現代霊性論というテーマで内田樹と釈徹宗が講義で対談した内容を書籍化したもの。
オカルティズムを排し、「現代」的なアプローチで霊性について対談するというところに面白さを感じて購入しました。
釈徹宗の見解には新しい発見もありましたし、感心するところもありました。
しかし内田樹は自分で記すほど現代的なアプローチは取っていません。
もともとの思想観に神秘主義的で保守主義なところがあるのだと思いますが、少なくとも著者がいうほど「現代」的アプローチは取っていません。
また宗教学的にもご本人が書いている通り「素人」です。「その制度文物の宗教的な意味は何か? それはどのように宗教的に機能しているか?」というところに関心があるそうですが、このアプローチは宗教学的には真逆のアプローチで、単に個人の偏向でしょう。
あらゆることに宗教的機能を見出せるとしたらそれはこじ付けも含まれてしまいます。またここでいう宗教とは何かという議論がなされないまま、議論をしても始まりません。
現代的な宗教学的アプローチをもとに議論を展開するなら、「宗教的教義や祭儀が現代社会ないし個人にとってどのような機能や役割を担うのか?」について論ずるべきです。
よってタイトル=テーマと内容に乖離があることから低評価をつけました。
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