンファクトリーが何故ヒットしたのか作者は良く考えてみて欲しい。
あと細かい事ですが飛竜を倒す際に何故「万能農具」を
あえて槍という農具と言い張るには苦しいものに変化させたのか疑問。
そこはピッチフォークやシャベル、フレイル、大鎌、鉈 など、(貫通力が必要だったらしいから前2者?)
幾らでも矛盾せず変化させられる農具があるだろうに。やはり作者の知識不足か?
まあそこらを重視してないにしても(このタイトルでそれもどうかと思いますが)
情景や登場人物の描写に乏しく、読んでいてその場所の風景が全く頭に浮かんできません。
森の描写ひとつ取っても、「硬い木」とか…針葉樹なの?広葉樹なの?
密林なの?光が差すとか言ってるから雑木林くらい?
登場人物に至ってはどんな服装をしているかなどは挿絵がなければ分からないレベル。
挙句の果てには仲間モンスターに襲われていたヒロインを手籠めにするなど、
マッチポンプというかマッチレ〇プというか…。
その上で「俺たちは家族だ」とか、どこのファミパンおじさんですか?
しかも自分が病気で痛い思いをして苦しんだ経験があるくせに、傷だらけの
女の子を前にして仲間モンスターを慌てて制止するでもなく冷静に観察したりで
正直このあたりで主人公に全く好感が持てなくなりました。いわゆる善人クズかサイコパスです。
たぶんこれ、エ〇ゲと同じ手法で書かれているからこうなったんだと思います。
多少の描写不足や不自然に行為に及ぶように持っていったりの強引な展開などは
イラストや音楽、主人公=プレイヤー、「エ〇ゲだからという前提」ありきで成り立ってたのを
テキスト部分だけ「そのまんま」小説という形式に落とし込んだものだからこういうことになったのではと。
一応プロで長年やってきてるのに、新人ラノベ作家よりアレなのはどうかと思います。
良いのはイラストと装丁くらい。何でこれ高評価なの?
所属メーカー解散直前はゲームも酷いものを乱発していましたが
この作品を見るにつけスタッフ一同、とうの昔に情熱を失っていたのではと勘ぐってしまいます。
少なくともこの作品の出来を見るに再起はないだろうなと思わされるのが
巣ドラを楽しくプレイさせて頂いた身からすれば悲しい限りです。
長文失礼しました。
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