浜口雄幸の生き方が好きで、この本は読まなければならないとずっと思っていた。撃たれて、男子の本懐と言った浜口は日本政治史上最も覚悟を持った総理であり、本小説は今の政治家の皆さんにも是非ご一読していただきたいものだ。
他方、もう一人の主人公井上は、口数の多い、いけ好かない秀才タイプの銀行家との認識であったが、著者は見事に私の認識を裏切ってくれた。もちろんそういう部分はあるものの、米国への左遷の時期、孤独に苛まれながら妻への慕情を毎日手紙にしたためたり、浜口に惚れ込むや、二人で金解禁を必ず実現するという強い意志を示し、どんなに厳しい局面でも敢えて前面に立ち浜口を守るのだ。浜口が亡くなった時、浜口宅で号泣する井上に涙を禁じえなかった。これほど井上が人情家であるとは…。もっと井上を知りたいと思った。
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男子の本懐(新潮文庫) Kindle版
価格 | 新品 | 中古品 |
もとより男子として本懐である――。
浜口の静、井上の動、昭和初期、〈金解禁〉に命を賭けた2人の政治家。
城山文学の頂点を示す、政治・経済小説の傑作。
緊縮財政と行政整理による〈金解禁〉。それは近代日本の歴史のなかでもっとも鮮明な経済政策といわれている。第一次世界大戦後の慢性的不況を脱するために、多くの困難を克服して、昭和五年一月に断行された金解禁を遂行した浜口雄幸と井上準之助。
性格も境遇も正反対の二人の男が、いかにして一つの政策に生命を賭けたか、人間の生きがいとは何かを静かに問いかけた長編経済小説。
本書「解説」より
親任式の夜、浜口は「すでに決死だから、途中、何事か起こって中道で斃れるようなことがあっても、もとより男子として本懐である」と妻子に告げる。同じころ、井上も妻の千代子に「自分にもしものことがあったとき、後に残ったおまえが、まごつくようでは、みっともない」と土地、預金など財産目録を書き出し、関係書類を手渡す。二人には、すでに悲劇への予兆があったのだろう。それと知りつつ、彼らは自身の宿命に殉じたのだった。
――赤松大麓(毎日新聞論説委員長)
城山三郎(1927-2007)
名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。一橋大学を卒業後、愛知学芸大に奉職し、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』で文学界新人賞を、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受賞し、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞を受賞した『落日燃ゆ』の他、『男子の本懐』『官僚たちの夏』『秀吉と武吉』『もう、きみには頼まない』『指揮官たちの特攻』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。2002(平成14)年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞。
浜口の静、井上の動、昭和初期、〈金解禁〉に命を賭けた2人の政治家。
城山文学の頂点を示す、政治・経済小説の傑作。
緊縮財政と行政整理による〈金解禁〉。それは近代日本の歴史のなかでもっとも鮮明な経済政策といわれている。第一次世界大戦後の慢性的不況を脱するために、多くの困難を克服して、昭和五年一月に断行された金解禁を遂行した浜口雄幸と井上準之助。
性格も境遇も正反対の二人の男が、いかにして一つの政策に生命を賭けたか、人間の生きがいとは何かを静かに問いかけた長編経済小説。
本書「解説」より
親任式の夜、浜口は「すでに決死だから、途中、何事か起こって中道で斃れるようなことがあっても、もとより男子として本懐である」と妻子に告げる。同じころ、井上も妻の千代子に「自分にもしものことがあったとき、後に残ったおまえが、まごつくようでは、みっともない」と土地、預金など財産目録を書き出し、関係書類を手渡す。二人には、すでに悲劇への予兆があったのだろう。それと知りつつ、彼らは自身の宿命に殉じたのだった。
――赤松大麓(毎日新聞論説委員長)
城山三郎(1927-2007)
名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。一橋大学を卒業後、愛知学芸大に奉職し、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』で文学界新人賞を、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受賞し、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞を受賞した『落日燃ゆ』の他、『男子の本懐』『官僚たちの夏』『秀吉と武吉』『もう、きみには頼まない』『指揮官たちの特攻』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。2002(平成14)年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞。
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1983/11/25
- ファイルサイズ499 KB
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
途中、何事か起こって中道で斃れるようなことがあっても、もとより男子として本懐である―。第一次世界大戦後の慢性的不況を脱するために、首相・浜口雄幸と蔵相・井上準之助は金解禁を断行した。性格も境遇も正反対の二人の男を軸に人間の生きがいとは何かを静かに問いかける、城山文学の真骨頂。歴史の教訓によって現代を照らし出す新装版。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
内容(「MARC」データベースより)
金解禁を断行した浜口雄幸と井上準之助を軸に、人間の生きがいを静かに問いかける。1980年刊「城山三郎全集」第1巻に収載され、83年に新潮文庫版として刊行された作品を単行本にした新装版。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
出版社より
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総会屋錦城 | 役員室午後三時 | 雄気堂々〔上〕 | 雄気堂々〔下〕 | 毎日が日曜日 | 官僚たちの夏 | |
【新潮文庫】城山三郎 作品 | 直木賞受賞の表題作は、総会屋の老練なボス錦城の姿を描いて株主総会のからくりを明かす異色作。他に本格的な社会小説6編を収録。 | 日本繊維業界の名門華王紡に君臨するワンマン社長が地位を追われた──企業に生きる人間の非情な闘いと経済のメカニズムを描く。 | 一農夫の出身でありながら、近代日本最大の経済人となった渋沢栄一のダイナミックな人間形成のドラマを、維新の激動の中に描く。 | 日本経済の牽引車か、諸悪の根源か総合商社の巨大な組織とダイナミックな機能・日本的体質を、商社マンの人生を描いて追究。 | 国家の経済政策を決定する高級官僚たち──通産省を舞台に、政策や人事をめぐる政府・財界そして官僚内部のドラマを捉えた意欲作。 |
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黄金の日日 | 男子の本懐 | 硫黄島に死す | 冬の派閥 | 落日燃ゆ | 打たれ強く生きる | |
豊かな財力で時の権力者・織田信長、豊臣秀吉と対峙する堺。小僧から身を起こしルソンで財をなした豪商の生き様を描く歴史長編。 | 〈金解禁〉を遂行した浜口雄幸と井上準之助。性格も境遇も正反対の二人の男が、いかにして一つの政策に生命をṌしたかを描く長編。 | 〈硫黄島玉砕〉の四日後、ロサンゼルス・オリンピック馬術優勝の西中佐はなお戦い続けていた。文藝春秋読者賞受賞の表題作など7編。 | 幕末尾張藩の勤王・佐幕の対立が生み出した血の粛清劇〈青松葉事件〉をとおし、転換期における指導者のありかたを問う歴史長編。 | 戦争防止に努めながら、A級戦犯として処刑された只一人の文官、元総理広田弘毅の生涯を、激動の昭和史と重ねつつ克明にたどる。〈毎日出版文化賞・吉川英治文学賞受賞〉 | 常にパーフェクトを求め他人を押しのけることで人生の真の強者となりうるのか?著者が日々接した事柄をもとに静かに語りかける。 |
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秀吉と武吉―目を上げれば海― | わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯― | 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく― | 静かに健やかに遠くまで | 部長の大晩年 | 無所属の時間で生きる | |
瀬戸内海の海賊総大将・村上武吉は、豊臣秀吉の天下統一から己れの集団を守るためいかに戦ったか。転換期の指導者像を問う長編。 | 社会から得た財はすべて社会に返す──ひるむことを知らず夢を見続けた信念の企業家の、人間形成の跡をḷり反抗の生涯を描いた雄編。 | 神風特攻隊の第一号に選ばれた関行男大尉、玉音放送後に沖縄へ出撃した中津留達雄大尉。二人の同期生を軸に描いた戦争の哀切。 | 城山作品には、心に染みる会話や考えさせる文章が数多くある。多忙なビジネスマンにこそ読んでほしい、滋味あふれる言葉を集大成。 | 部長になり会社員として一応の出世はした。だが、異端の俳人・永田耕衣の本当の人生は、定年から始まった。元気の出る人物評伝。 | どこにも関係のない、どこにも属さない一人の人間として過ごす。そんな時間の大切さを厳しい批評眼と暖かい人生観で綴った随筆集。 |
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そうか、もう君はいないのか | 少しだけ、無理をして、生きる | よみがえる力は、どこに | |
作家が最後に書き遺していたもの──それは、亡き妻との夫婦の絆の物語だった。若き日の出会いからその別れまで、感涙の回想手記。 | 著者が魅了され、小説の題材にもなった人々の生き様から浮かび上がる、真の人間の魅力、そしてリーダーとは。生前の貴重な講演録。 | 「負けない人間」の姿を語り、人がよみがえる力を語る。困難な時代を生きてきた著者が語る「人生の真実」とは。感銘の講演録他。 |
登録情報
- ASIN : B00BIXNKRI
- 出版社 : 新潮社 (1983/11/25)
- 発売日 : 1983/11/25
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 499 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 382ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 175,734位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1927-2007)名古屋生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎えた。一橋大学卒業後、愛知学芸大学に奉職、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』により文学界新人賞、1959年『総会屋錦城』で直木賞を受け、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞受賞の『落日燃ゆ』の他、『男子の本懐』『黄金の日日』『役員室午後三時』『毎日が日曜日』『官僚たちの夏』『もう、きみには頼まない』『硫黄島に死す』『指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。1996(平成8)年、菊池寛賞を、2002(平成14)年、朝日賞を受賞。2007年3月22日没。享年79。没後発見された愛妻への遺稿『そうか、もう君はいないのか』と、愛妻が倒れる前年から最晩年まで自らを励ますかのように綴られた手帳の記述をまとめた『どうせ、あちらへは手ぶらで行く』は世代を超えたベストセラーとなった。
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