「今日は誰にも愛されたかった」を読んで、谷川俊太郎さんと連詩をしたふたりの歌人を知りました。
そのふたり、木下さんと岡野さんが男子高校生の一週間を歌った短歌集。
谷川さんがお二人を高校生と勘違いしたと言わせるだけの、
男子高校生のこころの中を瑞々しく、鮮烈に切り取った見事な歌集です。
あの時間しか持ちえない感情や視点、言葉にならないような言葉を、31文字に定着させています。
仕掛けとしてのミステリー要素は、やや不発な気もしますが、
それでも、確かに高校時代の7月第1週がありました。
もう忘れてしまっていた、あの夏の時間がありました。
「邦題になるとき消えたTHEのように何かがぼくの日々に足りない」
「しあわせになりたくないと書きましょう願ったことは叶わないから」
「倒れないようにケーキを持ち運ぶとき人間はわずかに天使」
好きな歌がいっぱい見つかる良作です。
玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ(1400円+税 ナナロク社) (日本語) 単行本 – 2017/12/19
木下 龍也
(著)
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本の長さ136ページ
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言語日本語
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出版社ナナロク社
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発売日2017/12/19
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ISBN-104904292774
-
ISBN-13978-4904292778
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ
若手歌人ふたりによる共著歌集。ある男子高校生ふたりの7月1日からの1週間が短歌によって描かれるが、日を追うごとに不穏さが増し、日常がゆらぐ。
一体、7日目に何があったのか。これは短歌によるミステリーの試みである。
スピンオフとして書かれた舞城王太郎の二つの掌編は女子高生の視点から描かれており、言葉にできない/しないけれど、無視することもできない感情をたくみに切り取っている。それはまさに著者のふたりが短歌にすくいあげてきたことで、小説と短歌が見事に共鳴していると言えるだろう。
本書は発売3週目で重版が、6週目には3刷が決まった。タイトルとなった短歌《玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ》のごとく誕生したこの歌集の今後が楽しみだ。
評者:後藤明日香
(週刊朝日 掲載)内容(「BOOK」データベースより)
男子高校生ふたりの七日間をふたりの歌人が短歌で描いた物語、二一七首のミステリー。最注目の新世代歌人、初の共著。
著者について
木下龍也(きのした・たつや):1988年山口県生まれ。2013年『つむじ風、ここにあります』、2016年『きみを嫌いな奴はクズだよ』を刊行。
岡野大嗣(おかの・だいじ):1980年大阪府生まれ。2014年『サイレンと犀』を刊行。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
木下/龍也
1988年1月12日、山口県生まれ。歌人。2013年に第一歌集『つむじ風、ここにあります』を出版
岡野/大嗣
1980年1月1日、大阪府生まれ。歌人。2014年に第一歌集『サイレンと犀』を出版(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1988年1月12日、山口県生まれ。歌人。2013年に第一歌集『つむじ風、ここにあります』を出版
岡野/大嗣
1980年1月1日、大阪府生まれ。歌人。2014年に第一歌集『サイレンと犀』を出版(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : ナナロク社 (2017/12/19)
- 発売日 : 2017/12/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 136ページ
- ISBN-10 : 4904292774
- ISBN-13 : 978-4904292778
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 64,633位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 37位歌集
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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ベスト500レビュアー
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役に立った
2018年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よんでいると眩しくてたまりません。
咀嚼して飲み込んであっ美味しいと気付くものもあれば、呼吸をするように景色が見えるものもある。(私はどちらかといえば後者の方が好きです)
そしてその景色はいつも見ているはずなのに気付いていなかったことに気付かされる。あるいは私以外の人々のこころになることができる(今回の作品では二人の男子高生の)。
これからずっとなにかがあったときもなにもなくても一緒にいたいです。
特に好きな歌
ベランダで翼を癒す7月の風を六畳間に入れてやる
台風が倉庫の窓を殴るのをマットの耳は歌と思った
咀嚼して飲み込んであっ美味しいと気付くものもあれば、呼吸をするように景色が見えるものもある。(私はどちらかといえば後者の方が好きです)
そしてその景色はいつも見ているはずなのに気付いていなかったことに気付かされる。あるいは私以外の人々のこころになることができる(今回の作品では二人の男子高生の)。
これからずっとなにかがあったときもなにもなくても一緒にいたいです。
特に好きな歌
ベランダで翼を癒す7月の風を六畳間に入れてやる
台風が倉庫の窓を殴るのをマットの耳は歌と思った
2018年7月8日に日本でレビュー済み
7/1
体育館とか下敷きとか消しゴムとか学校ならではのアイテムが出てくる短歌が良い。ちょっとした喜びの発見を誰かに言いたいような、このまま黙っていたいような、どっちにしても楽しい気持ちになる。
7/2
いきがったり、ときめいたり、ばかなことしてるなあと笑ったり。まわりの生徒らはそれぞれに生きてて、僕(ぼく)も生きてる。見飽きた校舎を、帰り道を、いろんな気持ちで眺め返している。
7/3
なんとなくしずみこむきもちのなかにうつくしさがうつる。それはきみの八重歯だったり、自転車のない駐輪場だったりする。はっきりと死ぬのはわかっているのになんとなく生きるのか?という自問をしてみる。
7/4
街の人たちや風景や、そのなかにいる僕や。目的はとくにないけど、べつにかまわないと思うことにする。街へ、海へ、行ってみる。そういう日曜日もいい。
7/5
この時から僕(ぼく)らは少しずつ何かを背負い、何かを失い、何かを愛すため、生を考え、死を考え、何かを試みる。何かは相変わらず何かのままで。
7/6
起きて、生きて、昨日と同じと昨日と違うを探す。
7/7
この歌集を読み終えて、決して運動神経が悪いわけでもふざけているわけでもないけどこの人たちはドッヂボールで面白い避け方をしそうだなあとなんとなくそう思いました。
体育館とか下敷きとか消しゴムとか学校ならではのアイテムが出てくる短歌が良い。ちょっとした喜びの発見を誰かに言いたいような、このまま黙っていたいような、どっちにしても楽しい気持ちになる。
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いきがったり、ときめいたり、ばかなことしてるなあと笑ったり。まわりの生徒らはそれぞれに生きてて、僕(ぼく)も生きてる。見飽きた校舎を、帰り道を、いろんな気持ちで眺め返している。
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街の人たちや風景や、そのなかにいる僕や。目的はとくにないけど、べつにかまわないと思うことにする。街へ、海へ、行ってみる。そういう日曜日もいい。
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この時から僕(ぼく)らは少しずつ何かを背負い、何かを失い、何かを愛すため、生を考え、死を考え、何かを試みる。何かは相変わらず何かのままで。
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起きて、生きて、昨日と同じと昨日と違うを探す。
7/7
この歌集を読み終えて、決して運動神経が悪いわけでもふざけているわけでもないけどこの人たちはドッヂボールで面白い避け方をしそうだなあとなんとなくそう思いました。