「高坂 正堯」を読んでいる。
子供の本棚を何気に見ていたら「高坂正堯」を見つけた。
懐かしい名前だ。大学の頃、彼は、右翼の論客という事だった。最後の学生運動をしていた我々には、「右翼=アメリカ帝国主義」であり、先輩達は、「彼の論考は唾棄すべきものであり人民の敵そのもの」という主張であった。
だから、私にとっても「高坂正堯」=右翼のどうしようもない評価に値しない人であった。そのため彼の著作を読むこともなかった。
さて、「高坂正堯」を読んでみた。そして考えた。
なぜ、あの頃、あんなに忌み嫌ったのか。読みもしないで、先輩達の言を鵜呑みにして。大体、彼の著作を彼らが理解した上での批判だったのか?そのことに気がつくまで、こんなにかかってしまった。
この年齢になってようやく、自分の頭で考えようとしている自分に気がついた。
現代史の中で考える (新潮選書) (日本語) ペーパーバック – 1997/10/1
高坂 正堯
(著)
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本の長さ229ページ
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言語日本語
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出版社新潮社
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発売日1997/10/1
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ISBN-104106005263
-
ISBN-13978-4106005268
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
世界が揺れた激動の世紀末を、洒脱な「高坂節」が斬る!我らの進むべき道も歴史の生かし方次第。
内容(「MARC」データベースより)
ソ連崩壊、天安門事件など歴史を揺さぶった大波に同時進行形で立ち向かいつつ、世界史という知の宝庫から世紀末サバイバル術を提唱する著者最後の力作。洒脱な語りで、日本のとるべき道を指し示す。
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1997/10/1)
- 発売日 : 1997/10/1
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 229ページ
- ISBN-10 : 4106005263
- ISBN-13 : 978-4106005268
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Amazon 売れ筋ランキング:
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- カスタマーレビュー:
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2019年11月17日に日本でレビュー済み
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2010年8月2日に日本でレビュー済み
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亡くなられてから12年が経とうとしている。高坂氏の業績は語り尽くせるものではないが、こうして現在でも通ずる世界史・世界情勢・日本史・政治についての卓越した見解が読めることはありがたい事である。
本書は大きく3部に分かれており、大英帝国及び英国について、変化の時代として天安門事件とソ連解体、日本の近代についてとなっている。いずれも講演録の描き起こしや雑誌への寄稿がもとになっているため、読み易い。
大英帝国に関しては、世界初の万博について語り始める。産業革命を世界に先駆けて実現したのに対して、その後他国に遅れをとり、2度の世界大戦の後で覇権国家の座を譲り渡したその社会構造や精神性について語る。
天安門事件では、支那の国体がああいうものだから、今後15年後ぐらいに大きくなった隣国に日本が怯えるようになるのではないかと予測している。現実にはまさに移民に乗っ取られようとしている。ソ連解体についても共産主義とは一体何であったのか考察する。ここではレイモン・アロンという学者の「知識人の阿片」という本を紹介し、歴史的な楽観主義(歴史は良い方に進む)と合理主義(理性で社会を管理できる)の極端な形が共産主義であると述べている。これは非常に本質を得た意見であり、左派が無視しているこのような学説をきちんと紹介しているところに好感が持てる。
日本については、パール・ハーバー50周年の年に大東亜戦争を振り返り、戦争に対する山本五十六のやる気の無さを指摘して不思議がっている。この疑問はきちんと解明すべきで、山本五十六が英雄だなどとトンデモ論も良い所である。あれだけ真珠湾奇襲以外に見るところもない人物が何故日本でまだ尊敬されているのか、日本人は左派・右派問わずに良く考えなおすべきではないか。
その他日本における皇室の役割を高く評価している。権力と分離された権威の役割を正当に評価しており、大統領制の国の危うさを指摘している。また、戦争の原因ともされる大日本帝国憲法の統帥権等、天皇の地位についても明らかにわざと曖昧にしてあり法律としての不備、それを運用してきた明治の元勲の知恵を称えている。
本書は大きく3部に分かれており、大英帝国及び英国について、変化の時代として天安門事件とソ連解体、日本の近代についてとなっている。いずれも講演録の描き起こしや雑誌への寄稿がもとになっているため、読み易い。
大英帝国に関しては、世界初の万博について語り始める。産業革命を世界に先駆けて実現したのに対して、その後他国に遅れをとり、2度の世界大戦の後で覇権国家の座を譲り渡したその社会構造や精神性について語る。
天安門事件では、支那の国体がああいうものだから、今後15年後ぐらいに大きくなった隣国に日本が怯えるようになるのではないかと予測している。現実にはまさに移民に乗っ取られようとしている。ソ連解体についても共産主義とは一体何であったのか考察する。ここではレイモン・アロンという学者の「知識人の阿片」という本を紹介し、歴史的な楽観主義(歴史は良い方に進む)と合理主義(理性で社会を管理できる)の極端な形が共産主義であると述べている。これは非常に本質を得た意見であり、左派が無視しているこのような学説をきちんと紹介しているところに好感が持てる。
日本については、パール・ハーバー50周年の年に大東亜戦争を振り返り、戦争に対する山本五十六のやる気の無さを指摘して不思議がっている。この疑問はきちんと解明すべきで、山本五十六が英雄だなどとトンデモ論も良い所である。あれだけ真珠湾奇襲以外に見るところもない人物が何故日本でまだ尊敬されているのか、日本人は左派・右派問わずに良く考えなおすべきではないか。
その他日本における皇室の役割を高く評価している。権力と分離された権威の役割を正当に評価しており、大統領制の国の危うさを指摘している。また、戦争の原因ともされる大日本帝国憲法の統帥権等、天皇の地位についても明らかにわざと曖昧にしてあり法律としての不備、それを運用してきた明治の元勲の知恵を称えている。
ベスト1000レビュアー
高坂教授が急逝されたのが1996年5月、大学時代ゼミ生として先生の教えを乞うたものとして、大いなる悲しみと驚きを感じたことは
当然覚えている。然し、それから20年ほど経ち、私もそれなりの歳を取り、ここに来て先生の本を無性に読みたくなることが
多くなっている。この書物「現代史の中で考える」も先生の急逝を受け、急遽1997年に発行されたものである。当時すぐに購読した
が、20年後の今再読すると、やはり高坂教授の深くて広い歴史分析、国際政治に対する偏りのない理解に、驚くばかりである。
何時も公言してはばからなかった先生の英国好きは有名だが、第一章は「大英帝国の場合」と言う表題で、そう堅くない表現で
先生の「英国論」が展開される。当時言われていた「英国病」に触れて、英国の衰亡に言及されているが、現代の日本が歴史的
教訓として参考にすべき示唆も多い。また、1989年の天安門事件の直後に書かれた章もある。ここでは、鄧小平の残忍さを指摘し、
また、中国と韓国におけるナショナリズムの高まりは今後必ず問題になるであろうと言い切っておられる。私にとって面白かったのは、
ドイツの不安定さに触れているところ、経済至上主義が移民問題を起し、「過去の問題を反省しすぎる」と言う先生独特の表現で、
過激なまでの「反省」に対して苦言を呈しているのは、今の時代から見ても至言としか言いようがない。
先生の「予言」が当たっているかどうかと言うことが問題なのではない。物事の本質を見ようとする先生の考え方やアプローチの仕方を
少しでも学ぶことで、世の中の動きに煽られない偏向の無い考え方を醸造することが出来ると信じている。
当然覚えている。然し、それから20年ほど経ち、私もそれなりの歳を取り、ここに来て先生の本を無性に読みたくなることが
多くなっている。この書物「現代史の中で考える」も先生の急逝を受け、急遽1997年に発行されたものである。当時すぐに購読した
が、20年後の今再読すると、やはり高坂教授の深くて広い歴史分析、国際政治に対する偏りのない理解に、驚くばかりである。
何時も公言してはばからなかった先生の英国好きは有名だが、第一章は「大英帝国の場合」と言う表題で、そう堅くない表現で
先生の「英国論」が展開される。当時言われていた「英国病」に触れて、英国の衰亡に言及されているが、現代の日本が歴史的
教訓として参考にすべき示唆も多い。また、1989年の天安門事件の直後に書かれた章もある。ここでは、鄧小平の残忍さを指摘し、
また、中国と韓国におけるナショナリズムの高まりは今後必ず問題になるであろうと言い切っておられる。私にとって面白かったのは、
ドイツの不安定さに触れているところ、経済至上主義が移民問題を起し、「過去の問題を反省しすぎる」と言う先生独特の表現で、
過激なまでの「反省」に対して苦言を呈しているのは、今の時代から見ても至言としか言いようがない。
先生の「予言」が当たっているかどうかと言うことが問題なのではない。物事の本質を見ようとする先生の考え方やアプローチの仕方を
少しでも学ぶことで、世の中の動きに煽られない偏向の無い考え方を醸造することが出来ると信じている。
2006年4月23日に日本でレビュー済み
没後出版された、小文・講演集。著者は時に慎重に過去を描き、時に大胆に未来を予測してみせる。
慎重例は、パールハーバー陰謀説に関することだ。要は、ローズヴェルトは日本が戦争に踏み切ることは知っていた、だが真珠湾に来るとは予想し得なかった、という見解はまあ、まともな学者の公式見解である。だがそれを口語でしかも納得のいくように説明してくれるのはありがたい。
大胆な予測は、天安門に際して述べられた、中国の未来への悲観的予測である。この予測は、10年という短期的には外れている。しかし、長期的にはどうだろうか。
1979〜1991の話ということで情報としては古く、大抵の国際関係書籍は古びて役に立たなくなるところ、この本は違う。考え方、とらえ方を学ぶことが出来る。
慎重例は、パールハーバー陰謀説に関することだ。要は、ローズヴェルトは日本が戦争に踏み切ることは知っていた、だが真珠湾に来るとは予想し得なかった、という見解はまあ、まともな学者の公式見解である。だがそれを口語でしかも納得のいくように説明してくれるのはありがたい。
大胆な予測は、天安門に際して述べられた、中国の未来への悲観的予測である。この予測は、10年という短期的には外れている。しかし、長期的にはどうだろうか。
1979〜1991の話ということで情報としては古く、大抵の国際関係書籍は古びて役に立たなくなるところ、この本は違う。考え方、とらえ方を学ぶことが出来る。
2019年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
高坂先生は地政学の泰斗であるという評価も可能です、日本の行く末を見定める戦略が書かれている、大東亜戦争、太平洋戦争のことを味わい深く描いています、「あのころの日本は、国全体がどうしようもありません。個々の人間にはえらい人物がいるんです。軍人だけとっても、米内提督とか、山本連合艦隊長官とか、率直に言って大学の先生を考えても、我々より質的には上かなという感じがします。ただ、恐ろしゅう物を知らんやなということはありますけれども。つまり、精神のことはよく知っていたけれども政治経済の具体的なことはあまり知らないというか、・・・・・そういう欠点はありますけれども、なかなか人柄は立派やなあ。・・、時代が難しく・・・」このようにひょうひょうと平易な言葉で神髄をつく、難しい時代であるのはいつも同じである、ますます現在の日本は米中の狭間で決断に苦慮する、政治の智慧が求めれる昨今、現実的な日本国家像が得られます。