・生物の絶滅に追いやっても、それは自然現象の一部。
←人間が絶滅の速度を加速させていることが問題である。たとえ、自然現象の一部であるにしても、これによって人間が不利益を被るのであれば、考え直してしかるべきである。不利益については以下参照。
・絶滅した生物の代わりのものが繁栄し、新しい生態系をつくる。
←生物の進化のプロセスは、最低でも数万年かかるというのは、(進化)生物学の定説である。これに異論を唱える学者はいるのだろうか。生物多様性の損失によって、人間が被害を被るのは明らかである。
ex) 花粉を媒介する昆虫の絶滅→植物種(農作物)の減少→植物類を餌とする昆虫、またそれに伴う鳥類の減少、または特定種の異常発生、さらなる農作物の被害等。
・ワシントン条約で希少生物を守るのは、途上国に多い。それら生物が先進国の薬品の原料になるため。
←この点は一理あるかもしれないが、そもそも希少生物の宝庫とされている熱帯林は、往々にして、途上国にあるという観点が抜けている。
・税金を使って希少動物を保護したり、外来種を排除するのも無駄。
→実際に防除に成功した結果、生態系が保全されたケースはいくつもある。しかし、著者の言うように、その防除プロセスに改善の余地があることは確かである。
・自然から遠く離れた都会に生きる人間がアタマで「環境問題」を考えている。
←環境省に肩入れするつもりはないが、著者の嫌う環境省自然環境局職員が勤務の50-80%を国立公園内や、その他、都会から遠く離れた自然環境の中で行っている、という事実を見逃している。
・人間のような小さな存在が「地球が困るような」環境破壊を行った事実はない。
←非科学的な論理であり、個人の感想に過ぎない。しかし、「地球が、」と言っているところが狡猾であるかもしれない。実際には、生態系の破壊であるが、巧妙に論理をすり替えている。確かに、地球誕生時のような状態も含めて地球と呼ぶならば、人間が「地球が困るような」ことはしていないのかもしれない。
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生物多様性のウソ (小学館101新書) 単行本 – 2011/6/1
トキの放鳥こそ、生態系破壊ではないか?
生物多様性を訴える人たちはこういう。「生物の種類が日増しに減っている」「種の多様性を守らなければいけない」「地球温暖化で生物が絶滅する」……でも、それって果たして本当なの?『偽善エコロジー』『偽善エネルギー』の著者・武田邦彦氏は、むしろこういう。「現代はもっとも生物種が多い時代だ」「生物は多様でなくても構わない」「地球温暖化で生物は増える」と。これぞ、「生物多様性」の新常識である。
生物多様性を訴える人たちはこういう。「生物の種類が日増しに減っている」「種の多様性を守らなければいけない」「地球温暖化で生物が絶滅する」……でも、それって果たして本当なの?『偽善エコロジー』『偽善エネルギー』の著者・武田邦彦氏は、むしろこういう。「現代はもっとも生物種が多い時代だ」「生物は多様でなくても構わない」「地球温暖化で生物は増える」と。これぞ、「生物多様性」の新常識である。
- 本の長さ254ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2011/6/1
- ISBN-104098251094
- ISBN-13978-4098251094
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
これまで地球温暖化、原発事故の「ウソ」を指摘してきた著者が、生物多様性の欺瞞を暴く「目からウロコ」の最新刊。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
武田/邦彦
1943年東京都生まれ。東京大学教養学部卒業。工学博士。旭化成ウラン濃縮研究所所長、名古屋大学大学院教授などを経て、中部大学総合工学研究所教授。内閣府原子力安全委員会専門委員などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1943年東京都生まれ。東京大学教養学部卒業。工学博士。旭化成ウラン濃縮研究所所長、名古屋大学大学院教授などを経て、中部大学総合工学研究所教授。内閣府原子力安全委員会専門委員などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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著者について
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1943年東京都生まれ。工学博士。東京大学教養学部基礎科学科卒業。その後、旭化成ウラン濃縮研究所所長、芝浦工業大学工学部教授、名古屋大学大学院教授を経て、中部大学教授。世界で初めて化学法によるウラン濃縮に成功し日本原子力学会平和利用特賞を受賞、内閣府原子力委員会および安全委員会専門委員などを歴任。原子力、環境問題をめぐる発言で注目されている(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『「正しい」とは何か?: 武田教授の眠れない講義 (ISBN-10: 4093882851)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年10月21日に日本でレビュー済み
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6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2011年8月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
生物多様性という言葉に関心はあっても、敷居を高く感じる人は少なくないでしょう。
あの武田先生なら要点を易しく(また権威にだまされないように)教えてくれるに違いない。そう思って本書を開いた読者が「なんだこの程度のコトだったのか」と合点し、あまつさえ専門家の解説に耳を貸さなくなる。それは読者にも周囲にも不幸なパターンです。そこは著者が主張するように「自分で考える」ため、ぜひ他の本を何冊か読んでいただきたい。
さてツッコミどころの多い本書ですが、評者が一番気になったのは「生態系サービス」が出てこない謎です。
生態系には広範な機能があり、人間の生活や社会の維持発展の、ほとんどすべてを支えています。水や空気、食料、燃料、工業製品の資源やヒント、情緒活動や文化、思想にいたるまで、その恩恵は計り知れません。このサービスが将来にわたって供給されるために、他ならぬ「生物多様性の保全」が欠かせないとされるのです。
生物多様性を語る上では、その階層構造(遺伝子/種/系)と共に、生態系サービスは中心的概念と言えます。第10回を数えた昨年の生物多様性条約締約国会議(CBD-COP10)や、また改訂4版となった我が国の生物多様性国家戦略では繰り返し説かれ、近年のどんな解説本でも紹介されています。
…と評者は思っていたのですが、この本にはそれが登場しないばかりか、人間に自然は必要ないとの主張がなされます。
また、計り知れないとはいいましたが、生態系サービスや生物多様性を経済的に値踏みする試みは、活発に行われています。様々な文化や視点を越えて価値を共有しようとするとき、金銭への換算は、わかりやすいという長所があるからです。
2010年に名古屋で開催されたCBD-COP10とは、そうした具体的な評価を踏まえて行われた、生物多様性を守るための政治的な話し合いでした。もめにモメた最大の議題は、世界の遺伝子資源をフェアに利用し、公平に山分けするルール作りです。
こうした重要な事柄にも、本書はほとんど言及しません。
生態系サービスと、それを支える生物多様性。この考えを著者が知らなければ、お粗末です。しかし認めてしまうと、本書の主張の多くが成り立ちません。自説を押しつけるために黙殺したのなら、極めて不誠実と言えます。
終章まで読んで腑に落ちました。
著者は自然が大好きなのです。多様で絢爛な生物世界は、それを愛し敬い、讃える対象なのだ。人間の都合やカネ勘定といった世俗的な評価に供するのは、不遜でおこがましい。そうした憤りがあるようです。
<魅力的な言葉、生物多様性。その大きな国際会議が名古屋で華々しく開催された。興味を持ってのぞき込めば、…なんだ、下世話なオトナの談合じゃないか…> 名古屋COP10に対する著者の強い失望感が、拙速を顧みずこの本を書かせたのでしょうか。そんな想像もしてしまいます。
ちなみに著者は思い違いをしている節がありますが、生物多様性の保全は、自然への畏敬や観念的な生命賛歌を否定していません。自然を無条件に愛する気持ちも人間中心のカネ勘定も、それぞれ要素として併せ含むだけの許容力をもった、人類をみな巻き込むトレンドなのです。
すべての生物の中で人間だけが、生物多様性のすばらしさを認めることができます。せっかく優れた発信力を持つ著者なのですから、その意味をポジティブに考えていただきたいと評者は思います。
あの武田先生なら要点を易しく(また権威にだまされないように)教えてくれるに違いない。そう思って本書を開いた読者が「なんだこの程度のコトだったのか」と合点し、あまつさえ専門家の解説に耳を貸さなくなる。それは読者にも周囲にも不幸なパターンです。そこは著者が主張するように「自分で考える」ため、ぜひ他の本を何冊か読んでいただきたい。
さてツッコミどころの多い本書ですが、評者が一番気になったのは「生態系サービス」が出てこない謎です。
生態系には広範な機能があり、人間の生活や社会の維持発展の、ほとんどすべてを支えています。水や空気、食料、燃料、工業製品の資源やヒント、情緒活動や文化、思想にいたるまで、その恩恵は計り知れません。このサービスが将来にわたって供給されるために、他ならぬ「生物多様性の保全」が欠かせないとされるのです。
生物多様性を語る上では、その階層構造(遺伝子/種/系)と共に、生態系サービスは中心的概念と言えます。第10回を数えた昨年の生物多様性条約締約国会議(CBD-COP10)や、また改訂4版となった我が国の生物多様性国家戦略では繰り返し説かれ、近年のどんな解説本でも紹介されています。
…と評者は思っていたのですが、この本にはそれが登場しないばかりか、人間に自然は必要ないとの主張がなされます。
また、計り知れないとはいいましたが、生態系サービスや生物多様性を経済的に値踏みする試みは、活発に行われています。様々な文化や視点を越えて価値を共有しようとするとき、金銭への換算は、わかりやすいという長所があるからです。
2010年に名古屋で開催されたCBD-COP10とは、そうした具体的な評価を踏まえて行われた、生物多様性を守るための政治的な話し合いでした。もめにモメた最大の議題は、世界の遺伝子資源をフェアに利用し、公平に山分けするルール作りです。
こうした重要な事柄にも、本書はほとんど言及しません。
生態系サービスと、それを支える生物多様性。この考えを著者が知らなければ、お粗末です。しかし認めてしまうと、本書の主張の多くが成り立ちません。自説を押しつけるために黙殺したのなら、極めて不誠実と言えます。
終章まで読んで腑に落ちました。
著者は自然が大好きなのです。多様で絢爛な生物世界は、それを愛し敬い、讃える対象なのだ。人間の都合やカネ勘定といった世俗的な評価に供するのは、不遜でおこがましい。そうした憤りがあるようです。
<魅力的な言葉、生物多様性。その大きな国際会議が名古屋で華々しく開催された。興味を持ってのぞき込めば、…なんだ、下世話なオトナの談合じゃないか…> 名古屋COP10に対する著者の強い失望感が、拙速を顧みずこの本を書かせたのでしょうか。そんな想像もしてしまいます。
ちなみに著者は思い違いをしている節がありますが、生物多様性の保全は、自然への畏敬や観念的な生命賛歌を否定していません。自然を無条件に愛する気持ちも人間中心のカネ勘定も、それぞれ要素として併せ含むだけの許容力をもった、人類をみな巻き込むトレンドなのです。
すべての生物の中で人間だけが、生物多様性のすばらしさを認めることができます。せっかく優れた発信力を持つ著者なのですから、その意味をポジティブに考えていただきたいと評者は思います。
2014年4月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世の中,欺瞞が多いことは事実です.そのすべてが利権であることは多くの人が気がついてきているのは時流ですが.今の自民党も利権まみれですから,阿部さんひとりで頑張っていてもむなしい限りです.利権で政治が動き,国民もどぶ板議員選びから組織利権つながりに大多数が変貌してきていますから,政治・経済の効率化はこれまで以上に難しくなってきましたね.
2018年9月7日に日本でレビュー済み
「生物多様性の保護」が本当に大切なことなのかについて、さまざまな視点から考察した著作である。著者の論点を整理してみる。
(1)生物は、38億年前のその誕生から絶滅と新種の発生を繰り返しているのであり、絶滅なくして進化も無い。人間の自然破壊に
よって絶滅種が増えるのは必ずしも悪いことではない。そもそも人間も自然の一部であり、人間活動が他の生物を圧迫し絶滅に
追いやっても、それは自然現象の一部である。
(2)人間によって生物が滅び生態系が変わっても、生態系が無くなる訳ではない。いなくなった生物の代わりのものが繁栄し、
新しい生態系をつくる。 生態系の崩壊も起こらなければ、そのために人類が滅ぶことは無い。
(3)「自然環境の保護」運動とは、そもそも人間のエゴや利権が発端。ワシントン条約で希少生物を守るのは、途上国に多い
それら生物が先進国の薬品の原料になるため。
(4)税金を使って希少動物を保護したり、外来種を排除するのも無駄。絶滅危惧種は人間と共存できないので絶滅する。生物に
国境はないので外来種の侵入は止められない。
(5)外来種に限らず駆除される生物には何の罪もない。生態系の保護と称して結局生物を殺している。自然から遠く離れた都会に
生きる人間がアタマで「環境問題」を考えた結果に過ぎない。
(6)結局、人間が問題としている「環境破壊」とは、人間に害を与える大気や河川・海洋の汚染、気候変動、(途上国中心の)
開発行為で、それにより食料や薬品原料が減少したり、希少で無害で「可哀想な」生物が絶滅することを言う。
(7)人間のような小さな存在が「地球が困るような」環境破壊を行った事実はない。また、他の生物の環境を破壊したケース
(生物を食べる、実験に使う、都市や農地開発のため棲家を奪う等)は「環境破壊」とは言わない。
(8)従って、人間に直接影響のない生物の絶滅は「環境破壊」にはあたらず、今後も人間の活動による生物種の絶滅が続くことは
仕方がない。
生態系だけではなく、生物史をも踏まえて「生物多様性」を考察する著者の視点は、「さすが科学者」と思わせる。声高に「生物多様性を守れ」と叫ぶ政財界や活動家の裏にはお金に絡む利権があり、官僚が進める希少生物の保護・外来種の駆除には経済合理性や科学的合理性がないことが暴かれる。生物多様性保護活動が概ね偽善に過ぎないことはよくわかった。とは言え、正直な読後感を申せば「で、本当にこのままで宜しいのでしょうか?人間のやっていることに間違いはないでしょうか?」。となる。
人間は自然に優越しそれを征服するもの、とするキリスト教的考え方に対し、人間を大自然の一部として捉えている日本人は、人間が何をしても(たとえ人間活動によって生物が多少絶滅しても)環境破壊にならないと考える、と著者は説く。そうだろうか。自然に手を入れる(手入れする)ことはあるが、自然に従うのが善で、不自然を嫌うのが日本人の肌感覚ではないだろうか。人類の経済的発展の陰で生物がどんどん絶滅して行くのは、どうも「不自然」に感じられてならないのである。たとえ人類の今日的繁栄に水をさすことになろうとも、「不自然」なことは人間が理性の力で止めるべきではないだろうか。多くの日本人がそう考えるように思う。
(1)生物は、38億年前のその誕生から絶滅と新種の発生を繰り返しているのであり、絶滅なくして進化も無い。人間の自然破壊に
よって絶滅種が増えるのは必ずしも悪いことではない。そもそも人間も自然の一部であり、人間活動が他の生物を圧迫し絶滅に
追いやっても、それは自然現象の一部である。
(2)人間によって生物が滅び生態系が変わっても、生態系が無くなる訳ではない。いなくなった生物の代わりのものが繁栄し、
新しい生態系をつくる。 生態系の崩壊も起こらなければ、そのために人類が滅ぶことは無い。
(3)「自然環境の保護」運動とは、そもそも人間のエゴや利権が発端。ワシントン条約で希少生物を守るのは、途上国に多い
それら生物が先進国の薬品の原料になるため。
(4)税金を使って希少動物を保護したり、外来種を排除するのも無駄。絶滅危惧種は人間と共存できないので絶滅する。生物に
国境はないので外来種の侵入は止められない。
(5)外来種に限らず駆除される生物には何の罪もない。生態系の保護と称して結局生物を殺している。自然から遠く離れた都会に
生きる人間がアタマで「環境問題」を考えた結果に過ぎない。
(6)結局、人間が問題としている「環境破壊」とは、人間に害を与える大気や河川・海洋の汚染、気候変動、(途上国中心の)
開発行為で、それにより食料や薬品原料が減少したり、希少で無害で「可哀想な」生物が絶滅することを言う。
(7)人間のような小さな存在が「地球が困るような」環境破壊を行った事実はない。また、他の生物の環境を破壊したケース
(生物を食べる、実験に使う、都市や農地開発のため棲家を奪う等)は「環境破壊」とは言わない。
(8)従って、人間に直接影響のない生物の絶滅は「環境破壊」にはあたらず、今後も人間の活動による生物種の絶滅が続くことは
仕方がない。
生態系だけではなく、生物史をも踏まえて「生物多様性」を考察する著者の視点は、「さすが科学者」と思わせる。声高に「生物多様性を守れ」と叫ぶ政財界や活動家の裏にはお金に絡む利権があり、官僚が進める希少生物の保護・外来種の駆除には経済合理性や科学的合理性がないことが暴かれる。生物多様性保護活動が概ね偽善に過ぎないことはよくわかった。とは言え、正直な読後感を申せば「で、本当にこのままで宜しいのでしょうか?人間のやっていることに間違いはないでしょうか?」。となる。
人間は自然に優越しそれを征服するもの、とするキリスト教的考え方に対し、人間を大自然の一部として捉えている日本人は、人間が何をしても(たとえ人間活動によって生物が多少絶滅しても)環境破壊にならないと考える、と著者は説く。そうだろうか。自然に手を入れる(手入れする)ことはあるが、自然に従うのが善で、不自然を嫌うのが日本人の肌感覚ではないだろうか。人類の経済的発展の陰で生物がどんどん絶滅して行くのは、どうも「不自然」に感じられてならないのである。たとえ人類の今日的繁栄に水をさすことになろうとも、「不自然」なことは人間が理性の力で止めるべきではないだろうか。多くの日本人がそう考えるように思う。
2015年7月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
生物多様性や環境の書を何冊か読みましたが、いま一つ納得いかない。感傷的生物多様論においては科学的根拠があるのだろうかと感じていた。
先生の思いついたまま書かれた感性に共感しました。
余りにも結論を安易に出されそんな根拠もなく無茶苦茶なと感じる処がありますが、流し読みをすればよいと思います。
先生の思いついたまま書かれた感性に共感しました。
余りにも結論を安易に出されそんな根拠もなく無茶苦茶なと感じる処がありますが、流し読みをすればよいと思います。
2015年1月7日に日本でレビュー済み
著者の専門に近いエネルギー問題やリサイクルなどの著書は読んでおもしろくまた参考になった。しかし、専門外の生物多様性に関するこの本は、暴論というか、生態学や生物進化など生物学の基本的な知見と理解をほとんど持たないままに、思いつきと勢いだけで書いたのではないかと思えた。科学では、仮説であっても、発表内容の論拠が必要であり、研究者は書いた内容に責任をもつものである。本書の内容は、そのようなことは不可能ではないかと判断され、著者と出版社の見識を疑いたくなる。他のレビュアーも書いているように、この本は、まさに「トンデモ本」である。純心な読者が、書かれたことを信じ込まないことを願うのみ。
2014年8月16日に日本でレビュー済み
進化についての見解が正しいのかどうか私はわからない。
しかし「金もうけのために自然保護をしている人」をたくさん見てきた私はその点を大声で言ってくれたことに投票する。
金もうけをして悪いとは言わないが、自然保護とか環境保護なんて言って真の目的はお金という悪人を断罪したい。
しかし「金もうけのために自然保護をしている人」をたくさん見てきた私はその点を大声で言ってくれたことに投票する。
金もうけをして悪いとは言わないが、自然保護とか環境保護なんて言って真の目的はお金という悪人を断罪したい。