夫の通勤バックから数十枚の女性用パンティーが出てきました。
問いただすと、二年間、会社帰りに怪しげなお店に寄って買って帰っていたと。
仕事上で大きなストレスを抱えており、そうでもしないと会社で首を吊っていただろうとも言いました。
私は夫がただのフェチと思えず、何とか夫を理解したいと思い色々調べていると、この本のレビューに性依存症を自認するかたが「電車に飛び込みそうになる」と書いておられるのを見つけ、夫と共通するところがあったので購入してみました。
女性マラソン選手が万引きで捕まり、依存症だったとの会見を開きましたが、痴漢も根は同じです。夫の場合は仕事の不安から逃れる術としての依存であったわけです。
夫にも「認知の歪み」があり、「男は誰でも秘密を持っている」と言い訳しました。
痴漢の被害者のことはここでは置いておきますが、加害者にも医療的な救いの手が必要と痛感します。
ただ、夫の場合はサイクリングでストレス発散したり、ロックを聴くのをやめクラッシックにしたりなど工夫して、一年半前に自力でやめることができたので、病気扱いしないで欲しいようでした。
代わりに私が精神科医に相談すると、男性というものは心の内を他人に打ち明けることが苦手で、特に沽券にかかわる事は絶対に言わないそうです。
となると、医療の手を差し伸べられるのは警察沙汰になってから、しかないのでしょうか?
悪い事をしている認識は絶対にあるけど、自分ではどうにもコントロールできない それが依存症の怖さだとつくづく感じます。
また、痴漢の配偶者の苦しみにも言及していますが、ショックから立ち直るには3年はかかるようです。辛いのは私ひとりじゃないと言い聞かせて、なんとか日常生活を頑張っているところです。
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男が痴漢になる理由 単行本(ソフトカバー) – 2017/8/18
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痴漢は、依存症です。
痴漢の多くは、勃起していない。
痴漢の多くは、よき家庭人である。
加害者を見つめ続ける性犯罪・依存症の専門家が、社会で大きく誤解されている「痴漢の実態」を解明し、その撲滅を目指す!
これらの“痴漢像"、すべて誤解です!
・痴漢は女性に相手にされない、さみしい男である。
・性欲をコントロールできないから、痴漢に走る。
・肌を露出した女性は、痴漢に狙われやすい。
・電車内に防犯カメラを搭載すれば、痴漢は減る。
・痴漢よりも、冤罪事件が問題だ。
……など。
第1章 四大卒、会社員、妻子あり 痴漢はどういう人間か
第2章 多くの痴漢は勃起していない 加害行為に及ぶ動機
第3章 「女性も喜んでいると思った」 共通する認知の歪み
第4章 やめたくても、やめられない 亢進される加害行為
第5章 反省も贖罪もない加害者たち 断トツに高い再犯率
第6章 痴漢しない自分に変わる方法 再犯防止治療の現実
第7章 離婚しない妻、自分を責める母 加害者家族への支援
第8章 「STOP! 痴漢」は可能なのか 痴漢大国からの脱却
【書評・メディア掲載情報】(2017年掲載)
●弁護士ドットコム(8/17)
●ダ・ヴィンチニュース(8/18)
●日刊ゲンダイ(8/18)
●プレジデントONLINE(8/18)
●週刊SPA!(8/29)
●現代ビジネス(9/8)
●サンデー毎日(9/12)
●サイゾーウーマン(9/15)
●WAN(9/17)
●HONZ(9/20)
●ダイヤモンド・オンライン(9/29)
●週刊女性(10/17)
●ハフィントンポスト(10/19)
●週プレNEWS(10/21)
●東洋経済ONLINE(10/24)
●毎日新聞(10/29)
●東京新聞(10/29)
●ダイヤモンドONLINE(10/30)
●BLOGOS(10/30)
●AERA(11/6)
●ホウドウキョク(11/8)
●図書新聞(11/9)
●中日新聞(11/9)
痴漢の多くは、勃起していない。
痴漢の多くは、よき家庭人である。
加害者を見つめ続ける性犯罪・依存症の専門家が、社会で大きく誤解されている「痴漢の実態」を解明し、その撲滅を目指す!
これらの“痴漢像"、すべて誤解です!
・痴漢は女性に相手にされない、さみしい男である。
・性欲をコントロールできないから、痴漢に走る。
・肌を露出した女性は、痴漢に狙われやすい。
・電車内に防犯カメラを搭載すれば、痴漢は減る。
・痴漢よりも、冤罪事件が問題だ。
……など。
第1章 四大卒、会社員、妻子あり 痴漢はどういう人間か
第2章 多くの痴漢は勃起していない 加害行為に及ぶ動機
第3章 「女性も喜んでいると思った」 共通する認知の歪み
第4章 やめたくても、やめられない 亢進される加害行為
第5章 反省も贖罪もない加害者たち 断トツに高い再犯率
第6章 痴漢しない自分に変わる方法 再犯防止治療の現実
第7章 離婚しない妻、自分を責める母 加害者家族への支援
第8章 「STOP! 痴漢」は可能なのか 痴漢大国からの脱却
【書評・メディア掲載情報】(2017年掲載)
●弁護士ドットコム(8/17)
●ダ・ヴィンチニュース(8/18)
●日刊ゲンダイ(8/18)
●プレジデントONLINE(8/18)
●週刊SPA!(8/29)
●現代ビジネス(9/8)
●サンデー毎日(9/12)
●サイゾーウーマン(9/15)
●WAN(9/17)
●HONZ(9/20)
●ダイヤモンド・オンライン(9/29)
●週刊女性(10/17)
●ハフィントンポスト(10/19)
●週プレNEWS(10/21)
●東洋経済ONLINE(10/24)
●毎日新聞(10/29)
●東京新聞(10/29)
●ダイヤモンドONLINE(10/30)
●BLOGOS(10/30)
●AERA(11/6)
●ホウドウキョク(11/8)
●図書新聞(11/9)
●中日新聞(11/9)
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社イースト・プレス
- 発売日2017/8/18
- ISBN-104781615716
- ISBN-13978-4781615714
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
痴漢は、依存症です。実態を見誤っているうちは、痴漢は減らない!加害者を見つめ続ける性犯罪・依存症の専門家が、社会で大きく誤解されている「痴漢の実態」を解明し、その撲滅を目指す!
著者について
斉藤章佳(さいとう あきよし)
精神保健福祉士・社会福祉士/大森榎本クリニック精神保健福祉部長。
1979年生まれ。大学卒業後、アジア最大規模といわれる依存症施設である榎本クリニックにソーシャルワーカーとして、アルコール依存症を中心にギャンブル・薬物・摂食障害・性犯罪・虐待・DV・クレプトマニアなどさまざま々なアディクション問題に携わる。その後、2016年から現職。専門は加害者臨床で「性犯罪者の地域トリートメント」に関する実践・研究・啓発活動を行っている。また、大学や専門学校では早期の依存症教育にも積極的に取り組んでおり、講演も含めその活動は幅広く、マスコミでもたびたび取り上げられている。
著者に『性依存症の治療』、『性依存症のリアル』(ともに金剛出版/共著)がある。その他、論文多数。
精神保健福祉士・社会福祉士/大森榎本クリニック精神保健福祉部長。
1979年生まれ。大学卒業後、アジア最大規模といわれる依存症施設である榎本クリニックにソーシャルワーカーとして、アルコール依存症を中心にギャンブル・薬物・摂食障害・性犯罪・虐待・DV・クレプトマニアなどさまざま々なアディクション問題に携わる。その後、2016年から現職。専門は加害者臨床で「性犯罪者の地域トリートメント」に関する実践・研究・啓発活動を行っている。また、大学や専門学校では早期の依存症教育にも積極的に取り組んでおり、講演も含めその活動は幅広く、マスコミでもたびたび取り上げられている。
著者に『性依存症の治療』、『性依存症のリアル』(ともに金剛出版/共著)がある。その他、論文多数。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
斉藤/章佳
精神保健福祉士・社会福祉士/大森榎本クリニック精神保健福祉部長。1979年生まれ。大学卒業後、アジア最大規模といわれる依存症施設である榎本クリニックにソーシャルワーカーとして、アルコール依存症を中心にギャンブル・薬物・摂食障害・性犯罪・虐待・DV・クレプトマニアなどさまざまなアディクション問題に携わる。その後、2016年から現職。専門は加害者臨床で「性犯罪者の地域トリートメント」に関する実践・研究・啓発活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
精神保健福祉士・社会福祉士/大森榎本クリニック精神保健福祉部長。1979年生まれ。大学卒業後、アジア最大規模といわれる依存症施設である榎本クリニックにソーシャルワーカーとして、アルコール依存症を中心にギャンブル・薬物・摂食障害・性犯罪・虐待・DV・クレプトマニアなどさまざまなアディクション問題に携わる。その後、2016年から現職。専門は加害者臨床で「性犯罪者の地域トリートメント」に関する実践・研究・啓発活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : イースト・プレス (2017/8/18)
- 発売日 : 2017/8/18
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 240ページ
- ISBN-10 : 4781615716
- ISBN-13 : 978-4781615714
- Amazon 売れ筋ランキング: - 208,018位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 314位社会病理
- - 1,484位臨床心理学・精神分析
- - 5,880位心理学入門
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年8月13日に日本でレビュー済み
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167人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年11月27日に日本でレビュー済み
ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性暴力報道以来、#MeToo(私も)というハッシュタグを使い世界の女性達が性被害を共有している。日本に住む女性の多くは痴漢による#MeTooの経験があるだろう。この文を読んで「そんなわけあるか」「どうせ大したことじゃない」「経験あるんだ~(ニヤニヤ)」と思う人は既に痴漢の味方側にいる。それから「男には冤罪が!」と思った人。痴漢にとってこれほどありがたい存在はない。本書(の特に第8章)を読んで、その位置から一刻も早く離れよう。
痴漢の認知の歪みを紐解く上で、著者がはっきりと男尊女卑・女性差別という言葉を出したことを一番評価したい。女性を性で支配したいという男性の欲求や、女性への性暴力表現を垂れ流しにするアダルトコンテンツに言及し、男尊女卑思考が刷り込まれた社会では認知の歪みが是正されず、加害者は再生産され続けると書いている。性犯罪は支配欲によって起こるという主張自体は新しいものではない。しかし痴漢行為は痴漢のストレス対処法(コーピング)であり、弱い者を標的にすることで、己の優位性を示そうとするという仕組みが詳しく説明されており、勉強になった。
第8章では女性が痴漢を通報しづらい環境について書かれている。多くの女性にとって身近な恐怖である痴漢が、多くの男性にとってはポルノの一ジャンルか他人事のままでは、問題の解決は遠い。痴漢に対する刑罰が軽すぎることにも本書は触れているが、取り締まる側・裁く側・メディアで取り上げる側も男性主体であり、被害者の多くが女性である性犯罪は未だに深刻な問題と捉えられていない側面はあるだろう。
男性が本書を読むべき理由は、痴漢に対して(できれば他の性犯罪についてもだが)正しい知識を持たねばならないからだ。男尊女卑社会で何も学習せずに生活していると、自然とレイプカルチャーの思想に浸かってしまう。それは何としても避けなければならない。痴漢は社会問題として、包括的アプローチがなければ撲滅を達成できないからだ。女性の立場で想像しよう。周囲の人間が「痴漢は認知が歪んでいる」「性犯罪は女性の落ち度から発生するものではない」と当然のように知っていたら、どれほど心強いだろうか。
冒頭で書いた#MeTooに応え、今では男性たちがハッシュタグを使い始めている。#HowIWillChange(自分はどう変わるか)である。性被害を否定し、矮小化し、性的消費する自分から、どう変わるか。痴漢問題を「冤罪」で相殺してしまおうとする自分から、どう変わるか。変わるためには知らねばならない。知るために本書を手に取ってほしい。
最後に、本書には具体的な性暴力の描写はないが、痴漢行為をする男の思考が詳しく書かれている。自分に都合のいい妄想をベースにした、腹が立つほど自己中心的な考えである。フラッシュバックの危険があると思われる方は無理せずに。
痴漢の認知の歪みを紐解く上で、著者がはっきりと男尊女卑・女性差別という言葉を出したことを一番評価したい。女性を性で支配したいという男性の欲求や、女性への性暴力表現を垂れ流しにするアダルトコンテンツに言及し、男尊女卑思考が刷り込まれた社会では認知の歪みが是正されず、加害者は再生産され続けると書いている。性犯罪は支配欲によって起こるという主張自体は新しいものではない。しかし痴漢行為は痴漢のストレス対処法(コーピング)であり、弱い者を標的にすることで、己の優位性を示そうとするという仕組みが詳しく説明されており、勉強になった。
第8章では女性が痴漢を通報しづらい環境について書かれている。多くの女性にとって身近な恐怖である痴漢が、多くの男性にとってはポルノの一ジャンルか他人事のままでは、問題の解決は遠い。痴漢に対する刑罰が軽すぎることにも本書は触れているが、取り締まる側・裁く側・メディアで取り上げる側も男性主体であり、被害者の多くが女性である性犯罪は未だに深刻な問題と捉えられていない側面はあるだろう。
男性が本書を読むべき理由は、痴漢に対して(できれば他の性犯罪についてもだが)正しい知識を持たねばならないからだ。男尊女卑社会で何も学習せずに生活していると、自然とレイプカルチャーの思想に浸かってしまう。それは何としても避けなければならない。痴漢は社会問題として、包括的アプローチがなければ撲滅を達成できないからだ。女性の立場で想像しよう。周囲の人間が「痴漢は認知が歪んでいる」「性犯罪は女性の落ち度から発生するものではない」と当然のように知っていたら、どれほど心強いだろうか。
冒頭で書いた#MeTooに応え、今では男性たちがハッシュタグを使い始めている。#HowIWillChange(自分はどう変わるか)である。性被害を否定し、矮小化し、性的消費する自分から、どう変わるか。痴漢問題を「冤罪」で相殺してしまおうとする自分から、どう変わるか。変わるためには知らねばならない。知るために本書を手に取ってほしい。
最後に、本書には具体的な性暴力の描写はないが、痴漢行為をする男の思考が詳しく書かれている。自分に都合のいい妄想をベースにした、腹が立つほど自己中心的な考えである。フラッシュバックの危険があると思われる方は無理せずに。
2018年1月4日に日本でレビュー済み
これを読んで思ったのは、駅に張ってある痴漢防止ポスターを、被害に合う可能性のある女性に向けたバージョンの物も用意した方が良いのでは、ということでした。
「痴漢は依存症」「自分より弱いものを狙った支配欲と征服欲の発露」このフレーズをでかでかと記されたポスターがあれば、皆の痴漢に対する意識は大きく変わる、そんな気がします。
少なくとも他人事と思う人達は減るのではないかと。
「痴漢は依存症」「自分より弱いものを狙った支配欲と征服欲の発露」このフレーズをでかでかと記されたポスターがあれば、皆の痴漢に対する意識は大きく変わる、そんな気がします。
少なくとも他人事と思う人達は減るのではないかと。
ベスト500レビュアー
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「痴漢の実態を明らかにし……痴漢撲滅の一助になることを切に願い(p.279)」書かれた本。著者は、東京のクリニックで長らく性的嗜好障害ほか様々な依存症者に向き合っている精神保健福祉士・社会福祉士。内容は「痴漢はどういう人間か」「加害行為に及ぶ動機」「共通する認知の歪み」「亢進される加害行為」「断トツに高い再犯率」「再犯防止治療の現実」「加害者家族への支援」「痴漢大国からの脱却」という章立て。
帯にある「痴漢神話」、すなわち「痴漢は女性に相手にされない、さみしい男である」「性欲をコントロールできないから、痴漢に走る」「肌を露出した女性は、痴漢に狙われやすい」「電車内に防犯カメラを搭載すれば、痴漢は減る」「痴漢よりも、冤罪事件が問題だ」のうちの1つでも「そうだよな」と思った人には読む価値があるだろう。
データの扱いは気になった。ひとつはデータの集め方。著者の働くクリニックで診察・治療を受けた患者だけのデータで論じる場合が多い。ただし、これについては、そのデータの偏りの可能性に著者も言及しているし、「痴漢に関する専門書がいまだ1冊も出ていない(p.26)」現状ではやむを得ないことだろう。
もうひとつはデータの解釈。例えば、痴漢(迷惑防止条例違反)の発生場所に関する、電車52.7%、バス0.5%というデータに対して「……痴漢被害を訴えようとした場合……バス停は無人であることがほとんどなので通報のハードルがさらに上がるといった事情が考えられます(p.21)」とあるが、そもそも電車とバスの利用者数(の割合)がどうなのかわからなければ、この数値の比較はあまり意味がないだろう。また、「強姦や強制わいせつの容疑で逮捕された553人のうち33.5%が『AVを観て自分も同じことをしてみたかった』と回答」していることから「現実の性犯罪者の多くはこうしたコンテンツからの影響を確実に受けています(p.125)」としているが、性犯罪者でない人間との比較がなければ、このデータだけからAVを観ることの影響を論じることは難しいだろう(もちろん悪しき影響はあるのかもしれないし、そもそもそういうAVそのものが性差別的で問題だが)。
とは言え、長い臨床経験に基づく著者の主張は説得力がある。
呆然としたのは、再犯防止プログラム実施中に「痴漢行為を手放すことで、あなたが失ったものはなにか」という問に対して「ある受講者から出てきた答えで、ほかの過半数の受講者もうなずき賛同していたのが”生きがい”でした(p.106)」という個所。痴漢をさせないことが「生きがいを奪う」ことだとすれば、再犯を防止することはいかに難しいことかと暗澹とする。
「加害者の家族」という視点が全然なかったので「離婚しない妻、自分を責める母―加害者家族への支援」の章が一番、新しく知ることが多かった。
帯にある「痴漢神話」、すなわち「痴漢は女性に相手にされない、さみしい男である」「性欲をコントロールできないから、痴漢に走る」「肌を露出した女性は、痴漢に狙われやすい」「電車内に防犯カメラを搭載すれば、痴漢は減る」「痴漢よりも、冤罪事件が問題だ」のうちの1つでも「そうだよな」と思った人には読む価値があるだろう。
データの扱いは気になった。ひとつはデータの集め方。著者の働くクリニックで診察・治療を受けた患者だけのデータで論じる場合が多い。ただし、これについては、そのデータの偏りの可能性に著者も言及しているし、「痴漢に関する専門書がいまだ1冊も出ていない(p.26)」現状ではやむを得ないことだろう。
もうひとつはデータの解釈。例えば、痴漢(迷惑防止条例違反)の発生場所に関する、電車52.7%、バス0.5%というデータに対して「……痴漢被害を訴えようとした場合……バス停は無人であることがほとんどなので通報のハードルがさらに上がるといった事情が考えられます(p.21)」とあるが、そもそも電車とバスの利用者数(の割合)がどうなのかわからなければ、この数値の比較はあまり意味がないだろう。また、「強姦や強制わいせつの容疑で逮捕された553人のうち33.5%が『AVを観て自分も同じことをしてみたかった』と回答」していることから「現実の性犯罪者の多くはこうしたコンテンツからの影響を確実に受けています(p.125)」としているが、性犯罪者でない人間との比較がなければ、このデータだけからAVを観ることの影響を論じることは難しいだろう(もちろん悪しき影響はあるのかもしれないし、そもそもそういうAVそのものが性差別的で問題だが)。
とは言え、長い臨床経験に基づく著者の主張は説得力がある。
呆然としたのは、再犯防止プログラム実施中に「痴漢行為を手放すことで、あなたが失ったものはなにか」という問に対して「ある受講者から出てきた答えで、ほかの過半数の受講者もうなずき賛同していたのが”生きがい”でした(p.106)」という個所。痴漢をさせないことが「生きがいを奪う」ことだとすれば、再犯を防止することはいかに難しいことかと暗澹とする。
「加害者の家族」という視点が全然なかったので「離婚しない妻、自分を責める母―加害者家族への支援」の章が一番、新しく知ることが多かった。
2018年6月2日に日本でレビュー済み
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痴漢に関する日本で初めての専門書。書いたのはアジア最大規模の依存症施設である榎本クリニックの斉藤さん。痴漢は、一言でいえば依存症。痴漢を行っている男性はストレスのはけ口のために痴漢という方法をとっている。痴漢をまず止めるには逮捕が一番。しかし依存症の為、なかなかやめられない。そして依存対策の治療を受ける必要がある。そのような実態も含め、社会全体で共有していくべき。以上が要旨。
以下、考えたポイント。
「加害者家族は責められる対象ではなく、支援が必要な人たち」
欧米ではその責任を追及することはあまりないが、日本では「夫へのケアが足りなかったから」「夫を性的に満足させていなかったから」「育て方が間違っていた」と言われたりします。しかし、これまでの夫婦生活の有無やその満足度とその者の瀬的逸脱行動にはまったく相関性はありません。成育歴と痴漢行為にほとんど関連性が見られません。痴漢は一人の男性が社会生活の中で自ら学習するもの。父親の「性犯罪をするぐらいなら、なぜ風俗に行かないのか」という発言は認知の歪みが見られると指摘。そして、「男性が女性を下に見ており、多少なら何をしても許される」という心理がこれらの思考の陰に隠れているのではないかと、その社会の中で考えられている問題点を指弾しています。それは本書の中に「痴漢を見ず、冤罪事件だけに怯える男性たち」あるいは「カネ目当ての女が冤罪を仕掛けるという発想」などでも記されています。それとともに「男性は、痴漢被害への想像力が欠如している」という指摘は重要だと思いました。女性の尊厳を踏みにじり、PTSDを引き起こし、その人の人生に何十年とわたって影響を及ぼすこともあるということです。
以下、考えたポイント。
「加害者家族は責められる対象ではなく、支援が必要な人たち」
欧米ではその責任を追及することはあまりないが、日本では「夫へのケアが足りなかったから」「夫を性的に満足させていなかったから」「育て方が間違っていた」と言われたりします。しかし、これまでの夫婦生活の有無やその満足度とその者の瀬的逸脱行動にはまったく相関性はありません。成育歴と痴漢行為にほとんど関連性が見られません。痴漢は一人の男性が社会生活の中で自ら学習するもの。父親の「性犯罪をするぐらいなら、なぜ風俗に行かないのか」という発言は認知の歪みが見られると指摘。そして、「男性が女性を下に見ており、多少なら何をしても許される」という心理がこれらの思考の陰に隠れているのではないかと、その社会の中で考えられている問題点を指弾しています。それは本書の中に「痴漢を見ず、冤罪事件だけに怯える男性たち」あるいは「カネ目当ての女が冤罪を仕掛けるという発想」などでも記されています。それとともに「男性は、痴漢被害への想像力が欠如している」という指摘は重要だと思いました。女性の尊厳を踏みにじり、PTSDを引き起こし、その人の人生に何十年とわたって影響を及ぼすこともあるということです。
2019年5月9日に日本でレビュー済み
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「痴漢は依存症。性欲とはあまり関係なく、トリガーが発動するとやってしまう」「反省が希薄、特に被害者への共感が皆無」「治療プログラムではトリガーを意識して管理・回避することで『やめつづける』努力をしている」、ここらへんは勉強になったが、個人的にそれほど意外でもなかった。ハッとしたのは、痴漢の根底には意識的・無意識的な女性蔑視があるという指摘。痴漢本人は言うまでもなく、社会全体に性差別が根強く残っていると。めちゃくちゃその通りなのに指摘されて改めて気づくなんて恥ずかしい。それだけ根深い問題だと思う。正直、文章はそんなに上手くない。
2017年10月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は男ですが、性依存症と言う観点では
ほどんと一緒のプロセスを十数年悩まし続けています。
あるふとしたきっかけでとかも同一ですし、
強迫的に行動するものほぼ一緒でした。
私の方は、
・これだけ仕事で辛い状態になったから風俗行くのはご褒美
・出会い系で買春して性関係を持たなければ電車に飛び込みそうになる
(途中のプロセスに満足するだけで実際は大して勃起していない)
と言った状態に陥りました。
完全な「認知のゆがみ」状態ですね。
痴漢はじめ「被害者のいる」行動に走らなかっただけ、
自分はまだましだったのかとも思いました。
痴漢をやりたくはないですが
「自分自身も同じ状況に陥る可能性がある」ってのは
本書の指摘どおりかと思います。
優先順位としては「被害者保護」「性犯罪の軽減」が高いに
決まっています。
痴漢はじめ性犯罪の場合被害者がいる以上、
加害行為の免責にはなんらならないのは
本書に書かれている通りですが、
実情を明らかにすることと。
別のアプローチとしての
性依存症の治療が必要と言う認識が本書で
広まることを願っています。
ほどんと一緒のプロセスを十数年悩まし続けています。
あるふとしたきっかけでとかも同一ですし、
強迫的に行動するものほぼ一緒でした。
私の方は、
・これだけ仕事で辛い状態になったから風俗行くのはご褒美
・出会い系で買春して性関係を持たなければ電車に飛び込みそうになる
(途中のプロセスに満足するだけで実際は大して勃起していない)
と言った状態に陥りました。
完全な「認知のゆがみ」状態ですね。
痴漢はじめ「被害者のいる」行動に走らなかっただけ、
自分はまだましだったのかとも思いました。
痴漢をやりたくはないですが
「自分自身も同じ状況に陥る可能性がある」ってのは
本書の指摘どおりかと思います。
優先順位としては「被害者保護」「性犯罪の軽減」が高いに
決まっています。
痴漢はじめ性犯罪の場合被害者がいる以上、
加害行為の免責にはなんらならないのは
本書に書かれている通りですが、
実情を明らかにすることと。
別のアプローチとしての
性依存症の治療が必要と言う認識が本書で
広まることを願っています。