環境から生物が影響を受けて進化するだけではなく、関係する生物や他の個体もいる「場」に逆に影響を与え、共に進化していくということ、計算機をも用いながら示している本です。
小生の印象に残った点は以下です。
・ゲームの理論をシミュレーションすると「小さな集団で人を信じ、うまくいき、ネットワークを拡大し、その中に信じられない人が入り、集団全体がただ乗り/不信モードになり、ネットワークが切れ、再び小さな集団に戻る」がループする。
・病原菌は、感染が容易な環境では宿主を殺しても他の菌に勝たなければ生き残れないので強毒化するが、感染が簡単ではない清潔な環境では、宿主を殺すと自分も死ぬので、弱毒化する。
・タコの目は、人間の目とは別系統に進化した目
・文化的遺伝子(ミーム)というものと、ヒトの生物的遺伝子とも相互作用する。(例:酪農文化の欧州では、大人になっても乳製品を分解できる酵素を持つヒトが多い) ミームは、Social Mediaのように伝搬が早く、記録が残る時代に更に影響が大きくなりそう。
・学習は、変化が激しい環境では有用だが、変化しない環境では学習コストというデメリットの方が大きくなり、学習しないものが残るようになる。
「モノ/身体ではなく、コト/状態というものが生命の本質では?」「生命とは、個体だけではなく、もっと広く捉えられるのでは?」という著者の説には説得力があるように思います。上記に挙げたような例も、Social Mediaでの信頼関係や、変化を嫌う日本伝統風土において学習が歓迎されない事実を、よく説明しているような気がして、興味深く読みました。
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