こんなに心の動きを繊細に描ける作家さんがいるのか、というのがこの作品に出会った時の感想です。
その点において比べられる作家といえば羽海野チカさんぐらいでしょうか。他には思いつきません。
子育て、死別、離婚、仕事、子離れ、などなど毎回たくさんのテーマを混ぜ込んでおきながら
その全てを誠実さと繊細さで見事な物語に昇華させています。読むたびに「すごいなぁ」と感じていました。
終わって欲しくはなかったけれど、時間が進むタイプの漫画である以上、人は成長し、小鳥も
立派に料理ができるようになったので、仕方ないですね。
この最終巻では、2話目が本編最終回で、その後は番外編という構成。
番外編というと、その後の世界ばかりを描きがちなところを、しっかりとつむぎが生まれるエピソードを1回目に描いているところに
作者さんのこの作品に対する愛を感じます。犬塚先生と小鳥がいい感じになって終わり、ではなく、犬塚先生にはとても愛していた奥さんがいた、
つむぎにとってもかけがえのない母親がいた、という話をズバッと描いているのです。一本筋が通っている作家さんだなとつくづく思います。
番外編ではちょっとずつ時間が進み、最終話では、もはや再婚も難しい年齢になった犬塚先生と、30歳手前まで独身の小鳥と、
18歳になって成長し「小鳥は自分の父親を好きなのではないか?」と感づいているつむぎの3人が、大学進学で親子が離れるテーマと共に描かれます。
つむぎは二人が結婚してくれれば良いと考えているようですが、とりあえずなりゆきに任せてますね。でもきっと、最後の一押しはやっちゃうような気が。
前巻の小鳥の告白シーンで、犬塚先生が言った答えは本人の素直な気持ちを伝えたものなんだろうと思いますが
ある意味小鳥の印象が「ただの生徒」から「尊敬できる人間」へと変化したことを認める発言でもあるように感じていたので、
やっぱり二人の結婚はありえるのではないでしょうか。これ以上描く必要はない、と言える素晴らしい終わり方でした。
他にもたくさんの魅力的なキャラクターたちがいたので、それぞれどうなったのか気になります。ヤギはずっと独身なんだろうか、小鳥の両親は?
そういうサブキャラクターたちの事が気になる、想像したくなる、というところが良い漫画の証明でもありますね。
できればあと1冊ぐらいサブキャラのみの番外編を描いて欲しいです。
ずっと、ずっと、楽しませてもらいました。私にとっても一生忘れられない名作です。作者さんお疲れ様でした。そしてありがとうございました。
次回作を楽しみにしています。
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甘々と稲妻(12) (アフタヌーンKC) コミック – 2019/2/7
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妻を亡くした高校教師・犬塚は、単身で娘・つむぎの子育て中。料理が苦手な彼だが、教え子の小鳥と一緒にご飯を作って、娘と3人で食べることに!小学2年生になったつむぎ。すくすく育つつむぎとは対照的に、犬塚は体調を崩し気味。病院に検査へ通う父親に、不安を隠せないつむぎだが…。累計290万部超の大人気食卓ドラマ、いよいよ完結巻!つむぎ誕生秘話や、中学&高校時代を描く番外編もたっぷり収録。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2019/2/7
- 寸法13 x 1.7 x 18.3 cm
- ISBN-104065144981
- ISBN-13978-4065144985
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商品の説明
著者について
雨隠 ギド
2007年に「Wings」(新書館)でデビュー。
代表作に『ファンタズム』『まぼろしにふれてよ』(新書館)、『恋煩いフリークス』(エンターブレイン)など。
2013年2月より、「good!アフタヌーン」で『甘々と稲妻』を連載開始。
2007年に「Wings」(新書館)でデビュー。
代表作に『ファンタズム』『まぼろしにふれてよ』(新書館)、『恋煩いフリークス』(エンターブレイン)など。
2013年2月より、「good!アフタヌーン」で『甘々と稲妻』を連載開始。
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
インターネットでこの作品に関する感想を見ていると、
「先生と小鳥ちゃんは結婚しないの?」という感想もチラホラ散見されましたが、
個人的にはこの終わり方で良かったと思います。
何故なら「食を通じてつむぎの成長を描く」というテーマがぶれず、一本の筋が通っているからです。
もし、先生と小鳥ちゃんが結婚する話を描いていたら、
つむぎが大学生になって精神的に独り立ちする話がこの最終巻に入らなかったと思います。
自分は先生と小鳥ちゃんの結婚式より、つむぎが大人になった所の方が正直見たかったので、
この構成は嬉しかったですね。
しかし、こういう構成と手法はなかなか出来ることじゃないと思います。
今まで本編では時間の経過を丁寧に描いていたので、つむぎが大人になる所まで描きたいとなると、
それこそ、こち亀並に巻数が必要になるじゃないですか?
敢えて最終回を描いて一旦終わらせることで時間軸を一回切って、
番外編にすることで色んな時間軸を描くことにしたのは、とてもいい判断だったと思います。
作者さんは時間を掛けて丁寧にストーリーを練っているんだなぁ…と感じました。
今作品はここで終わりということなので、次回作に期待します!
「先生と小鳥ちゃんは結婚しないの?」という感想もチラホラ散見されましたが、
個人的にはこの終わり方で良かったと思います。
何故なら「食を通じてつむぎの成長を描く」というテーマがぶれず、一本の筋が通っているからです。
もし、先生と小鳥ちゃんが結婚する話を描いていたら、
つむぎが大学生になって精神的に独り立ちする話がこの最終巻に入らなかったと思います。
自分は先生と小鳥ちゃんの結婚式より、つむぎが大人になった所の方が正直見たかったので、
この構成は嬉しかったですね。
しかし、こういう構成と手法はなかなか出来ることじゃないと思います。
今まで本編では時間の経過を丁寧に描いていたので、つむぎが大人になる所まで描きたいとなると、
それこそ、こち亀並に巻数が必要になるじゃないですか?
敢えて最終回を描いて一旦終わらせることで時間軸を一回切って、
番外編にすることで色んな時間軸を描くことにしたのは、とてもいい判断だったと思います。
作者さんは時間を掛けて丁寧にストーリーを練っているんだなぁ…と感じました。
今作品はここで終わりということなので、次回作に期待します!
2019年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
甘々と稲妻の最終巻。
終わってしまうのはさみしいけれど、凄く良い終わり方で、途中からずっとだぁーっと泣いて読んでました。
つむぎが生まれる時のお話と大きくなってからのお話がいくつか番外編として入っていて、お話に厚みを持たせています。
森薫さんのエマの8巻から10巻もそうですけど番外編が凄く良い。もっとずっと続いて欲しい。
でも、やっぱりここで終わるのがベストなんだろうと思う。
「ふとした折に読み返して、また同じように泣くんだろうな。」と思える作品が1つ増えました。
そういう作品は人生の宝物です。
本当にありがとうございました。お疲れさまでした。
終わってしまうのはさみしいけれど、凄く良い終わり方で、途中からずっとだぁーっと泣いて読んでました。
つむぎが生まれる時のお話と大きくなってからのお話がいくつか番外編として入っていて、お話に厚みを持たせています。
森薫さんのエマの8巻から10巻もそうですけど番外編が凄く良い。もっとずっと続いて欲しい。
でも、やっぱりここで終わるのがベストなんだろうと思う。
「ふとした折に読み返して、また同じように泣くんだろうな。」と思える作品が1つ増えました。
そういう作品は人生の宝物です。
本当にありがとうございました。お疲れさまでした。
2019年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前巻で涙腺崩壊して覚悟して読みましたが、最終巻はじんわりと胸に染みていくようなあたたかな終わりでした。
後日談が丁寧に綴ってあるのがとても嬉しい。
「つむぎ」の名付けに悩むお話で、鳥の鳥の名前とかいいと奥さんが話していたことが嬉しかった。
小鳥ちゃんと出会えたことが導きにすら感じる。
多くは説明しなくても、そうだったらいいなと読者に想像させてくれる描写が
すごく上手だなと思った。
小鳥ちゃんと先生の関係も、全部説明してないけど繋ぐ手の描写が涙が出るくらい嬉しかった。
素敵な作品をありがとうございました。
レーズン入りのドライカレーは我が家の定番です。
後日談が丁寧に綴ってあるのがとても嬉しい。
「つむぎ」の名付けに悩むお話で、鳥の鳥の名前とかいいと奥さんが話していたことが嬉しかった。
小鳥ちゃんと出会えたことが導きにすら感じる。
多くは説明しなくても、そうだったらいいなと読者に想像させてくれる描写が
すごく上手だなと思った。
小鳥ちゃんと先生の関係も、全部説明してないけど繋ぐ手の描写が涙が出るくらい嬉しかった。
素敵な作品をありがとうございました。
レーズン入りのドライカレーは我が家の定番です。
2019年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あー、楽しみだった漫画がまたひとつ。
喪失感。
え、これで終わり?
からの番外編。雑誌未掲載の書き下ろし?
それぞれ
おとさんと小鳥ちゃんの関係も、明示されていないものの、
読者が望んだ結果になったのではと信じるには十分な描写。
永遠に続いてほしいと思った作品の一つだったが、満足感。
みてたよ
これからもみてるよ
喪失感。
え、これで終わり?
からの番外編。雑誌未掲載の書き下ろし?
それぞれ
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読者が望んだ結果になったのではと信じるには十分な描写。
永遠に続いてほしいと思った作品の一つだったが、満足感。
みてたよ
これからもみてるよ
2019年10月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「うさぎドロップ」「高杉さん家のおべんとう」しかり、くっつく必要ある?と思う作品にこれも分類されます。
言葉を選ばずに言うなら、生理的に気持ち悪い。
全ての題材で、年上男性と年下女性の恋愛は結ばれるのはおかしい!と言いたいのでは無く、
この3作品は、恋愛感情が無くても家族愛で十分素晴らしいし、尊い関係性じゃない?って事です。
甘々と稲妻で言うなら、家族ですら無いけど家族のように大切な人という存在じゃ駄目だったんですかね?
全ての作品が「恋は雨上がりのように」みたいに成就しないのが良いわけじゃ無いんです……
うさぎドロップ、高杉さんちのお弁当、甘々と稲妻に言える事は、元々の主題はそこじゃないでしょうって事。
年月が経てば関係も変わるのは理解出来ますが、恋愛至上主義やめてくれ。
言葉を選ばずに言うなら、生理的に気持ち悪い。
全ての題材で、年上男性と年下女性の恋愛は結ばれるのはおかしい!と言いたいのでは無く、
この3作品は、恋愛感情が無くても家族愛で十分素晴らしいし、尊い関係性じゃない?って事です。
甘々と稲妻で言うなら、家族ですら無いけど家族のように大切な人という存在じゃ駄目だったんですかね?
全ての作品が「恋は雨上がりのように」みたいに成就しないのが良いわけじゃ無いんです……
うさぎドロップ、高杉さんちのお弁当、甘々と稲妻に言える事は、元々の主題はそこじゃないでしょうって事。
年月が経てば関係も変わるのは理解出来ますが、恋愛至上主義やめてくれ。
ベスト1000レビュアー
Amazonで購入
Kindle配信始まって数分後つまり平日明日も仕事の深夜に読んでハマってホラもう2時だぞ。でも、最高のエンディングかくあるべしと言うべきすばらしいエピソードがこれでもかと次から次へ、まるでフルコースか懐石か!いや角煮とエビフライだな。とにかく、安心して最終巻を堪能できます。もう保証しちゃおう。
ココから読み始める人は流石に少ないでしょうがそこかしこにある表情やセリフはぜんぶこれまでの長くて短いこのパパムスメ&周りの優しい人たちと過ごした時間にリンクしてたりします。もう、次の週末には初心に返って、桜の木の下でジャージ着て泣きながらごはんを食べてた小鳥ちゃんから全部読み返したい。何というか、流行りとかグルメとかの薄いプロデュースが透けて白ける心配が一切不要な、丁寧に力と手を抜かず作られた、ただ美味しいだけでは言葉が足らない幸せになれるごはん、お料理のような作品です。読めてよかったなあ。作者ギドさま、担当、スタッフ各位お疲れ様でした。しばらくはつむぎちゃん達の今と今後に想像力をほとんど持っていかれそうな余韻に浸って過ごします。ふぅ。寝るか。
ココから読み始める人は流石に少ないでしょうがそこかしこにある表情やセリフはぜんぶこれまでの長くて短いこのパパムスメ&周りの優しい人たちと過ごした時間にリンクしてたりします。もう、次の週末には初心に返って、桜の木の下でジャージ着て泣きながらごはんを食べてた小鳥ちゃんから全部読み返したい。何というか、流行りとかグルメとかの薄いプロデュースが透けて白ける心配が一切不要な、丁寧に力と手を抜かず作られた、ただ美味しいだけでは言葉が足らない幸せになれるごはん、お料理のような作品です。読めてよかったなあ。作者ギドさま、担当、スタッフ各位お疲れ様でした。しばらくはつむぎちゃん達の今と今後に想像力をほとんど持っていかれそうな余韻に浸って過ごします。ふぅ。寝るか。