言わば今回は、やがて来るであろう主人公チームと今作品の裏ボスとの対決の前哨戦のような回になってます。
この巻でのメインとして扱われるのが、ある意味主人公と同じ系統の価値観を持つ先輩系ヒロイン、日野春幸(ひのはるさち)。
つまり、自分がこれが最高に楽しいことだ!と見定めた事に全力で打ち込んで周りをガンガン巻き込んで〝普通〟なんてものを飛び越えてあらゆる非常識を実現し、最高に楽しい日常生活を実現させるために自分の全てを賭ける事を厭わないタイプ、の人。
実現させる手法こそ違えど、彼女は主人公と同種の在り様を示すキャラクターなのですが、その人物が、裏ボスの暗躍によりいいようにその掌の上で転がされ踊らされ一旦は潰されかけたところを主人公チームの頑張りにより再び眼差しを上に向けなおすのですが最後にまた……
そうなんですよね…。
この巻の最初の章のタイトルが「幕引き」になっていて、んんん?今からお話始まるのに何で幕引きなんだ?と思ったのですが、その段階ですでに裏ボスのターンは終わってたんですよね…。
今回、主たる部分では裏ボス様はほとんどその影を見せません。
主人公の相棒たる〝共犯者〟上野原さんが何度も何度も主人公に、「イレギュラーに気を付けてね」と遠回しに注意を促していましたが、残念ながら今回に関して言えばお話が始まった段階ですでに彼女の種まきはとっくに終わっていたんですよね…。巻末まで読み終わりその事に気付かされた時には本当にぞっとしました。
主人公は、主人公チームはこんなのを相手に最後まで戦い抜かなければいけないのだなと……。
ただ、主人公の今までの、そして今回の頑張りが必ずしも全て無駄だったわけでは決してなく。
その芽がちゃんと周りの人々、前巻のヒロインであった勝沼さんや主人公が友人グループとして設定した鳥沢君や常葉君、そして今回のヒロインである日野春さん達にはしっかりと根を張り始めていて。
それがいずれ訪れる、主人公と〝現実〟との対決の時に大きな力になってくれるのであろうと予想してみたり。
…安易ですかね?
そして、その彼の最高のバディであるところの上野原さんはある悩みに囚われ続けます。
自分が〝普通〟で薄っぺらくてただの凡人に過ぎない、という事に。
実はその思いこそが、彼女をして彼の計画(計画と書いてラブコメとルビるらしい)に参加させるに至った理由の一つだったりするのですが。
今回ある出来事でその認識をさらに強める事になった彼女は深く深くその思いに苦しめられます。
でも多分。
この物語がさらに進んで、主人公がもっと過酷な相手と戦わなければいけなくなった時に、彼女が彼の隣に居続けてくれていた事が何よりも彼にとって最高の力になってくれるのではないかと現段階で勝手に思っております。
つまりは。
ラブコメ適性C(ふつう)であった彼女こそがこの物語において最高の〝メインヒロイン〟として輝く日がやって来る事を信じたいのです、読む側としては。
そんな、主人公視点の〝メインヒロイン〟と読み手視点での〝メインヒロイン〟が異なるというある意味稀有な作品。
の、未来予測に見せかけたただの私個人の希望垂れ流し純度100%なレビュー文…。
頑張れ、上野原さん(迫真
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現実でラブコメできないとだれが決めた? (3) (ガガガ文庫 は 8-3) 文庫 – 2021/5/18
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第三章 生徒会長ヒロインを確立せよ!
7月初旬、耕平はとあるラブコメを画策していた。
それは、日野春幸先輩の推薦人として“生徒会選挙イベント”を実現すること!
庶務・会計監査を務める彼女なら、必ず立候補するはず。
選挙を通じて、育まれていくヒロインとの関係。密かに芽生える恋心・・・・・・。
そんな妄想を胸に意気込む耕平だが、先輩は選挙に出馬しないつもりらしい!?
あの手この手を尽くすが、なかなか意志は固いよう。すると、その様子を見た鳥沢から、ある頼み事を持ちかけられる--。
さまざまな思惑が交差する、『実現する』ラブコメ第三弾!
7月初旬、耕平はとあるラブコメを画策していた。
それは、日野春幸先輩の推薦人として“生徒会選挙イベント”を実現すること!
庶務・会計監査を務める彼女なら、必ず立候補するはず。
選挙を通じて、育まれていくヒロインとの関係。密かに芽生える恋心・・・・・・。
そんな妄想を胸に意気込む耕平だが、先輩は選挙に出馬しないつもりらしい!?
あの手この手を尽くすが、なかなか意志は固いよう。すると、その様子を見た鳥沢から、ある頼み事を持ちかけられる--。
さまざまな思惑が交差する、『実現する』ラブコメ第三弾!
- 本の長さ392ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2021/5/18
- ISBN-104094530061
- ISBN-13978-4094530063
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2021/5/18)
- 発売日 : 2021/5/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 392ページ
- ISBN-10 : 4094530061
- ISBN-13 : 978-4094530063
- Amazon 売れ筋ランキング: - 78,128位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
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2021年5月24日に日本でレビュー済み
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8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2021年7月18日に日本でレビュー済み
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どなたもよく読み込んでおられ、この作品の深さが伝わってきます。内容、構成、盛り上り、伏線の回収とかは文句なし!最後の方、やけに引っ張るなと思ってたら、やはりそういうことか。決着は4巻。最後の「ただの日常の会話」、これは...凄い!これは学校でも会社でも当てはまる。これら誹謗中傷もどきのムード、どう払拭するのか?そしてその頂点に居るのは、ラスボス、ダークヒロイン。4巻でとうとう対決か?3巻までは、あの手この手で、ひっくり返したのは見事だったが、次は手強い。4巻の展開で、この作品の真の評価が試される。どうする耕平!(鳥沢目線で)面白いとこ見せてくれよ!
星5と言いたいところだけど、生徒会選挙の幕なのに、生徒会関係者が2人しか出てこないってのはどうなのか?
星5と言いたいところだけど、生徒会選挙の幕なのに、生徒会関係者が2人しか出てこないってのはどうなのか?
2021年6月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ラブコメ」と言う非現実的な設定を実現させようとしているのに対して、「現実見ろよ」の言葉で主人公に問題が立ちはだかるっていう流れなのに、その現実が非現実的過ぎてすっきりしないまま終わった。まともな進学校のはずなのにラストだけ悪意溢れまくりで、根本的な部分から違和感が残って、次でどう整合性とるんだろって意味で気になる。主人公の望んだ「非現実的なストーリー」を壊す為に、メインヒロインの望まない「普通じゃない」「非現実的な結果」を現実に据える違和感に現状耐えきれないので、星下げました
2021年5月22日に日本でレビュー済み
今作でシリーズ3巻目ですが、舞台に特殊な設定が無い学園ラブコメで、本筋とキャラクターを共に毎回魅力的に描けているのがまず凄いと思います。
今回は生徒会選挙と先輩キャラにスポットが当たりますが、それ以上に「自分はどうしたいのか」と「他人はそれに対してどう思うのか」が全体を通しての大きなテーマだと感じました。
空気を読むこと、常識で考えることは生活していく上で重要な事です。
しかし、それが自分の意に反する場合はどうすれば良いのか……?
多くの登場人物が自分達の信念に基づいて行動をしていてとても読み応えがありました。
今回もやはり7番さんのヒロイン力が天井知らずです。マジかわいい(語彙力低下)
ラストが気になる感じで終わったので、次巻が待ち遠しいです。
今回は生徒会選挙と先輩キャラにスポットが当たりますが、それ以上に「自分はどうしたいのか」と「他人はそれに対してどう思うのか」が全体を通しての大きなテーマだと感じました。
空気を読むこと、常識で考えることは生活していく上で重要な事です。
しかし、それが自分の意に反する場合はどうすれば良いのか……?
多くの登場人物が自分達の信念に基づいて行動をしていてとても読み応えがありました。
今回もやはり7番さんのヒロイン力が天井知らずです。マジかわいい(語彙力低下)
ラストが気になる感じで終わったので、次巻が待ち遠しいです。