少し前の話だが、明治維新150年を盛り上げようとする動きに違和感があったが案の定盛り上がらなかった。またNHK大河ドラマで西郷隆盛を「革命家」と描きたさそうな節があるのを疑問に思ったり、さかのぼると歴史の授業でいろいろな革命が黒板に列挙され“明治維新”もあったが、教師曰く「本当はちょっとこれは違うんだけど一応...」とか歯切れが悪かった記憶。今更ニッポンなるものに幻想は抱いてない...評者はそういうスタンスでこの号にあたった。
歴史は描きたいように描けてしまうグレーゾーンがあり各稿の立場も全く同じではないので多少混乱する読者もいるかもしれないが、総じて明治維新の全体像を「国民」の概念など根っこから現在なお滅していない大日本帝国の亡霊に至るまでよく理解できる。日本の辺境性という(欠点と同時に)好運、鏡像として自己中心的なアジア主義は重要だが、天皇制にあまり踏み込んでいないのはやや物足りないところだ。維新が復古とはなにかがおかしいはずだ。
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