この本は遺伝統計学と分子生物学(というかいわゆるバイオインフォマティクス)分野への機械学習手法の適用について解説した本ではありません。
題材自体は遺伝統計学と分子生物学から取られていますが、話題として論じられているのは副題の「多重検定と推定量設計」に限定されているので、そちらに関心がない人にはお薦めできません。
この本は、このシリーズが読者として想定していると思われる情報工学系で生物系の基礎知識を欠いている学生向けの教科書とは言い難いし、そもそもこの分野での機械学習手法の応用の解説を意図した本ではないので、まえがきにあるような「本書をきっかけに、多くの機械学習手法が生命情報処理に応用され」ることは残念ながら考えにくいので星2つです。
実際、機械学習のパラダイムには「検定」なるもの自体が登場しないことは著者の先生自身が充分承知しているのではないかと思います。
教科書を探しているのであれば、長田先生の『進化で読み解く バイオインフォマティクス入門』等を買われた方が良いかと思います(長田先生の本には、この本には説明がないNGSのリードからゲノム配列を決めるアルゴリズムについてもきちんとした解説があります)。
それとこの本を買うような人は先刻承知だとは思いますが、この本にはソースコードは一切載っていないので念のため書いておきます。
ただ情報工学系の本らしくバイオインフォマティクス本には絶対に出て来ない計算量削減手法についての解説があり、ビッグデータってデカ過ぎる行列(やあり得ない数の組合せ)の計算のことだと昨年末に思うようになった自分には話題として興味深いので、この本を買ったのはムダではなかったと思っています。
ちなみに第2章で出て来るLAMP法は組合せの最適化にあたるようですが、データマイニングで使われる手法を利用して計算量の削減を図っているようです。
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生命情報処理における機械学習 多重検定と推定量設計 (機械学習プロフェッショナルシリーズ) 単行本(ソフトカバー) – 2015/12/9
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機械学習に携わる技術者向け。必要な生命科学の基礎を述べ、遺伝子解析に使われる多重検定を解説する。また、複数の具体例を通して推定量を設計する方法を紹介した。大規模データを生命科学の発見につなげる道筋がわかる。
【機械学習プロフェッショナルシリーズ】
本シリーズでは、発展著しい機械学習技術の数学的な基礎理論、実用的な
アルゴリズム、それらの活用法を、全29巻にわたって刊行する。
ビッグデータ時代を牽引している若手・中堅の現役研究者が、入門的な
内容から最先端の研究成果までをわかりやすく解説。
これからデータサイエンス分野で研究を始めようとしている大学生・大学
院生、および、機械学習技術を基礎科学や産業に応用しようとしている
研究者・技術者に向けた注目のシリーズである。
第3期として、以下の3点を刊行!
劣モジュラ最適化と機械学習 河原 吉伸/永野 清仁・著
スパース性に基づく機械学習 冨岡 亮太・著
生命情報処理における機械学習 瀬々 潤/浜田 道昭・著
第4期の刊行は2016年4月、第5期の刊行は2016年8月の予定。
【シリーズ編者】
杉山 将 東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
【機械学習プロフェッショナルシリーズ】
本シリーズでは、発展著しい機械学習技術の数学的な基礎理論、実用的な
アルゴリズム、それらの活用法を、全29巻にわたって刊行する。
ビッグデータ時代を牽引している若手・中堅の現役研究者が、入門的な
内容から最先端の研究成果までをわかりやすく解説。
これからデータサイエンス分野で研究を始めようとしている大学生・大学
院生、および、機械学習技術を基礎科学や産業に応用しようとしている
研究者・技術者に向けた注目のシリーズである。
第3期として、以下の3点を刊行!
劣モジュラ最適化と機械学習 河原 吉伸/永野 清仁・著
スパース性に基づく機械学習 冨岡 亮太・著
生命情報処理における機械学習 瀬々 潤/浜田 道昭・著
第4期の刊行は2016年4月、第5期の刊行は2016年8月の予定。
【シリーズ編者】
杉山 将 東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2015/12/9
- 寸法15.2 x 1.3 x 21.2 cm
- ISBN-104061529110
- ISBN-13978-4061529113
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
創薬や医療、農業、環境問題に情報科学が果たす役割と実際の手法がわかる。生命科学の基礎のキソからスタートする親切な設計。検定の多重度に対する新しい対応法を紹介した。配列解析における推定量設計を古典的方法から最新情報まで解説する。
著者について
瀬々 潤
博士(科学)。
1999 年 東京大学工学部計数工学科卒業、
2003年 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 博士後期課程中退、
2005年 博士(科学)取得(東京大学 新領域創成科学研究科)。
現在、産業技術総合研究所創薬基盤研究部門主任研究員。
浜田 道昭
博士(理学)。
2000 年 東北大学理学部数学科卒業、
2009 年 東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻博士課程修了。
現在、早稲田大学理工学術院 准教授。
博士(科学)。
1999 年 東京大学工学部計数工学科卒業、
2003年 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 博士後期課程中退、
2005年 博士(科学)取得(東京大学 新領域創成科学研究科)。
現在、産業技術総合研究所創薬基盤研究部門主任研究員。
浜田 道昭
博士(理学)。
2000 年 東北大学理学部数学科卒業、
2009 年 東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻博士課程修了。
現在、早稲田大学理工学術院 准教授。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
瀬々/潤
博士(科学)。1999年東京大学工学部計数工学科卒業。2003年東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻博士後期課程中退。現在、産業技術総合研究所創薬基盤研究部門主任研究員
浜田/道昭
博士(理学)。2000年東北大学理学部数学科卒業。2009年東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻博士課程修了。現在、早稲田大学理工学術院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
博士(科学)。1999年東京大学工学部計数工学科卒業。2003年東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻博士後期課程中退。現在、産業技術総合研究所創薬基盤研究部門主任研究員
浜田/道昭
博士(理学)。2000年東北大学理学部数学科卒業。2009年東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻博士課程修了。現在、早稲田大学理工学術院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2015/12/9)
- 発売日 : 2015/12/9
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 192ページ
- ISBN-10 : 4061529110
- ISBN-13 : 978-4061529113
- 寸法 : 15.2 x 1.3 x 21.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 550,315位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 783位情報学・情報科学全般関連書籍
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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2019年12月30日に日本でレビュー済み
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役に立った
2018年3月2日に日本でレビュー済み
前半と後半で著者が違うため、疑似コードの記述方針に違いが見られたり、本文の記述の方針にも違いが現れていますが、全体としてはバイオインフォマティクスに関するリファレンス的一冊です。後半は、著者も述べているように「自己完結的にするために基本的な事柄」がしっかり記述されています。具体的には、それぞれの公式の証明が記載されています。確かに自己完結的と感じられました。詳細に記述されていますが、記載されている内容をこの書籍だけで理解するには、足りないように感じました。バイオインフォマティクスと数学の事前知識か、補足用に関連書籍が必要だと思います。 ※まだ正誤表が公開されていません。